コスプレプリクラ


何気ない晴れた午後の出来事だった。友人N子とゲーセン前を通ると

N子は「私 背筋力と握力を知りたい」と言い出した。そう、やってきな〜。

私はお供をする。すると 
1メートル先に「コスプレ衣装」を発見。

「ああ。。吸い込まれる〜」と言いながら、私はプリクラ用の衣装の元に走る。

遠くでN子が「ここに居るからね〜」と言っている。
N子の姿はもう私の目に映らない。


私はワクワクしながら、コスプレを見た。

あるわあるわ、ウェディングドレス、ゴスロリ、レースクィーン×2、メイド、

セーラー服、女子高生ルック×2、チャイナドレス、ナースルック。

どれも捨てがたいが、
半分は自分も持っている衣装ではないか。

これは
N子も誘って二人で爽やかにプリクラだ。そう心に決めて

N子を見ると、彼女は一生懸命 棒を引っ張っていた・・。ちょっと見届けて

お〜い・・・私が呼ぼうとすると、N子は「誘われている」と気づいたらしく

首を横に振る。そうか、じゃあワンショットで行くよ。

どれにしようかな〜♪
どうせなら自前じゃない衣装が良い。


余談だがウェディングドレスは、実は私、過去に四回着ているのだ。

高校の時、文化祭で 家庭部の人達が作ったドレスを一着着た。

20歳の時、化粧品企画「ウェディングドレスを着ようの会」で2着着た。

23歳の時、着物屋さんの所で販売していた、

薄紫色のドレスを遊んで一着。あの時 腰 疲れたわ。
合計4着!

みなさん、独身のうちにウェディングドレスを着ると、婚期が遅れるとは

本当の事なのである。
ここに生きた証人がいるので、かなり正確な

裏づけであろう。
・・・て、こんな事 自慢している場合ではないのだ。

さて、コスプレ。 ウェディングドレスは、パス。


セーラー服姿は、30歳の時に最寄の公園デビューして

小学生に「この世の終わり」みたいな顔をされたのだ。

私の中で 悲しく はかない思い出として残った。

余談だがクリスマスで「セーラームーン」になって以来着てないのだ。

あの時は
「セーラームーンみかりん」はタバコを買いにコンビニに寄ったのだが

「(かなり違う)高校生だと思われて補導されるよ!」とR君に言われ、

「そうそう、
身分証明書みせて(マトモな精神か?)って

言われるよ」とN子にも言われたのだ。

私の代わりにR君がタバコを買ってきてくれたという

思い出がある。
衣装には それぞれの思い入れとエピソードがあるのだ。

この大事な思い出類を 灰にして、燃えてしまうのはもったいない。



・・・と、こんな回想モードになっている時間はない。

私は
「ゴスロリ」にしようか「レースクィーン」にするか悩む。

レースクィーンはゴールドの衣装を購入してみたが、

サイズが合わないので、上着だけ着る事にした。

しかし。着る機会もないので 何処にしまったか忘れてしまった。

機会がないなら、プリクラで機会を作るか。

よし。ゴスロリーはまた次回!今日はレースクィーン気分なのだ。


私はレースクィーン衣装2点を見て悩む。

どちらもミニのワンピ。

ノースリーブで縦長に赤・白・赤と言うデザイン。

もう一点は、色違いで 赤・黒・赤と言うモノ。

赤と白じゃ、「ただおめでたい女、みかりん」と思われそうなので

シックな赤と黒にしてみた。

衣装を選ぶ。受付のお兄ちゃんに「これ貸ります」と断ると

「名前と
生年月日、住所、電話番号、職業を記入してください。」と言われる。

「プリクラが目的なので、
そのまま衣装を着て

外に出て行ったりしないでください。
(←私は出て行きそうに見えたのか〜〜!!)

試着室は、プリクラの横にあります。」と説明を受ける。

さっそく着替える。

ところで、
あのレースクィーンの傘ってないのだろうか。

どうせなら車の側で撮りたい。

(↑本物はこう言う発言は しないであろう)

着替えてゲーセン内を見る。若人ばかり。いいの、みかりん別に。

恥ずかしくないも〜ん。見たいならもっと見て!!いくらでも見てくれ。

人の視線は快感である。女は、みんな見られたいって

思っているのじゃ!本当である。

男性諸君、嘘だと思ったら貴方の彼女に聞いてみるが良い。


さて。レースクィーン★アイテムがないので、アホアホポーズを作って撮影する。

勿論「美白」を選択する。プリクラが、可愛くキレイに撮れるのは


この白い酵素パワーのせいなのだ。(アターック!!)

それより、これ ちゃんと洗濯してる?

さっきみたセーラー服、襟ぐり汚れていたぞ。

ああ。光るシャッターが、眩しい。

アイテムもないので、ひとり切なく「みかりん、なんちゃってレースクィーン」と

文字を書いてみる。
(←可愛そうだね。)

しかも、
その字は かなり引きつっている・・・。

24分割にして、仕上がるプリクラを、機械の外で待つ私。

N子も側にやってきた。


「私と一緒にいるの、はずかしくない?」と聞いてみた。するとN子は

「もう、慣れました。」と言い切った。

そうか。それはいい事である。人とは、慣れてしまうと

何が起きても「ああ、この人だから」と自然と受け入れてしまうものなのだ。


プリクラが出てきた。仕上がり作品を見てN子は一言。

「普通のワンピースに見えるけど、これ衣装??」

・・・・・・ガーン。

「なんちゃってレースクィーン」って書かないと

分からないよねえ!!」


ちぇ・・ちぇい〜す・・・。(←久々に言ってみた。)

「あと、コスプレコスプレって言っているから、こ〜ゆ〜の見ても

新鮮味がない・・・」

・・・さようですか。

さらに。私の撮ったレースクィーンは、
私服に似ていたので

普通のプリクラに見えるらしい。



結論。コスプレとは、アンバランスさが重要。

そして「意外性」を出す事で「ああ、コスプレしてる〜!」と

受け入れてもらえる。

じゃあ、次回は
「おかえりなさいませ、ご主人様」ルックだ!

きっと、
違和感ありありの「コスプレ」

「痛い女」としてウケるであろう。

でも、その前にゴスロリが先だ。このショットは

ケータイにも撮り、
ゴスロリ好きな苺さんに、画像メールを送るのだ。


こうして 私のプリクラは、反省と次回の課題として持ち越された。


ところでN子。貴方の背筋力と圧力は?どうだったのよ。

すると
「成人男性の上を行っていたので、答えられませんわ」と言った。