オーケンさんの本



筋肉少女帯だった、大槻ケンヂさんことオーケンさんの本。

「リンダリンダラバーソール」
と言うタイトルの小説(自己伝)を読んだ。

この本、本当に面白い。

一昔前のバンドブーム。メジャーデビューになるまでの話。

デビューした時の話。この辺を読んでいると自分も10代に返ります。

私らの世代ってバンドしている人が多かった。(ような気がするのは

たまたま自分の周りや、興味の対象がそこにあっただけ?)

あの当時・・・ホコ天やイカ天と言われたりしていた頃

私ら一般人にもすごく影響がありました。

だって私の学生時代のしたい事は

バンド組む為にあの高校に行く!だったのですから。

15歳の自分に、メラメラと情熱の炎が燃え出した頃を思い出します。

あの当時にこの本を見ていたら、私は完全燃焼した事でしょう。


ちなみに本の内容は、1980年後半くらいから2002年までの話です。

メジャーデビューした頃から、今に至るまでの話が書かれているんですね。

オーケンさんがデビューする前の話は、

一般にただバンドを楽しんでいた自分と

ちょっと方向性は違います。

でも、自分の青春と共感する事もあり

戻れる事なら
あの頃に戻りたい〜と思って遠い目をしながら読みました。

オーケンさんの書く文章は、目の前に

リアルに想像できる文体が沢山で、自分も体験している様な感覚になる。

これは暫く退屈しないで過ごせそう〜。そして読み老けました。



私ら一般人のブーム、バンドブームの原点とも言える当時のバンド。

今、振り返ると・・・

私らにギターやベースの楽しさを教え、そして盛り上がるにはどうしたら

いいのか?どうしたら一体感が出るのか、アマチュアバンドのコピーの

定番はやっぱり
プリプリなのか。そんな事を考えさせられる自分。

文化祭、全校生徒の前で緊張しないで話しをするにはどうしたらいいのか

アドバイスらしい言葉より、
先輩達の度胸とMCを見て教えられた。

先生や友達に励まされた私の高校時代。

私がバンドをしたい、歌いたい、と思ったのは

他ならぬバンドブームを作ってくださったオーケンさん達が

居てくれたからだ。

オーケンさんは好きな事をしていて、

自分のバンドをしている時と学生の時の

ギャップが大きかったみたいだけど

生き生きしている所がいつのまにか

メディアに取り上げられた。

世に浸透させ、私らのような当時の学生に

希望を持たせてくれたのは事実。


ただ好きでやっていた事が、人々にすごい影響力を与えた。

それこそ彼らバンドマンの使命なのでしょうか。

私らにとっても、青春の一ページがバンドだった。

でも、当時の私らには分からない世界もあったのですね。



筋肉少女帯が活動している頃、(今は懐かしいAURA、ユニコーン、

X JAPANなどの話も出てきて嬉しい)

私らが夢中になってみていた、

バンドの背景には様々な事情があったようで・・。

デビューはしたけど、活動したお金が誤魔化されてしまった話。

自分のやりたい方向性の音楽が出来なくて、却下された事、

社会とうまく関わって行く事の苦悩。

でも、いつも見守っていてくれた彼女の存在。

「上る所まで行ったら後は落ちるだけ」「次は自分の番」と言った

明日は我が身と言った心境。

・・・一気に天国と地獄が味わえる環境だったんですね。。。


私らが、学校と言う中に居たから分からない大人の事情。

私らが、純粋にただ音を合わせて楽しんでいたから

知る事もなかったプロの世界。

お金が絡む現実の話は、私らで言う学校外での活動くらい。

それだってチケットを売りさばく、と言った程度の問題。

私らはそこに生活がないから、お気軽に笑って歌っていられた。

学校を卒業したらバンドも卒業と言うのが

どこかにあった。高校時代だけの思い出に留めておくと言う前提が

私らにはあった。だから純粋に楽しさだけを追求できた。

・・・この本を15〜17歳の自分が見ても、言っている意味は

分からなかったと思う。

今だから分かると言うのもあるし、きっと今

出会うのにタイミングの良い時期だったのだと思う。


時代の流れの一部だったようなバンドブーム。

でも、私らにやる気と野心を持たせてくれたあの時代。

「好きなバンドは?」「ブルーハーツ!」

「俺ら、コピーしてるよ!今度ライブする時教えるよ」

そんな会話が日常だった私達。

ロックンロール・オリンピックの写真を見せてもらい、

XのTOSHIさんを間近で観た友達の話や、

好きなジャンルのバンドが同じで、異様に盛り上がった高校時代。

私達に楽しませてくれたあのブームは

夢一杯で楽しかった。

大人の現実社会を知らずに過ごせる高校生。

それは学生の特権。



大人と子供の狭間で、一生懸命生きていた私達。

学校生活を楽しい事にさせてくれたバンド。

バンドブームを作ってもらえたから

私達も学園生活が素晴らしい物になった。


そして、その時だけで終わった(趣味での)私らとは違って

プロは「こだわり」と「生きる道」がしっかりあり

一般人とは違うから、そこに進む様に

道が用意されているように思えてなりません・・。


オーケンさんを応援しています。