風邪と涙と女の事情


月に一度の女の事情とは、大変やっかいなものである。

泊まりは勿論、温泉やプールなどの行事が入ったら

「女の事情の1WEEKだけは避けたい!」と願うのが女である。


私はどういうワケか・・・女の事情に様々なトラブルを

リンクしたがる傾向がある。

別に願ってそうなっているのではない。

「いや〜!いや〜!避けたい〜!」と思っているから

心が呼んでしまって、ネタになってしまうのである。


女の事情、貴方ならどっちがいい?

1.ハラは痛くないが、アタマが痛い。

2.アタマは痛くないが、ハラが痛い。

私は強いて言うなら、2だろうか。

何故ならハラが痛い位なら、

腰を振っていれば大丈夫なのだ。

お〜!いぇ〜い。



その日の私は、風邪になりたてのホヤホヤであった。

私の風邪の始まりは喉から来るのである。

原因は分かっている。

ファンヒーターを切った後の

あの、地球に悪そうな

シュウシュウと言った音と共に出る

空気である。あの空気は私の部屋を乾燥させ、

私の喉にダメージを与えるのである。

翌日「なんか喉がイガイガするなあ」と思う。

そして次の日は喉が痛い→咳が出る

→度が越すと気管が痛い。

→またもやマイコプラズマ!?

私はこうして悪循環を辿るのが目に見えているので

さっさと病院へ行く事にしている。


しかし!その日の私は事もあろうに

女の事情になってしまったのである。

今日の私は風邪を引いて

本格的に咳がひどい日だった。

何故こんな時にダブルで苦しむのか。

私が生理痛最悪の時間単位とは

決まって「寝ようと思う夜」か

「目覚めようと思う朝方」である。


今回は朝からハラが痛い日和であった。

「目覚め最悪!グッドモーニングが

バッドモーノングである」とお題を付けたい今日この頃。

小鳥のさえずりが似合いそうな朝方4:30。

いつもなら寝ている時間単位。

ハラが痛い。この鈍い痛みは間違いなく

女の事情の痛みである。

この、下っ腹に鈍い痛みが走る感覚。

「チクリ」と刺す注射の痛みではなく、


例えるなら、両手位の大きさの岩が

腹の中で動こうとしている感じ。

ズシリズシリと、それこそゆっくり

歩こうとする感じだ。


(これが布団の中じゃなかったとして

本当に公衆の場で歩いていると

前かがみになりたくなるのだ。)

おうおうおう〜〜。来たか〜〜。



咳がひどくて、咳に気を捕らわれているなら

生理痛は平気。

しかし!ハラが痛くなると

どういうワケか咳の苦しさは控えめになる。

ハラに気を奪われているうちに

咳の存在感が薄くなるのである。

前も実感したが、人の痛みとは

別な痛みによって

前の痛みを忘れる事が出来るのだろう。

しかし。交互にやってくる胸の痛みと

ハラの痛みは

私の体の中で争っている。

どっちがひどいか、言い争っている。

私の体で喧嘩するな〜〜!!と言いたいが

痛みに負け、一人で大人しくしてみる。

咳のせいで、胸が痛い時は

じっと耐えているのだが

ハラが痛くなった途端に

腰を振った方がラクと思い

唸る。

そして絶妙なタイミングで咳が出る。

ハラも痛いが咳をすると

胸も痛い。


でも、まだ2重苦だからいい事にする。

こんな時、楽しい出来事なんて

思い浮かべられない。

眉間に変な縦線のシワが出来るから

美容に悪い。

笑顔になりたい。

でも、そんな余裕はない。


私は小鳥のさえずりを聞きながら

まぶしい朝日が昇ってくるのを

布団の中で

うなりながら待っている。

そして、腰も疲れた、胸も痛くてもうイヤと

思う頃、再び眠りにつく。


そして、喉元過ぎれば

この痛みも忘れてしまう。

人間とはそんなものである。