素敵な同級生達。 先日、「〇△◆×中学校　S49会」と言う名の グループラインのお誘いをもらった。 私も混ざってみた。 良く同窓会をしているらしく てっちゃんも良く 「今回も幹事になった」と言っていた。 幹事がてっちゃんだから 「いつもお正月集まらないで せめてお盆にしてもらえると嬉しい」と伝えたが 「お正月の方がみんな集まりやすい」との事で 「却下されたよ」と言われた。 私らの学年って、 確か２００人位だと思うんだけど 実際に同窓会に来ているのは、 ６０〜７０人だと言う。 それも最初だけで、今となっては いつも会うメンバーが一緒で、 ２０名位との事。 「最初は新鮮で楽しかったんだけど 毎回同じ顔ぶれだから、もうみんなが 次は６０歳の時でいいんじゃない？」と 言っているとの事。 そうなの？私は成人式以来 同窓会に行った事ないから 仕事じゃなければ行きたいよ。 まあ、私も2次会、 3次会なら参加出来るんだけど お正月って、私らの業界は初売りなのだ。 正直、キツイのだ。 そして今回「同窓会」をする為の 連絡綱が、グループラインで 来る事になるみたい。 このグループラインって、 時代を肖像しているね。と思った。 2月２日に誘われて この時私で３８人目になっていた。 その後、誰かが同級生を招待している事や 参加した名前がトーク画面に反映される。 フルネームで書いている人は分かるけど ニックネームの人って「誰？」と思う。 誰もトーク画面に 書き込みをしていないけど 次の日にチェックしたら グループの参加者が５９人になっている。 うわ。凄い。 私は誰も招待しなかったけど （すでに仲のいい人は入っていたから） 次々に人が参加している。 女性は特に結婚して名字が変わっているから 名前で、「たぶんあの人」と言った感じ。 また、メンバー内の個人情報として 画像の所には ペットの人も居る。 吸っているタバコ柄の人もいる。 お子さんのショットを入れている人。 しかもサッカーをしている所を見ると 「DNA引き継いでいるんだなあ」と思う。 画像は、本当に様々。 スマホでその後の人の人生を 垣間見ている。 もう、そんなに時間が流れたの？って。 私らが中学の時って、スマホは勿論 ケータイもなかった。 仲良しグループは、「交換日記」で ノートに好きな事を書いて 今でいうブログみたいな事を書いたり 写真は付けられないからイラストだったし。 そんな昔を過ごした私らだったけど 時代が流れ、仲のいい人とは 連絡先が、自宅から ケータイ番号になった。 さらにメアド、ライン、フェイスブックなど 時代の流れを実感したのは グループラインで、 あまり逢った事がない同級生の 名前を見たから。 だけど、みんな「招待されて参加した」だけで 誰もグループのトークに書き込みをしていない。 それに有難かったのは グループラインに入っても、 「久しぶり」と言う個人的な連絡が来ない事。 グループラインに、「こんなことがあった」と言って 色んな書き込みをするような かまってちゃん的な人がいないので、 日常を邪魔されずに済んでいる事。 スマホに、ラインのアイコンが出ている時は また同級生が参加したサイン。 2月5日には７０名になっていた。 うわああ。また増えている。 今度は誰が来た？ そしてグループラインに 初の書き込みを発見。 H田君が書いている。 チラッとみたら、日にちが書いてあるので 「あ〜、同窓会の事か」と思って読んでみると なんと訃報の連絡だった。 本来だと同窓会をする連絡の グループラインが 最初のお知らせは 「Sさんの亡くなった事」の連絡。 お通夜と葬儀の時間、 そして会場の地図も載っていた。 なにこれ！？私はビックリした。 Sさん（女性）は私の近所で、 特に仲が良かったわけではないが 今思うと、クラスメートだった。 文化祭の時は、一緒の演劇クラブで ステージに上がったのだった。 いつも笑顔で、可愛くて スタイルも良いし、頭もいいし ピアノも上手だし、文句なし！ いいなあ。私は当時 あんな風になりたいなと思っていた。 しかし、Sさんは私とは 仲良しと言うわけでもない。 今でも付き合いが続いている友達と違い 「中学時代の時だけのクラスメート」と 言う位置づけ。 その当時のSさんの姿しか 思い浮かばない。 その後、Sさんの高校を出て成人を過ぎ 結婚した後の生活などは 風の便りで聞く位で、 いつまでも「中学時代」のままの姿。 そんなSさんが亡くなったと グループラインを見てビックリした。 やっと書き込みが始まり 「Sさんの事で悲しみでいっぱいです」 「Sさんのご冥福を祈ります」 見た事のある名前の人達の書き込み。 私は明日、試験なのですが そんな事とはお構いもなく グループラインに次次と書き込みが来る。 この妙な胸騒ぎ。 みんなお葬式は行くの？ 私はお葬式は、 親しい友達だけにしたいと 思っていた。 これから先、どんどん増えていくでしょ。 てっちゃんにも相談をした。 E君からも連絡が来た。 彼らも行かない方向だった。 悪友Mに私も連絡をしたら 行かないとの事。 そして、唯一の私の女子グループ 「たぬき組」のラインには お葬式に行く友人たち。 あれ？私って冷たいの？ 試験の前日、私は図書館で 勉強をしていた。 今日は一日中ラインが来る。 見ると、当時Sさんと仲良かった人達が 「お通夜に出ます」 「私も出ます」 「オレも行きます」と言う書き込み。 さらに、卒業以来逢った事のない 同級生達の名前が次々と ラインのトーク画面に来る。 ハッキリ言って勉強どころじゃない。 「お通夜には行けないけど、香典は ●●さんに頼みました」 「県外にいるので、行けません。 ◆□さんに頼みました。」 みんな、行く方向の連絡。 登録している同級生をチェックする。 3分の１がお通夜に行くんだ・・。 画面を見るとH田君から 「〇△◆×中学校同級生一同」と 言う事で、花を用意したいと思います」との事。 その後からのラインは 「お通夜には行けないけど 花だけ賛同します。」と言う書き込みが来た。 これは・・・行けない（行かない）人達が このラインに入ってしまった以上 どうしよう・・と迷った結果にも見えてくる。 これがガンガンと続いてくる。 こうなってくるとお通夜にも 花にも賛同しない自分って 悪者！？と言う気分になってくる。 2月５日の時点でグループラインは ７４名になっていた。 そして試験当日。 相変わらずのラインに 「花を賛同」の人達が ライン登録の3分の２になり てっちゃんは、香典と花を Y君に頼んだと書きこんだ。 私も「たぬき組」に相談し MとE君とも連絡をして 「仕事が終わったら、お通夜に行こうと 思う」と言った。 Mも一緒に行くとの事。 なんて言うんでしょう このグループラインの仲間意識と 連帯感。行かないと仲間外れに されているような気分。 いや、もちろんそんなつもりも 皆さんサラサラないのだと思う。 でも、正直心苦しい。 周りがこんなに「行きます！」と言ってくると 自分が冷たい女に思えてくるし 「来ないのかよ！」と言われている気分に なるのを体験した。 ああ・・学生たちがグループラインに 悩むって気持ちが少し分かった。 私もグループラインのトーク欄に 「◆●美香です。連絡が遅くなり すみません。Mとお通夜に行きます。 花も賛同します。ただ、夜１９時過ぎます」と 書き込んで、一安心。 既読が７０名になっている。 自分が書きこんだのには、 既読の数字が出るんだね。 E君も「◆●美香さんに、花のお金を 頼みました」と書きこみをした。 他の人の書き込みを見ても 私には既読の数は反映されない。 大勢のグループラインの 仕組みが分かった瞬間だった。 もう、試験の終わった事など忘れた。 このグループラインから目が 離せなくなって、心が奪われた。 私とE君の書き込みが最後だったらしい。 H田君から「花代ですが、一人４００円で お願いします」と書き込みが来た。 みんなで合わせると、少額だね。 助かる。 そして、私も胸をなで下ろした。 そして、お通夜の日。 私はMと会場に行った。最後だった。 日〇さんに、「行かないって言ったけど 来たよ」と伝えた。 そして、グループラインを見ていると 正直どんどん追い詰められて 自分が悪い人間に思えてくると 伝えた。 すると日〇さんは言う。 「なんで？そんな事ないでしょ！ だって来ない人は来ないよ！！」 ・・・うん。メンタル強いよね。 「私、日〇さん達みたいに 同窓会に行ってないから みんな仲間意識強くて、一心同体みたいに 思えてきて。 それで、次回同窓会に参加なんてしたら あの時、お通夜来なかったくせに！って 言われるんじゃないかって思って。」 「全然、そういうんじゃないよ。考え過ぎ。」 と言われた。 確かに、会場に来て見たら 私が悩んだあのラインとは 全然雰囲気が違う同級生達。 むしろ、私、Sさんのお蔭で １０数名に会えて嬉しい。 日〇さんが言うには 「いつも会う同窓会メンバーの他に、 あまり来てない人達も呼びたくて ラインを作ったんだよ」と。 そうだったんだ。 最初のお知らせがSさんの 訃報になった件も 「1年前、Tちゃんが亡くなったけど 来たの私達６名だけだったでしょ」 そうだった。私が看板を発見したのだった。 聞けば、Tちゃんが亡くなったのを みんな後から知って 「どうして教えてくれなかったの！」と 同窓会で言っていたらしい。 そしてその時、気づかなかったんだけど Tちゃんのお葬式の時に 「同級生一同」と言う名で、のぶちゃんが 一人で花代を持ったんだと言う。 （葬儀屋の知り合いから聞いたらしい） うそ！！なにそれ。知らない。 「私らが、あの時の花代みんなで 持つよ！と言っても　いいから・・って言うの」 だから、今回また同級生が亡くなって 「知らなかった」って言われたくないから みんなに知らせようって！ そういう理由だったんだと聞いて 私はビックリした。 だからH田君とのぶちゃんは 色々声掛けをしてくれたんだって。 そうだったの！！ そうだとは知らずに 私はなんてイヤな女なの！！ Sさん、ごめんね。 クラスメートだったのに。 演劇クラブで一緒に活動したのに。 Sさんのお蔭で、 私らの同級生たちの 素晴らしさを知ったよ。 Sさん、見えてる？ 私、同窓会行ったことなかったけど 素敵な仲間達がいるから 次回は時間を作って 混ざってくるね。 素晴らしい同級生達が 身近にいる事を教えてくれて ありがとう。 Sさんのご冥福を祈ります。