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にゃんにゃんへ



私の「にゃんにゃん」は、その日

ものすごく不細工になっていた。

瞼が腫れていたのである。

ダニに食われてしまったのだ。

ああ、にゃんにゃん、私の可愛いにゃんにゃんが

「化け猫」になってる〜。

私は、にゃんにゃんを肩に、かついで病院に行く。

猫を入れるバスケットなどと言う、
そんなハイカラな物

私は持っていないのだ。

左目の瞼が垂れたにゃんにゃん、白い服をきて

ロングヘアーでいる私。柳の木の下でうつむいていたら

さぞかし不気味がられるであろう。

しかし、これもなかなか
いい味を出せるかもしれない。


思い起こせば、にゃんにゃんは元々は「よその猫」であった。

私が、お友達になって仲良く遊んでいたら

にゃんにゃんは、頻繁に私を訪ねて来てくれたのだ。

私は勝手に、「にゃんにゃん」と改名し、自分の猫にしたのだ。

もう私は「泥棒猫」である。

しかし、その後、元・飼い主に、にゃんにゃんを

私の養女にしていいかどうか

きちんと断わってきたのだ。

元・飼い主は私に

「どうせ、帰ってこないからあげる」と言った。

こうして にゃんにゃんは無事に

私の扶養家族になったのである。


そんなにゃんにゃんが、「目の手術をしないといけない」と言われた時には

生まれて初めて「変わってあげたい」と思った。

にゃんにゃんを、病院の先生に手渡すと、涙が出てきた。

ああ、にゃんにゃん、無事に麻酔から目を覚ましてくれ・・


その後も、其の動物病院の腕は好評で

今日も元気に、にゃんにゃんは生きています。

頑張って、あと10年は生きてね。デブにゃんにゃん♪

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