パワーストーンのお告げ?


右手に針入り水晶と、アメジスト。

左腕には透明な大きめな水晶を着けている私。

だからなのか

パワーストーンが好きな人が私の元に

寄って来てくれる。

「素敵なアメジストですね」と言ってくれるお客さんも

沢山出会った。

その人が興味を持っている石に

反応してくれるのだろうか?

今回出会ったSさんもパワーストーンが

呼んでくれたのかもしれない。


叔父の火葬中

ロビーを歩いている私に

声をかけてくれたのがSさんだった。

葬儀場で働く女性。

小柄で背筋がピーンと張っていた。

笑顔で世間話をしてくれた。

火葬の時間は親戚と居るより

Sさんと一緒に話をして過ごす事になる。

彼女の右手には小ぶりの針入り水晶とラピスが

光っていた。


針入り水晶はしている人が珍しいらしく

私とSさんは急に親しみ感を感じた。

色もなんとなく似ている。

石が呼び寄せた出会い?

パワーストーンって

なんとなく着けていないと

落ち着かない気がすると言うのは

みんなの共通点。

どことなく

不思議なエピソードも通じそうな気がした。



私は「2回目の震度6の地震が来た日の朝

針入り水晶が壊れたんですよ」と言った。

(みなさんご存知の通りそれは

私がヒステリックになって

勢いで腕から石達がスポッと抜けてしまい

ロッカーに当たって壊れたのが原因だが・・。


するとSさんは目を大きくして

「そういう事って、本当にあるみたいですね」と

言って話をじっくり聞いてくれた。

ラピスを身につけていて

事故に遭う所を

免れた時

石が砕け散って真っ白になった話しも

聞いた事がある。

どうやら身代わりになってくれるのは

本当らしい。

私もきっとそうだったと思う。

火葬中も、その後もSさんと

パワーストーンにまつわるエトセトラから始まり

Sさんの旦那さんの事や仕事の話

気がついたら初対面なのに色んな

プライベートまで話し合ってしまった。


まるで前からの友達のように。


葬儀でお仕事をしていると

個人的な深いところまで話を聞いてしまい

どれ一つ、同じ内容の人がいないと言う。

私は、商品を通して成り立つ接客の仕事だから

どうしても物を主体に話しをする事になる。

でも、商品を説明するワケじゃない接客業の方は

人間の私生活にモロに関わり遭うようになる。

同じ接客業でも、難しい分野はあるもんよね。


さて。Sさんはなんだか

頼もしい姉御と言う印象はあるのだが

その裏に、ちょっと弱くなっている部分を

勝手に感じ取りました。

そしてもう会えないのかと思ったら

どうしても、手紙を書きたくなった。

そして、針入り水晶のストラップを

どうしてもSさんに渡さないといけないような

衝撃が私を支配した。

次の日私はもらった名刺の先に

手紙とストラップを入れて郵送した。

とても印象深い人だったなあ。

そして穏やかなパワーをもらえたなあ。

また会えたら嬉しいなあ。




そして翌日。今日はお葬式。

さっそく葬儀の場所に着くと

Sさんが今日も居た。

あれが最初で最後の出会いと

思っていたのでお会い出来て嬉しかった。

これも何かのご縁ですね。


Sさんも私に話しをしたい事があったらしく

興奮気味であった。

「実は!みかさんからパワーストーンが

壊れた話を聞いた後、

私の石も壊れたのです!!

え〜〜!

なんと言うシンクロ現象でしょう!

「しかも次の日ですよ!」


話を聞くと、帰宅する途中

タクシーの中で

突然何の前触れもなく

パーンと石が飛び散ったと言う。

それも私と同じ針入りの水晶。

壊れた場所の糸が黒くなったとの事。

散らかった石は4個だけ

持ち帰ってきたらしい。

そして、その晩に

その意味が判明したと言う。

Sさんのお世話になった女性が


今回の震災で津波に巻き込まれ

お亡くなりになっていたらしい。

身元不明だったのが

やっと分かったからと。

その連絡があったから。

きっと壊れた石の意味は


虫の知らせだったんだろうと。


こんな事って本当にあるんだと

お互いに手を取り合いながら

話をした。

私はなんだか針入り水晶を送らないと

いけない気がした理由が分かった。

Sさんの石が壊れるようになっていたからだ。

だからあの日、速攻で手紙を書いて

あのストラップを送ったのだ。

なんとなく「渡さないと!!」と思った意味が

私にも分かった。


通じる人には

通じる会話なだけに

なんだか不思議。

そしてもっと驚いたのは

Sさんのお知り合いの人が

私も知っている人だった事。

話し込むうちに

世間は狭いと思った。

そしてSさんは

「石が導いてくれたのかな?」と

言ってくれた。

嬉しかった。



後日 私は腕に3本パワーストーンを

相変わらずして仕事をしていたら

ボスに

「こんな時期だから 

それ(腕の石)

とってケロ(するのやめてくれ)」と

言われた。


切ないけど

分かる気がするので

パワーストーンを外した。