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思い出、そのままで・・・


OL E子は付き合いの長い彼がいる。

E子は、自分と彼氏との境界線が無いほどの

マンネリ化した関係に疲れていた。


そんなある日、E子の昔の彼氏が神戸から

帰って来た事を風の便りで知る。


仕事で神戸へ行ってしまったオシャレな彼であった。


E子は、その当時の自分にタイムスリップしてしまった。

「オシャレ彼」は神戸に行って、ますます素敵になっているに

違いない。

・・・逢・い・た・い・・・・・・

E子には、いつのまにか
「浮気心」が芽生えていた。


しかし、E子は仕事に追われ「オシャレ彼氏」の件は

月日に流されてしまった。

そんなある日、E子の願いは叶う。

「仮面舞踏会」の入った、少年隊ベストを聴きたい!

思ったのがきっかけである。


レンタル屋で、E子は「じっ」と見られる視線を感じた。

振り返ると、会いたがっていた「オシャレ彼氏」である。


E子は、ビックリしてしまった。

手に取った「少年隊」のCDを落としてしまった。

オシャレ彼氏は、「フッ」と鼻でE子を笑い

アダルトコーナーに入っていった。


・・・・念願叶って良かった・・・

うん?いや、良くない!!!

オシャレ彼氏は、オシャレとは程遠かったのである。

何故、横に太ってしまったのだ?

何故、アフロヘアーなのだ?

面影はあったが、このままパラパラを躍らせたら

パパイヤ鈴木である。


・・・・E子は、思い出の中で生きている彼氏と

現実の変わり果てた彼氏のギャップに

月日の流れを感じた。

「思い出は、思い出のまま」が一番である。


こうしてE子は、自分と彼氏との境界線のない

今の関係を継続していくのであった。

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