お魚地獄


・・・・この物語は、実在する話を元に

私の
独特の解釈と、屈折した感覚から作成された真実である。


AM11:30。晴れた日曜日。素晴らしいドライブ日和。

N子(28歳)は、彼氏(37歳)と、ホームセンターに向かう。

N子は助手席で、のほほんと「よっちゃんイカ」を頬張っていると

道路に、ある物体を発見!

なんと!
道端に「鯉」が落ちている。

川沿いであるこの道路。鯉が着地に失敗して

路上デビューをしたのである。


〜N子は私に言う。「ピッチン ピッチンしていたのよ」

そう言い、N子は左手を上下に振る。そして真顔で語りだす〜


N子は近づいて、その「ピッチン ピッチン」を見る。

「おお、魚だ。しかし、
N子には劣る動きだ」と彼氏が言う。

二人の恋は、この鯉より激しいものらしい。

この鯉をどうしようか?そうだ!N子は

彼氏の軽トラックから、ビニールを探し出した。

「よし!甘露煮にするぞ!」そう彼氏は言い、

ビニールに鯉を入れた。

・・そんな事をしないで、川に帰してあげた方が

地球に優しい。


N子は、よっちゃんイカを左手に、右手には

先ほどGETした、鯉の入ったビニールを持っている。

N子は心臓バクバク。呼吸はハカハカ。

鯉は車内で
「ビッチン ビッチン」動いている。

彼氏がポツリと言う。

「この鯉、どうする?飼うか?食うか?」

食うつもりだろうが!

しかし、N子はすでに
彼氏に食われていたのであった。


N子の彼氏は魚料理が得意らしい。

自分の包丁を5本持っているらしい。

一方、N子は
サバ読みが得意。5歳は平気で歳を少なく言う。


二人は「愛の巣」に戻ると、この鯉を

泥を吐かせる為に、タルに真水を張る。

これが「泥抜き」と言うらしく、キレイな体になってもらう為の

前儀式らしい。

「じゃ〜、俺パチンコ行って来るから。」と言い

N子は鯉の観察をする事になったらしい。

しかし、タルに入れた時点で

鯉はグッタリしていたらしく、泥抜きに失敗したらしい。

N子は彼氏にメールを入れる。

「死体になってるよ!!」

すると彼氏は「
冷凍庫に入れておけ!」との事である。


♪冷蔵庫の中で、凍りかけた愛を

温めなおしたいのに〜♪by 竹内まりや


パチンコから帰ってきた彼氏は、

「明日調理するからな〜!」と言う。


しかし、この鯉は、生きている段階で泥抜きを

しないと意味がないらしく

結局は食べられない魚になったらしい。

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