私の大事なバッグ


今となっては、あまり目にしない、

ルイヴィトンの「リーピング」と言う、

肩掛けの出来るバッグ。

私が27歳の時に購入して

ずっと使っているバッグ。



世の中を見ても

この形のバッグを

持ち歩いている女性が

お目にかかれない。

その位、古くなってしまったんだね!

ヴィトンは「持てば持つだけ、

手持ちの所が(以下ハンドルと書きます)

いい飴色になる!」と言われていたけど

それだって限度があるのだ。

私の「ルーピング」は、持ち過ぎて

色は飴色から黒くなってきた。

しかもビビのような物が入ってしまった。

だけど、さすがブランド様!

壊れるワケでもなく、ただハンドルの所が

痛んだだけで、まだ使える。

普通に使う分には問題はないのだ。

ただ、マジマジと見ると

「劣化したなあ」と

ため息が出る。


1〜2年前、職場の隣に

「中古のブランドバッグ屋」が

2日だけ来た事があった。

そして、同じテナントにいるから

挨拶はしていた。

仕事が終わった後、

シャネルのバッグを

遠目に見ていた。

すると、そのお店の人から

「お疲れ様です。もうお帰りですか?」と

声を掛けられた。

どうやら私がシャネルを見ていたのを

視界に入ったらしい。さらに

「お持ちのヴィトン、その形


今はもうないから、

今買うと30万ですよ」
と言う。

えええ!30万もするの?

この痛んだルーピングでも?

当時私は78,000円で買ったのに。

でも、これは私のバッグを

売った時の金額ではなく


お店側が買い取って、

価格を付けるとしたら・・の話。

私はリーピングを売る気はない。

東京にも、名古屋にも、沖縄にも

一緒に行ったルーピングを手放したくない。

17〜8年一緒に居たんだもん。

私は、話しかけられたのをきっかけに

ブラリと店内を見る事が出来た。

「あのシャネルいいですね(買えないけど。)」

「あれも希少価値ですからね。


15万は安いでしょう?」

そのスタッフの男性は、

大きめのシャネルのロゴの入った

黒のバッグを「持ってみます?」と言う。

右側のファスナーから光る

シルバーのシャネルのロゴ。

私を弾いて眩しい。

20代の頃、欲しくて仕方なかった。

でも、この時持てたら、今頃


きっと売っていたと思う。(キッパリ)

そして、ケバイ印象だったと思う。(ハッキリ)

本当に自分で買ったのか!?と

言われたでしょう。(キッパリ)

あの当時は、40過ぎてシャネルを持てたら

素敵な大人!と思っていた。

だがしかし!今の私が

シャネルを持って果たして

似合うのか?と思えてきた。


なんか、私持ったら、

生意気に見えない?


色々頭を駆け巡り、

先ほどの「持ってみます?」にも

「いいです。ノーサンキューです。」と言った。

なんか、
このシャネルに

変な怨念が入ってそう。


こういうのは定価で買いたい。

(でも車は中古でいい。)


私が欲しかったシャネルも

売れることなく、

其のブランド屋さんは

次の日、帰った。



私のルーピングの話に戻るんだけど

持ち手の所だけ修理をして・・と

思った事もありました。

だけど、こんなに痛んだバッグを

ルイヴィトンのブティックに持ち込むのも

おしょすい気分(※恥ずかしいと言う方言)

なったので、止めました。

もう、このまま化粧品ストックや

アクセサリー入れにして

部屋に飾っておくだけになるかな・・と

思ったある日。



2年前の、「美人百花」と言う雑誌を

「リアルみかりんの部屋」で発見。

中を見たけど、「今年の雑誌」と言っても

なにも疑わなさそう。

ストールの巻き方のアレンジが

載っていた。

そして、そのまま見ていたら

手持ちのバッグにスカーフを巻くと

言うものもある。リボンにして

アクセントにしているのもある。

私が
「これだ!」と思ったのは

「ハンドル(手持ちの部分)」に

スカーフを巻く方法。

これはパッと見、エルメスのバッグに

スカーフを巻いているみたいで可愛い!

「汚れも防止出来るし、見た目もオシャレ」

と言う事で、巻き方の説明を

しっかり見た。

正方形のスカーフを三角に折り

下の方から上へ向けて折る。


1本のはちまきみたいにしたら

ハンドル部分に巻きつける!

私も早速やってみる事にした。




手持ちのルーピングのハンドルの所に

大柄の派手目なスカーフを巻くのだ。

スカーフは、25年前もらった物。(良くあったなあ)

赤、黄色、緑、青の4色が1枚に収まっている。

スカーフ柄のスカーフ。←

良く見ると、インドのシンボルの神様でも

描いてあるような絵柄。

この位派手だと、映えるぞ!

そう思って、巻いてみた。

ぐるぐるぐるぐる。ちょっと弛んだ。

もっとキツく、ぐるぐるぐるぐる。

そして、大柄スカーフを巻きつけると

まあ!素敵!

痛んでいたバッグに見えない程

ルーピングが見違えった!

茶色のモノグラムのバッグが

鮮やかなスカーフのお蔭で

生き生きして見える!

巻きつけたスタートの位置は赤で

所々に緑、黄色、青が見えるのも素敵。

わああ!すごい。生き返った!!

私は嬉しくなってバッグを持って

鏡を見て見た。

うん!イケテル←



昨日まで、痛んだハンドルの部分が

人に見られたくなくて仕方なかった。

電車に乗った時は

なるべく人目に付かないように

取っ手の部分を、自分の方に向けて

座っていた。


だけど!この派手なスカーフのお蔭で

このバッグ、まだまだ現役!と言う気分。

嬉しい!


ルーピングのバッグも

「ねえ、私まだまだイケテルでしょう?」と

言いたげ。(私は物の気持ちが分かるのだ。)

そして、元気になったバッグを持って

去年「プチ忘年会」と言う名の

女子会に行った。


日〇さんに「わあ!みかりんのバッグ

今時風にスカーフ巻いてて

素敵だね」
と褒めてもらえた。

気づいてくれてありがとう。

自分以外の人にも

褒めてもらえると、バッグは

ますます喜んでいるのが分かる。

そして、そのバッグのお蔭で

自分も引き上げてもらえている感覚。


「ブランドバッグを持って歩く人は

元気のない人には見えない」と

何かの本に書いてあるのを見て

「なるほど。確かに。」と思った。

今、生き返ったバッグを持って

私も元気を与えてもらえるので

それは確かにあると思った。


今度は違う大柄スカーフを

用意して巻き巻きしよう。

エルメスのスカーフは買えないけど

違う柄と色で、もっとご機嫌になって

もらおう。


そして、私の機嫌もとってもらおう。