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拾ったH本
それは、私が高校1年の時の話である。
学校から帰る途中の事であった。
私は、大きな河のある道路を
夕やけに追いかけられながら、自転車を降りて
坂道を登っていたのである。
ああ、赤い水面が綺麗。頬に当たる冷たい風も
どこか心地よい。
私の自転車を引く影は、大きく伸び
ギーコギーコ言う音と供に、車輪が回っている。
制服姿の私は、今、「青春の1ページ」を演じている。
16歳、学生丸かじり!と、勝手に思い込んでいる。
ふと、私の視線の先に、ある物体を発見!
そ〜っと近づいてみると、それは捨てられたH雑誌の束である。
「・・・・」私は、目が点になってしまった。
週刊ポ○トである。見出しのタイトルは「出血!大サービス」と
書いてある。大変、興味深いタイトルである。(私はオヤジか!?)
暫しの間、私は「この本を持って行こうかどうか」と悩む。
自転車を止め、私はその本に手を伸ばすと
後ろから来た通行人に、振り返って顔を見られた。
私は、すぐに横を向き、この体勢で何をしようかバレバレなのに
前髪をかきあげる振りをしてみた。
おバカ女子高生、みかりんは制服を着ている。
なんてバカなんだ。みかりん、そんな時はせめて
黒いサングラスと、マスクをせよ!
なんとか雑誌を自転車のカゴに入れ、帰宅。
(*^o^*)ドキドキ(*゜O゜*)バクバクだった。
告白をする様な気分だった。
8冊あるこの雑誌!どれから見たらいいのか悩む。
ついでに、処分にも悩む。そうか、処分に困って
あの河沿いに捨てたのか!!
でも、私は何処に処分すれば良いのだ!?
ああ、そうだ、明日、学校に持って行って
先輩達に配ろう。
学校に持っていくと、男の先輩らに「良くぞ拾ってくれました!」と
感謝された。私は昨日の夜、寝る前に 見たから
もういらない。と本当の事を伝えた。(←バカ↑)
すると、女の先輩が「ね〜、モザイクって除光液で消えるって
家の兄貴が言ってたよ!」と言い出した。
本当か!?私は先輩に除光液を渡した。
面白半分で、みんな雑誌の前に集まる。
ティッシュにピンクの液が滲むと
甘ったるい様な、シンナーの様な匂いがする。
「じゃあ、こするよ〜!」と陽気な声がする。
ゴシゴシ・・・・あれ?
こすったら、破けちゃった!穴が開いちゃった!
「・・・これってさ〜、モザイクじゃなく、昔の黒い
筆で塗られたようなヤツじゃないと、ダメなんじゃない?」
なるほど。そうだったのか。
こうして私の拾ったH本の行方は、自宅以外で処分できたとさ♪
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