口内炎が痛い。


私は基本的にビタミンが好きな女である。

飲んでいるサプリはビタミンが沢山である。

このビタミンが不足すると肌に悪いらしい。

そして、これが不足すると口内炎が出来るらしい。


その日の私は、何かを食べていて(怪しい食い物ではない)

右付近の唇の裏を噛んだのである。

「あ!痛い」そう思ったが、
食うのに必死な私は

その痛みなどスルーに近かったのだ。

ちなみに私は食べるのが早いらしい。

言われてみると、食べる時、

私はあまり話しをしないで

もくもくと食べている様な気がする。

私にとことん話しを聞いてもらいたい時は

食べ物を食べている時に声をかけるといいであろう。

私は、この時すでに自分の口の中に

口内炎を作り始めていたのである。

ちょっと噛んだあの口の粘膜が

小さいくせに痛み一杯の

かわくない丸い物になっていた。

しかし、これに気づいたのは次の日である。

なんだか痛い・・と思って鏡で

下の唇を引っ張ってみてみたら

白い横長の口内炎が生まれていた。

この口内炎の大きさとは、

噛んだ粘膜の面積に比例するらしい。

歯茎付近とリンクし、擦り合うこの感覚が

たまらく許せん。

私はこの口内炎と一緒に過ごすようになるのだ。

私の体の一部を陣取った憎い口内炎。


私は、まだ口内炎の誕生する口では

上の唇の裏か、下の唇の裏しか知らないが

上級者レベルになると、

喉にも出来るらしい。

喉に出来た事のあるツワモノの人の話によると

「飲み込む時が、大変キツイ」と言う。

普通に飲み物が飲めないので

ストローが必要になるらしい。

一体、どうしたらそのような微妙な場所に

口内炎が出来るのか?

知ったからと言って

実行したいとも体験したいとも

思わないのが通常モードの人間である。



さて。私の口内炎は今日も立派に

自分の丸さをアピールしている。

潰してしまいたのは山々だが

自分を痛めつけるだけの話なので

なるべく触れないように過ごす。

しかし!そんな時またまたおNEWの口内炎に

遭遇する。

これもビタミン不足ではなく

「食べていたら噛んでしまった」と言う理由で

誕生した最悪な異物である。

ご丁寧にお隣に登場。

あんたらはカップルですか。

私はいい迷惑である。

これから口内炎の進行具合でも

観察日記を書くか?

口内炎の薬を随分前に買った。

赤い塊の薬である。

しかし、ここ暫く使わなかったので

行方不明になってしまったのである。

薬は欲しい時に手元にないと

大変苦しい思いをする。



口内炎2個出来たお陰で

最初の1個の時の痛みを半減できました。

そんな事は絶対にない。

余計な痛みが倍層しただけである。

二乗になって一体なんの得があるのか

メリットがあるなら是非教えて欲しい。



こんな切ない生活をする事一週間。

痛みを背負いながらも、

そろそろ末路が見えてきた。

私の口に住み込んだカップル口内炎は

1個は消滅すると、それを追ってかのように

もう1個も消えれなくなっていった。

ちなみにその頃飲んでいたのは

オレンジジュースである。

やっぱりビタミンは強い味方だと思った。