黒の麦わら帽子


暑さを避ける為の女性のアイテム。

日傘、そして帽子対策がある。

私は真夏は、日傘から始まるのだ。


しかし。真夏に日傘をさす人とは、

世間一般的には

「邪魔」と思われるらしい。

私は日傘をさして歩く女なので

日傘をささない人からの意見として

考えてみると、おっしゃる通り邪魔なのだ。

確かに通り過ぎる時、

日傘女と言うのは、

人一人分くらい

スペースを陣取っているのである。

しかし私は幸運な事に

日傘をささない一般人から

露骨に振り返られて

イヤな顔をされたり

「邪魔!」と言われた事がない。

舌打ちをされた事もない。

なので、私が配慮をするとすれば

「私と一緒に歩く人が

嫌がらないか?」と言う視点であった。


しかし。この頃

日傘じゃなくて

「麦わら帽子もいいかも」と思った。

麦わら帽子なら、

ツバサの大きな白か

もしくは黒が欲しい。

せっかくかぶるなら、

服に合う真夏の帽子が

いい!と思っていた。

そんなある日、1,000円で

私の希望通りの麦わら帽子をゲット。

黒でツバサは大き目。

そして、嬉しい事に黄色の花も付いている。

この花のアイテムは

私に選んで欲しくて着いてるようにさえ

思えてきた。

お手頃価格なので、即購入。

この帽子をかぶってお出かけ出来る日を

楽しみにしていた。


そして、梅雨も明けた8月。

35°ある真夏に、私は

黒の麦わら帽子デビューを

するのだ。

しかし。帽子を一番に考えたコーディネイトとは

普段の私にはあまりない為

一瞬迷った。


着たい服の色は黄色だったのだが

黒の帽子を合わせて

トータルのバランスを見ると

「変!」なのだ。


黒の帽子に負けている。

服の色も黒がいいか?

着替えてみる。

上下とも黒にして、羽織モノも

薄手の黒にしてみた。

すると、黒の帽子がなんとなく合って来た。

しかし、バッグの柄が合わない!

全身黒なら、映えるであろうヴィトンが

帽子と合わない。

この場合、波長が合わないのだろうか?

バッグも黒にしてみた。

サンダルも黒にしてみた。

鏡に映る私は、全身黒づくめ。

「今すぐお葬式に行けそう」ファッション。

・・・なんか、真夏にこのいでたちは

暑ぐるしい!!


さらに黒の帽子を合わせて見たら

「さっきよりは見れる」と言う感じ。

膝上ギリギリのスカート丈が変なのか?

このツバサの大き目な帽子は

女優風に、サングラス&黒のマキシワンピで

さらっと着るといいのか?

しかし、私の持っている黒のマキシワンピは


踊りでしか着れない黒のロングドレス。

ドレス着て、セルの真っ黒のサングラスと

黒の帽子で、
たかがイオンに買い物に行ったら

「なにあの人!」と指差されるでしょ〜〜!


私は、鏡の前で「お葬式」ファッションになった

黒の服の自分を見て

帽子に合わせるの止めようかな・・と思った。

そして、母にこの姿を見せたら

ゲラゲラ笑われえた。

「あはははは!

その帽子かぶると

面白いね!」


ウケている・・

バカウケだ。←お前はせんべえか。

そんなに笑いを取るほどであるとは

身内以外が見たら、

私は珍獣扱いではないか。

でも、その恰好で世の中に出てみる事を

強く母が進める。恥さらしにしたいのか?

しかし、鏡に映った自分を見たに

違和感を感じるのだから

これは止めた方が

自分の身を守れると思った。

たかがイオン。されどイオン。

今は世間の子供達は夏休みである。

小学生の子供とスーパーで

すれ違って、私よりはるかに若い母親に

「あの人、変〜」と教えられたりしたら

私は生きていけないではないか。

やっぱり、この黒の麦わら帽子も

夜専用にすべきか。しかし

夜だとあまり意味がない。


私はイオンに全身

黒づくめのファッションで

向かった。

しかし、帽子は被らずに

今まで通りの日傘着用で

駐車場から歩いた。

日傘を差して歩いている人も

あまりいないが、日傘が

邪魔になるほどの人口でもないので

良い事にした。




黒の麦わら帽子は、

コーディネイトが難しい!

少なくても私は、黒の服以外

どう合わせたらいいか迷った。

ネットサーフィンしたら

「ヨコジマのマキシワンピと合わせる」と

言う画像が乗っていた。


黒の服って合わせやすいのに

黒の麦わら帽子は難しいのだね。

この帽子を被って出かけるとなると

服が回せない。

そうなると、私は帽子ではなく

夏は日傘の方が

服も着まわせる。

麦わら帽子は、単品で見ると素敵だけど

(1,000円だったけど)

私には不要になってしまった。


そして、この帽子は

母に渡す事にした。

母は
「畑仕事専用にするわ」

笑顔で受け取った。