女性の神域


43歳、独身の私にとって

婦人科(&産婦人科)と言った病院は

敷居が高く感じてしまう。

いつもなら感じる事のない

自分の日常が、
ふとした事で

疑問を感じさせる場所になるのである。


例えば、出産についてのタイムリミット。

生理があるなら、

いつでも授かれると言う

考えは違うと言う。

人生は折り返し地点を過ぎた。

私が既婚者だったとしたら

独身でいる今以上に考えるだろう。


「駆け込み出産」として追い詰めれて

もしかしたら、不妊治療で苦しんで

いたかもしれない。


自分が心の底から望んでいる願いなら

立ち向かうかもしれなけど


そうじゃない私は

ただただ苦悩の人生だろう。


私にとっては、今の自由な生活が

幸せな形なのだろう。

・・・と言う事などを婦人科に行くと

思ってしまう。



私の通っている婦人科は、

産婦人科が一緒なのだが

「婦人科」と「産婦人科」は

別に分かれている。

この数年、私は「婦人科」の方で

がん検診と子宮筋腫の件で

お世話になっている。

お陰様で、がん検診も問題なしで

子宮筋腫も小さくなってきている。

半年に1度、検診に行くのだが

今回はがん検診の結果を聞きに

病院に行った時の事。

その時のある出来事について

書いてみたいと思う。


この1〜2年だろうか。

数年前には、完全に女性しか

待合室にいなかった病院が

いつのまにか、旦那(彼氏)も一緒に

居ている人達が増えていた。

治療の件で来ているのかもしれない。

それか、女性の付き合いなのだろう。

緊張感漂う待合室で

女性の誰もが「今か今か?」と

自分の予約時間を待っている。

私は今回は検査結果を聞くだけだし

内診を受けるワケでないので

どこか安心していた。


検査の結果よりも、

内診を受ける方が怖い。


検査結果は毎回大丈夫だから

何の心配もしていなかった。

だけど、この1列に並んでいる椅子に

座っている両隣の女性らは

これから内診なのだろう。

深いため息をついている。

やっぱり、誰もがこの緊張感は

感じるモノなのだと思った。


しかし、近くにいる韓国人カップルは

何故か陽気。(そう見えるだけか?)

まず何を話しているか理解できない。

言葉が聞き取れないから。

それにしても・・・

90%女性しか待っていない、

この待合室で

この韓国人男性は

勇気があると思った。


予約の時間から30分が過ぎた頃

私の名前が呼ばれた。

「中待合室でお待ちください」と。

(この中待合室とは、

先生と対談する個室と、

台の上に乗って内診する部屋が4個あり

指定された部屋に入っていく為に

待っている場所なのだ。


この中待合室に入った時

私は目を疑う事が起きた。

内診の部屋から出てきたのは

30代くらいのカップル。


男性の方が先に部屋を出てきた。

その後に女性。


ええええ!!私はビックリした。

女性が内診するのに、男性が個室に

一緒に入っていいんですか?

感覚的には、女子トイレから

カップルが出てきたのを見た!みたいな感じ。

産婦人科の方で、赤ちゃんのエコーを

一緒に見たい!とかなら分かるけど

こっちは婦人科ですよ!?



私だけがそう思うのかもしれないけど。

病院によって、違うのかもしれないけど。

私が男性だったら、

絶対に入りたくない!


と、言うよりもう女性の病院自体に

来る事に抵抗がある!!

「内診怖いから、ねえダーリン、

一緒に入って〜。

手を握ってて〜。」と言って

優しいから入ってきてくれるのかも

しれないけど、ここは


女性の神域って感じがする。


・・・と、書いていると

私が付き添って

くれるメンズがいないから

と思われるかも

しれないけど。

例え彼氏が居て

婦人科付き合って欲しいと

思っても、頼まないな。

仮に付き添ってもらっても、

中待合室や個室にまで

「一緒に来てくれ!っ」て言わないな。

まあ、他人事だからハッキリいって

どうでもいい事なんです。

私が独女だからこんな風に

ネガティブな発想しか出来ないのかと

思ってモンモンとしてましたが。

検査の結果も聞き、何ともなく。

会計を済ませました。

そして、私が感じ取った

モンモンとした疑問を

検索してみたら。


なんと!私の想像以上の声が

あるじゃないですか。

婦人科系で来ている女性は

勿論、がん検診だけで来ているだけじゃない。

もっと様々な内容で来ている。

あまりにも若い人がいるとビックリするけど

(でも、婦人科系だと30代以上だよね)。

その中でも、本当に様々な

バックグランドがあるようで。

シングルマザーだから

いくらガン検診を受けるとは言え、


旦那さんと一緒にいる人を見ると

辛くなる・・・と言う声があった。

これは私がその文章を読んでいても

とても気の毒に感じた。

あと、仲良しカップルなのか

「内診だって一緒に入ってる」と

言う声もあったり。

これって、結局 パートナーがいるか

どうか?で分かれる意見?とも

一瞬思った。


けど、明るい意見ばかりじゃないのが

正直多いと思った。


やっぱり、個人的に結論づいたのは

「婦人科
(得に内診の場所)」と言うのは

「女性の神域」と言う場所
なんだなあと

言う所。


そして、「婦人科」&「産婦人科」

と、言う場所は

女の事情と言う背景が

どんな場所よりも強く出ている。

自分の置かされた立ち位置を

自覚される場所だと言う事。

仕事をしていて、出産適齢期を

逃がしたとしても、それも自己責任。

そう思わせられる場所。

そして、そんな自分を納得させる場所。


余談だけど、会計の時

(この時は婦人科も産婦人科も会計は

一緒なのです)

私の隣に座っていたおそらく

妊娠初期の夫婦。

30代前半くらいがいた。

こちらの夫婦は

会計で呼ばれた女性が

支払に行くのを見ていた。

その女性は

かなり大きなおなかをしていた。


女性は「臨月って

あれくらいだよね」と言っていた。

男性も「そうなんだ」と言っていた。

こちらの夫婦は

隣近所の妊婦さんを

目で追っているのを私は気づいていた。

男性って、奥さんが妊婦になっていると

奥さん目線で、一緒に

妊婦のおなかをみるんだなあと

思って、とても不思議な気分になった。

こういう病院で会う男性って

夜、会う人や

「街で女を見る目」とは

違うんだなあと思った。



本当に様々な事情のある場所。

それが「(産)婦人科」。

そして、私はいつも場違いと

思わされる病院。