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恋模様


私が、ボディコン姿が板に付いて来た。と錯覚して

お立ち台を生きがいにしていた頃、恋愛から遠ざかっていた。

もう、泣いたり 叫んだり 吠えたり したくなかった。

でも、気が付いたら、乾いた
心にオアシスとも言える様な男性を好きになっていた。


80年代後半のDISCOを愛する、当時26歳の男性であった。

友人の知り合いで、仲良く話が出来る様になった。

そのお兄さんは、サーフィン仲間の集まりでDISCOに出入りをしていた。

後輩が誕生日だから、みんなで会う。別口で週末会わない?

平日の3倍は居る人ごみの中で、お立ち台にいる私を見つけてね。

そんな約束をして、お兄さんから「NOVA21」の値引きカードをもらった。

(私はK&Qのメンバーズカードを持つ前だった事もあり、嬉しかった。)

「5名まで20パーセント値引き」であった。

しかしこの値引きカードは、金、土。そして祝日前は使用出来ないと言う物であった・・・


お兄さんは、とても気さくであった。

「マハラジャって言ったら俺らの時代って感じ♪もう

マハラジャないからK&Qに流れ込んでいるんだけどね」

そう言われてみると、私らより年上である女性って

スーツ姿が決まっている。私らは
服の生地が薄い!?

お兄さんは、女の人を見るのも勿論好きだけど、

サーフィン仲間とDISCOで過ごすのが好きらしい。

聴く曲はレゲエ。ユーロは聞き流す。踊りに行くと言うより社交の場。

一昔前の
「コカコーラのCM」の様な爽やかな笑顔が素敵だった。



私は仲間以外の、同世代の男達には「気取ってんぢゃね〜よ!!」と言われ

オイシイ所ばかり持って行こうとする男しか、近寄ってこなかった事もあり

「爽やかコカコーラのお兄さん」が、たまらなく魅力的だった。

その笑顔の波にさらわれて、溺れてしまいたかった。


(〃^ー゜)db(゜ー^〃)約束の週末、お立ち台で踊る私を見つけてくれて

足を叩かれ呼ばれた!私は、
あんよを触られた事が嬉しかった。

(この勘違いが、幸せだったのか?)

「あ〜!どうも〜!」と言い、笑顔を返した。やはり私は馬鹿女であった。

お兄さんは、私を指さして笑ってくれた。その後誕生祝いをしていたらしい。


私は、後日、胸の想いを告げる。

とっさに出た言葉は
「お立ち台より好きです!」であった。(やはり馬鹿女である)

お兄さんは、いつもの笑顔で私の頭をなでた。上手くかわされてしまった。

世代は違ったけど、いつもと変わらないDISCOの中に

私が描く恋模様があったとさ♪


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