当たらないナンバーズ


いつからナンバーズを買っているのだろう。ブランクはあるが

たまに
熱中してずっと買い続ける事がある。

当たった時の
感激と感動を忘れていない証拠なのだろう。

それと、当たるかもしれない!このお金が大きくなるかもしれない!

そんな期待に心を躍らせられ、掛け金を惜しまないナンバーズファン。

勿論、私もその1人である。


しかし、こうやって毎日買って

今回こそきっと!と目を光らせ、こぶしを握り締めても

いつもハズレ。

いいのだ、私は夢を買っているのだ。夢を買っているのは

夢が壊されない限り、永遠に幸せ。

買い続けているから、継続できる幸せ。


いつか報われる!そう思い

満たされない現実を、未来に描く事で

自分の精神を保っていられる幸せ。

だけど!出費が・・。
夢を見た分だけの、

出費が数字となって現れる現実。


はい、早い話が
「負けた掛け金」です!

現実とは、実が現れると書く。悲しい意味で
本当の事を言っている。

夢と現実の間=ギャップに、私の
はかない願いが彷徨っている。

人って、このギャップをいかに埋める事が

本来の自分へ近づくものかと幼い頃から考えるものである。

私は「それでも、いつかきっと・・」と思い

データーと直感を頼りに、また宝くじコーナーに通ってしまう。




宝くじ売り場に行くと、毎回会える人物がいる。

「師匠」と呼んでいるナンバーズ4ストレート当選の

Oさん(男性 50代 )通称ムーミンおじさんである。

ムーミンおじさんは私を「みかりん」と呼んでくれる。

「ナンバーズ4は、前回の数字の2つを

今回の数字に混ぜるんだよ」と言うムーミンおじさん。

ムーミンおじさんも、きっと負けている金額はある。

だけど、彼の場合は勝った金額の方が多いのだろう。

いつお会いしても、円満の微笑みである。

ムーミンおじさんは、夢を買っている。当たる楽しみで

心が満たされている。だから「損した」と口に出さないのだ。

私のように、シビアに負けた金額を指折り数えてはいけないのだ。

しかし、一度シビアになってしまうと

なかなか視点と言うのは変えられない。

何事に対しても

女が急に冷たくなるのはそんな時である。



私は、毎日買っていたナンバーズの掛け金を

少なくした。何故なら
当たる時は200円だけでも当たるのだ。

勝手に思ったからだ。

そして、千円掛ける所を、今日は200円だけにしたので

残りの800円は貯金箱に入れようと決意した。

こうして2ヶ月が過ぎ、貯金箱を開けてみると

16.000くらい入っている。

「掛けたつもりのナンバーズ金」は

困った時の裏金に化けた。


これでナンバーズ3、ボックス当たりくらいの金額GET。

そう思って過ごす毎日。

クーちゃんポーチに「ナンバーズ申し込み用紙」を入れながら

「この数字の流れなら、狙っていた数字くるかも!」と

心を躍らせ、仕事に来ているついでに買うナンバーズ。



掛け金−当たった金額≧過去負けた金額

上の公式が成立する時はごきげんだと思う。

でも、シビアに

掛け金=夢に敗れた現金

これが頭にこびりついて離れない時

何事もほどほどにしようと思う。