BACK

コスプレ大会


その日の私は、高校時代の、プチ同窓会のネタを考えていた。

同窓会リーダーが、「なにか、やってもいいよ」と言ってくれたのである。

こうして私の「おバカ企画」に、みなさん付き合わせられるなんて

なんて不幸!いや、
なんて幸運なんでしょう!!

こう思っていたのは、私だけではない。と信じていた。


私は「コスプレ大会」を提案した。何故か、当時の私の周りは

賛成派が大半であった。私はトイザラスで購入した、

¥1980の「バニーガールセット」を手に、こんな日が来るなんて・・・と

その日を待ちわびていた。


男性が着れるドクターの衣装。これは私の、「あるルート」から

借りたものである。そして、捨てずに残っていたボディコン。

其の中の一着は、ラメラメのシルバー、ピカピカで

「まるでピンクレディーの様だね」と好評であった。


この「おバカ企画」に、積極的に参加してくれた男性は

トイザラスで、カツラや、メガネやヒゲなどを集めてくれていた。

こうして「コスプレ大会」が始まった。

私のボディコンに、チェーンベルトを付けた男性4人は

胸に布巾を入れ、シルバーの紙のSM風のメガネをした。

仲良し女性には、シルバーのボディコンを着てもらった。

私は、
バニーガールである。黒のカチューシャの耳、丸くて白いしっぽ。

黒のレオタードに、網タイツ。黒のレースの手袋。完璧。うふ。

リーダーには、ドクターになってもらい、抵抗ある女性達には

お面を付けてもらった。

ああ、うれしい。楽しい。私のボディコンは、男性軍が着て伸びたが平気!

こうして、飲み食いをして盛り上がった私達は、
異次元の世界にいる様だった。


その後、不思議な事が起きたのである。

数日後、仲良し女性が突然、仕事の都合で転勤した。

あれ以来、「プチ同窓会」に参加しない。

連絡が途切れてしまったのだ。もしかしたら彼女は

「普通に飲みたいよ〜」と思っていたのかもしれない。

BACK