女パワー


女は束になると強い!と思うのは私だけだろうか?

先日、この束になった集団に遭遇した。

場所はファミレス。

その日は、友人
み○の結婚が決まって

式にお呼ばれの私と、悪友M、そしてTと

楽しい時間を過ごす事になっていた。

私達が席に座ると、左斜め向かいには

5人のオバサマ集団を発見。

とても個性的な
いでたちで、

やたらと大きなメガネを掛けている。

余計なお世話だが、そろそろ手元も見づらい年令だろうか。



オバサマ集団は、

「○×さんところの旦那さんがね!」と

周りに聞こえる声の大きさで話す。

遠目でみる私。なんだかこのオバサマは

ロッテンマイヤーさんに似てる。

「そうそう、それってさ〜」と左手を上下に1回振るオバサン。

なんだかこちらは
セバスチャンに似ている。

私は、アルプスの少女ハイジの実写版の

脇役キャラクターをリアルタイムで

役柄を変えて見ている気分になる。

さらにオバサマ集団は

みんなテーブルの中心に肩をひそめながら

上目遣いで話している。その光景を観て私は一言。

「うう。。なんか怖い」

すると悪友Mはすかさず
「大丈夫。あの姿は

将来の私達の姿なのだから♪」と笑顔で言う。

おい!M!そんな夢のない事を言うな!


み○
も言う。「きっと自分たちはオバサンだと思ってないよね」

Tも「うん、オバサンって呼んでもきっと返事しないよ」と言う。

そう。女とはいつまでも心は乙女なのだ。

私達だって「オバサン」って呼ばれたら

間違っても振り向かないし、完全無視を徹底するであろう。

しかし!そう言う私らも10代くらいからみたら

この
アダルトゾーンに足を踏み入れている女性に

立派に映えているかもしれない。


この場合のアダルトとは、30代以上である。

だが、待て!
待てよ自分!!

もしかしたら、私達の右斜めのテーブルにいるカップルからは

私らを見て「あの4人組、怖い」と

言われているかもしれないのだ。


自分が、いつまでも若いつもりでいてはいけない。

右斜めのカップルが、私が書いた上記の内容で


私らを見ているかもしれないではないか。

人の事を見ているように見えて

実は自分も見られている。

悲しいがそれが現実である。

「あの人達、まだ自分らが 

現役って思っているかもしれないよ」

「痛いよな〜」

そう言われてたとしても、聞こえてこなければ

問題なしである。そうだ。世の中とは

知らぬが仏なのだ。


周りはさておき。私ら女4名。会合。イロモノ。

誰が言ったのかビビッドトーンな私達なのだ。

集まると「ひとりひとりが濃い」と言う印象だ。

濃いと言うのは、個性である。

もう、こだわりがあるように思われ

洗脳するのは難しいと思われているのだろうか。

人に洗脳されて変わるなら、

自分の個性は持っていないも同然である。

いいのだ。
この世はどんな人でも住みやすく出来ているのだ。

もう隣近所のオバサマ集団も若いカップルもどうでも良い。

何故なら目の食べ物の方に気をとられているからである。



さて。私達はサラダを気の済むまで食べ

み○の結婚式の衣装を撮ったショットなどを見せてもらう。

「これはいいんじゃない!?情熱的な赤のドレス」

「うん。いいよね!でもこっちの緑はいまひとつよ」

「そうね〜。ちょっとフリル多すぎて昔のアイドルみたいよ」

「演歌大好きオバサンウケ!で選ばれた衣装みたいよ」

「もっとハイカラで若い女の人 着そうな衣装あるでしょう」

「そう。
み○はもっと違う色が映える。」

・・・なにげない感想言い合い会だが

どこかにあの、
左斜めのテーブルオバサンのノリを

感じてしまう。


「ね〜。もし転勤しても3年後には帰ってくるんでしょ?」

「3年後、私らどうなってるのかな?」

「3年経ってもこのまま変わってないかも」

「ありえる。」

「きっと、同じ会話していると思う」

3年経っても、この濃いキャラにさらに磨きがかかって

俗世間から離れたらどうしようと

不安になる心の配慮など

持ち合わせていない私達。


先日の私のコスプレ大会の写真も

一人一人が濃いと、一般ピープルから評判だったが

今日集まった私の仲間も負けない味を持っている。

きっと一人一人食ったら、美味しいぞ。

なんて安売りをしている場合ではない。


それにしても。スープを3杯飲んで

くつろいでいる私達。
色気より食い気。

女4名の話は続く。

昔、学生の頃、クラスメート全員を参加させて

「2年4組 連続殺人事件」と言った内容の

漫画を回しながら描いていた話をする。

「あの当時書いたノート、みんなの手垢ついていて

本当にほぼ全員、うちらの描いた漫画読んでくれたよね」

「そうそう!そして休み時間の会話が

「ね〜、私まだ死んでないよね?」って言うものだった!」

「今の物騒な世の中では考えられないくらい

平和な時代だったからこその会話だ。」

「あ、そう言えば私を殺したの描いたのTだよね?」

「ノートの後ろに、出席番号順にニックネーム書いて

まだ生きている人には線を引かれてなかったよね」

・・ファミレスで交わす微笑ましい昔話。

私達は当時にタイムスリップするのが好きだ。

「ねえ。結婚式の時、その手垢のついたノート

持ってきてよ!スピーチする時は 

目玉キラキラの少女マンガ

描いて過ごしました!
って言うから。」

過去を懐かしく語り合いながら

未来へ羽ばたく
み○の結婚で

みんなで合唱祭の歌を歌わない?と私は提案をする。

「でも、そういう曲って、わからないよね〜」

そうか。じゃあ、却下。



「ちょっと、何着ていく?」「髪、どうする?」

そう。私達30代前半って微妙なのだ。

お呼ばれの場所もそうだが

普段着る服も、どんな店ならいいのか悩む。

ブランドの服は、興味ないので買わないし。

私は売り場近所の服屋で間に合っている。

20代前半の時、主婦になった友達が

「○×ちゃんね、服、し○むらで買ってるんだってよ〜!」と

独身の友人から聞かされ、ぶっ飛んだ私達。

「あれが母になるって事なんだね」と言い合ったが

あれから12年経って、自分も何気に

し○むらって、安くて結構いいアイテムあるんじゃない!

平気で入っていってしまう。時間の流れとは不思議だ。


しかも、私の友達も「うん、いいよ、寄ってみようか」と

何気ない会話で一緒に入ってしまう。

もしかして、このまま行くと、スーパーにある

衣料品コーナーのロングスカートなども

魅力を感じてしまうのではないか。


だめだ、そうなる前に「JJ」を読もう。

あ、まずい。私は一人の世界にふっと

行ってしまった。

「なんか一緒にお呼ばれの

日○さんは、パンツスーツで着そう」

「うん、きっと髪ツンツンに立ててくると思う。」

「そんな感じする〜!」

女も32歳になると、好きなスタイルがハッキリしているので

似合うものも分かってくる。

それが個性であり、自分だ。



様々な会話の出る中、連想ゲーム式に話に夢中になり

今回も隣近所のテーブルの人達を

3組くらい平気で見送ってしまう私らの根性。

私らは、オバサングループより長く滞在していたのである。


これこそ、女集団の持つパワーなのだ。