内視鏡検査の続き


白いベッドの横に大きなスクリーン。

どうやら、このスクリーンで私の腸を

観るらしい。かなりクローズアップされて

映るのだろう。

ホウスのような管の先に、小型カメラが

付いているらしい。

この黒い管を私の腸の中へ

入れるのか・・。

もう、後には戻れない。

このまま私は腸の中を見てもらうのだ。

やっとここまでの道のりを

辿ってきたのだから。







「ではこちらで、この服に着替えてくださいね」

ナースがそう言って、

ガウンとズボンみたいなのを

渡した。

このズボンは検査専用のパンツらしい。

パンツと言っても、見た目は

半ズボンの様なダボダボのズボン。

タテに切れ目が入っている場所を後ろに

(この切れている所がお尻になるように)

履いて、表向きは「昔のSPEED」の恰好。

私は下半身を脱ぎ、

腸を検査する専用のパンツを履いた。

そして、ガウンを羽織ったら

立派な患者気分。

このいでたちのまま

私は白のベッドに上がっていた。



「検査の前に、腸の動きを止める

注射を打ちますね」と言われる。

予想外だった。

検査の痛みどめではなく

腸の動きを止める為の物。

痛み止めの注射と思ってみたら

検査は痛くないかも!?

「たぶん、内視鏡の検査より

こっちの注射の方が痛いですよ」と

言われた。

注射を右の肩に打たれた。

ちょっと肩の筋肉が固くなった気がした。



「では、体を左横に倒してください」

どうやらこの検査は横を向くらしい。

「ベッドが上に上がります」

ギューンと音がして、どんどん上に上がった。

これからこの高い場所で

私はどうなるのだろう?


そこへ先生登場!

横向きなため、

まともに挨拶も出来ないで

「よろしくお願いします」と

顔を見ないで言う。

「では、さっそく始めますね」

キター!!初めての体験!ドキドキ。

「お尻の穴に、ジェルを塗りますね」

先生は男の先生でとても優しい。

ジェルは沢山塗られて

とてもすべりが良くなった。(感じがする)

下から上に向かってスルスルと入っていく。

感覚はあるけど、ソフトに挿入されたので


痛みはなし。

ちょっと変な感じがするくらいで

変な異物感もなし。

あれ?こんなもんなの?

婦人科よりもラクじゃないの〜!

カメラが入っていた後

「今度は正面を向いて

右足を組んで横になってくださいね」と

言われる。

別に、深呼吸をした方がいいとか

口呼吸がいいと言った事もなく

至って普通にしていていいみたい。

これと言って痛みは

ないない・・ない・・と

思っていたが!!

時々痛くなってきた。

「おお。。いででで・・」と言ってしまった。

でも、まだ我慢できる痛み。

激痛のような痛みはない。

生理痛のような鈍い痛みでもない。

ちょっとどこかにぶつけてしまったような

そんな痛みが2〜3回あった。

腸の中で、まっすぐに通る所はいいが

角が痛い感じがする。

私の痛みは

この角に当たった時なのか?

この感覚は

「便秘になって、

ハラが痛い!」と言う感覚かも。

あと、ハラが張って「トイレに行きたい」と

思って、ハラがゴロゴロしている感覚。

やっぱりハラの中をウロウロされると

感覚は「模様してきた」に近いかも。

この体験はとても貴重だ。

内視鏡の痛みとは

便秘気味の時のハラの痛みである。

さらに付け加えるなら

私は下る方なので、

この検査は、前半はゲリP気分。

後半は便秘の人の気分だ。

なので
内視鏡検査とは

ダブルのハラの痛みを

味わう検査なのだ。



それより私、あんなに

ふなっしーブシュ―!だったのに

検査中、ブシュ―!となったら

どうしよう!?と思っていたら

「検査の器械が、おなかの水分を

吸収するんですよ」と言われた。

あ〜・・だから私のハラじゃない所で

きゅきゅきゅ〜と言う音がするのか。

なんの音だろう?とチラとは思ったが

この検査を受ける事でいっぱいで

周りをすごく気にするゆとりがなかった。

「おならを我慢すると、

痛いんですよ。

出たくなったらしていいですよ」と

言われた。

でも、おならは出ないのだ。

どうしたら出るのだろうか?

でも、自分のおならよりも

この吸収された音の方が

恥ずかしいかも!?


でも、私が自ら

外に漏らした音じゃないから

この際、どうでもいいかも。



検査を受ける前

「おなかに空気入れられて

それがおならになって」と聞いた事があったが

私は、空気を入れられたって言うのは

なかったなあ。

病院によって違うのだろうか?


さて。私は自分の腸の中を

画像で見るのが恐ろしくて

ずっと画像と反対方向を見ていた。

でも、先生に

「あ!ポリープがありますね」と言われた。

えええ!うそ〜!

それってカットできるの?

私は自分の画像を

見る事になってしまった。

恐る恐る視線を向けると、

そのスクリーンには

ピンク色した私の組織が映っていた。

あらまあ、思ったより綺麗。

腸美人じゃないの。

腸の中身が空っぽ。

(私は頭の中が空っぽ。)

この綺麗なピンク色に

ちょっと感動した。だけど!

「この、丸くなっているのが

ポリープですよ」

そう言われてビックリした。


生まれて初めてみた。

5ミリくらいなら、

カットできるらしいのだが

私のポリープは、11ミリだと言う。

ええええ!しかも5ミリ以上あるから

ここではカット出来ないと言われた。

ガーン。大きな病院に

紹介状を書いてくれると。

そんな〜。この検査をもう一度

受けろと!?


誰も ワンスアゲンとは言ってない!

私は急に冷静になってきた。

どうやら「腸に入って3.5メートル先に

ポリープ」と言う事が分かった。

ちなみに、この管は5〜6メートル入るらしい。

余談だが、上の内容を書いていて

「どこかの工事現場」の会話のように

思えたのは私だけだろうか?


そう言えば、腸って人間の

身長の5倍くらいあるって言うよなあ。

最後まで無事にみれて、

今度はカメラが引き返してくるだけになった。

戻ってくる時の痛みはなかった。

ポリープがあったけど

これが私を痛くしたわけでもないらしい。

この腸の中の画像を


記念にもらえるらしい。

とりあえず、無事に検査は終わった。



後は、後日紹介状を持って

大きな病院に行く予定が出来た。


ポリープ1個出来ていた。

しかも。。。1センチ過ぎまで成長していた。

これって、便検査で分かるものなのかと

先生に聞いてみた。

すると「ポリープくらいでは出血しませんので

普通は見つからないですよ。

内視鏡をしてみて

初めてポリープがあった事が分かるので。」と

言われた。

・・・じゃあ、あの

「血が混ざっていた」と言うのが

たまたまきっかけで、

ポリープが見つかったと!?

「全くその通りですよ。良かったですね。」


・・・・私は・・もうこれが

神様の導きではないか!?としか

思えなかった。


ちなみに、5ミリくらいのポリープなら

カットできると言うのも

5ミリと言う数字よりも

正確には、そのポリープの形の方に

カットできるかどうかが

かかっているらしい。

ポリープの形が3種類あるらしく

その形によるらしい。

ブドウみたいに茎があるのは

カットできるけど

他の2種類は、腸の血管まで

巻き込んでしまっている形の為

(丸い形と、まんじゅうみたいな形)

出血してしまう為、

1泊2日の入院が必要になるとの事。



・・・・私は、どうやら

近いうちに入院して

このポリープをカットするみたい。

手術と言っても、今日の検査と

同じなので、メスが入る訳ではないらしい。

そんなわけで!

この内視鏡の話は

今後も続きます。