パワーストーン、壊れる


4月も5日を過ぎ
通常モードに戻ってきた。
ライフラインが復旧して
自分の生活も復帰してきた。
「明日休み」と言われ
タイミング良く私は
デートが出来た日もあった。
昨日の休みは
母のお供で
病院に薬をもらいに出かけられた。
ちょっとずつ
生活になってきたのが嬉しい。
でも、どこに居ても
何をしていても
余震は続いている。


さて。今日は仕事。
店も夕方18時までだけど
営業。
告知もしていないけど
お客さんも普通に来れるようになった。

こうして今まで通りの生活になると
自分の置かれている立場や
環境での過ごし方が
8割頭を占める事になる。
マズローで言う第三段階目でしょうか。


職場。
人の入れ替えもあったけど
ボスを初めとして、
みんな基本的にはいい人ばかり。
しかし。
その日の私は
女の事情も近かったせいか
ちょっとご機嫌斜めであった。
こういう時に
ちょっとしたやり取りで
カチンと来てしまった私。
Y君の言葉に
いらだちを覚えた私。
バックルームで
物に八つ当たり。
(私はときどきヒステリーなのだ)

この時、
ロッカーに向かって物を
投げたのはいいのだが
(いや、良くないか)
その時勢いで
右腕に着けていたパワーストーンが
砕け散ったのだ。

パーン!と音を立てて
壊れた。


私は一瞬にして
怒りが消えた。
そして、次の瞬間に
悲しくなってしまった。

一番強力なルチルクォーツ。
黄色の水晶がバラバラに
なってしまったのだ。
「・・・やってしまった・・」
急に冷静になれた。
私は必死で
その石達を探した。
私の腕に15個で
リングになっいるルチルクォーツ。
私の右腕を光らせていた石達。

見つけた私のパワーストーンは
10個の石は
まだまとまっていて
残りの5個が散らかっていた。
私は全部の石を
探し出せたのだ。
ああ良かった。そして
こんなくだらない事で
壊れてしまった石に
謝った。


私はこの件を
MMに伝えた。
「きっと、そんな事で怒らないで。
私達が代わりに壊れるから・・って
言う思いで
バラバラになってくれたのでしょうね」と
言ってくれた。
MMは時々
物の気持ちが分かるのではないか?と
思う。


私は一刻も早く
このパワーストーンを直したかった。
糸を張り替えてもらって
また右腕に輝いてもらいたかった。
これでお役目が
終わったなんて事ないでしょう?

たとえ、そうだったとしても
1個も失くさないで
私の元に戻ってきたもの。
強力なパワーがあるこの石達は
私のお気に入りなのだから
また右腕に着けるのだ。



しかし。お世話になった
パワーストーンのお店は
まだ再開していない。
私らの売り場は被害が
少なかったけど
場所によって度合いが違うのだ。
いつになったら
中国人のあの店長さんは売り場に
来てくれるのだろう。
それまで
バッグに大切にしまって
持ち歩きをする事にした。



今日も夕方6時までの
営業。
仕事を終えて帰宅する。
規則正しい生活のお陰で
夜8時以降
物を食べなくなった。


今夜は
「渡る世間は鬼ばかり」がある。
毎回見ていると
続きが気になる。
すっかりファンになってしまった。
おやじバンドよ、
ぜひ頑張ってほしい。
こうしてテレビ鑑賞も出来る。
水も来る。ガスも来ている。
強力粉も普通に買える。
やっと、普通に生活が
出来てきたなあ。
幸せだなあ。


そして、
普通になってきていたはずの

このライフラインを
また余震が邪魔をした。


4月7日・・・夜11時45分。
私はまた「死ぬかもしれない」と言う
地震に遭遇した。
お風呂から上がり、
着替えている時だった。
突然の揺れ。
それも普通じゃない揺れ。
お風呂のお湯は
波を打ち
半分が流れ出す勢い。
心臓バクバク。
きっとケータイも地震の警告を
出していたのだろう。
しかしその音は
お風呂に居る私には届かなかった。
震度6弱。
数分後に停電。
ケータイの充電は
先ほど満タンにしたばかり。
通話は出来ない。
メールで
弟と彼の安否を確認。
すぐ連絡が来た。


またローソクと
懐中電灯を用意。
また水が来なくなるかも
しれない!
明日の仕事はどうなるの?
考えてもどうしようもない。
もう寝るしかない。
さっきまで
普通の暮らしに
戻ったと思っていたのに。


私はこの時
思った。
パワーストーンが
この地震を
予言していたのかも?
と。


従妹のかおりちゃん
前だけど
「パワーストーンが壊れて
その後
自宅が火事になりそうに
なった事がある」と
言っていた。
「大難が小難で済んで
良かったね」と
言った記憶がある。


パワーストーンが
壊れるとは良く聞いてたが
私はリングが切れて
バラバラになったのは
今回初めてだったので
もしかしたら
ルチルクォーツが
守ってくれたのかと思った。


そんな事を考えながら
眠りにつく。
寝てしまえば
もうあれこれ考えなくて済む。


目が覚めたら
明日の状況をみて
何をしたらいいか
考えよう。

電気がつかないのだから
何も出来ない。

本当に
もう寝るしかない。