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私の金縛り体験



思春期と言うのは、感受性が高ぶっているようで

私は14歳から16歳まで、「金縛り」と言うものを体験した。



これから話す事は、当時の私にとって貴重な体験であった。

それは、金縛りも慣れてきて、怖さを感じなくなった14歳の秋であった。

金縛り体験をされた方なら、お分かり頂けると思うのだが

「・・・あ!金縛りが来る!」と言うのが、眠りの中にいても分かるのだ。

ここで起き上がってもいいが、もしも!起き上がる途中の

中途半端な体勢で金縛りに遇ったら、腰が辛い。

それなら「はい、どうぞ!」と白いシーツの上で仰向けで

受け入れてあげる方が、本望である。


私は、真夜中に金縛りの気配を感じた。あああ、来る。来る。

き、き、来た〜!!かかってしまった!胸がズシンと重い。

苦しい。なんだか沈められてる感じだ。でも、次の瞬間には

上の方に上がってる感じだ。ああ、私は今、
「漬物」の気分である。

沈められたり、浮かんだりを繰り返しているのである。


そして私は、胸の上にいる「オバケ」の囁きを聞いてしまう。


「ふふふ。また、ひっかっかったね〜!!(..)(^^)(^。^)(*^o^)(^O^)」

しかもこの声は、男性で「ゲゲゲの鬼太郎」の

「目玉のオヤジ」の様なトーンの高い声である。

どうやら、この囁きと言うのは、話をする様な声ではなく

左耳から頭に伝わる様な感じであった。


私の胸にいる男性が、目玉のオヤジもどきのオバケだなんて!!

私の上で微笑んでいるのが、目玉のオヤジもどきのオバケだなんて!!

しかも、このオバケは、私に前科ありだ。

「また、ひっかっかったね〜」と言った!!「また」だ。「また」!!

「また」とは、
「わんす あげ〜ん」である。


それにしても、オバケと言うのは「自分と波長の合う人」に憑くらしい。

私は、このオバケと仲良くしたくなかった。金縛りである以上

私は何にも出来ない。追い払う事も出来ない。出来るのは

目をつぶって顔を見ない事と、学校で朝「おはよ〜」の次の

「今日、金縛りにあったよ!」と言う会話くらいであった。

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