いつでもヒロイン 先日、BSのNHKで 「ジュリアナ東京の最後」と言うのを いいタイミングで見れて嬉しかった。 日記にも書いたんだけど、私が この番組で印象に残った事を 自分が当時、ジュリアナではないけど 仙台のディスコで踊っていた事と重ねて 書いてみたいと思います♪ この番組は三部構成になっていて 第一部は、ジュリアナの扇子の代表、 荒木師匠だった。 ジュリ扇子を持って、相変わらずのボディコンで 今と昔のファッションが変わらなかったので 「どっちがタイムリー?」と思った。 けど、それは自分も通じる部分があるかも! 今、荒木師匠はジュリアナ時代に 培ったノウハウを生かして 婚活のアドバイサーをしているみたい。 スゴイね。この当時の「いい女」として生きてて その見せ方を、教えるお仕事って 普通の一般女性には無理よ〜。 荒木師匠曰く「だってもう、 事務とか普通の仕事 出来ないじゃないですか。 色物ですし」と言っていたのを見てちょっと共感。 やっぱり「踊りに行くのが好き」な人達への 軽蔑のまなざしって言うんですか、世間的には あまりいいイメージではないんだね。と、改めて実感。 でも!それはそれで個性だからいいんじゃないかな。 私としては、その異次元で遊んでいただけじゃなく ビジネスとしても活動していた荒木師匠は凄いと 思うぞ。 そして、一番共感したのが 「お立ち台って、女性を誰でも ヒロインにしてくれたの」と言う所。 それって私ら踊る(躍らせられてる)女性にとっては、 当たり前の事だった。うん。だってそれが「フツー。」 人よりちょっと高い台に上がるだけで 見える風景も違ったし、 自分がちょっと各が上!みたいな 変な錯覚を起こす場所だった。 この錯覚が「ヒロイン」と言うモノになるのかな。 だって人の視線が自分を見ているって しっかりと分かるからね。 さらにお立ち台って踊りが激しいとか 恰好が過激!と言った所で 変な女同士のライバル意識があるんですよ。 ここでさらに視線一人占め!みたいになると いわゆる「階級が上がる」と言う感じでしょうかね。 これはジュリアナのテクノ時代だけじゃなく その前からもあったんだとは思うけど 要するに、「お立ち台に上がる女」のランクみたいなのが いつのまにか出来上がるんですよね。 「(お立ち台は)バレエみたいな 主役になる努力なし」と言うのも 求められるモノは、「いかに目立つか?」もしくは 「いかにいい女(いい女風)」に見えるか? じゃないか・・と私は思います。 このランクは女同志、無意識に行われていて 「自分よりスゴイ!」と思うと、 お立ち台を譲ってもらえたりします。 またその逆もあり、「この人は敵わない」と思うと 自分がお立ち台を降りると言う事もあります。 こういう所で、自分の立ち位置が分かってきます。 私の場合、東京みたいな大箱じゃなかったので 仙台では目立っていたみたいでした。 取材の話をもらった時は 「わあ!嬉しい。認めてもらえた」と言う承認欲求が 満たされ、とても嬉しかったです。 その様な出来事がたび重なると、どんどん勘違いして 生きて行けるんですよ、奥さん!! もう気分もイケイケですよ。 すると、フロアに居る人達の視線を いかに集められるか!?が自分の中で 「いい女の基準」と言うのが成り立ちます。 確かに、普通の一般的な「可愛いとか 綺麗な女性の基準」とは違う 「あの空間だけで通じるなにか」が 確かにあったと思う。 黒服お兄さんや、そこで働くスタッフの名刺など その数が増えると、ステータスな気分になれました。 そして体験が続くと、どんどん常連さんと言う人達に 近づいて行けます。 この当時って「派手で目立つ人」=「常連」 と言う図式がありました。 だから実際に毎回来ている人かどうかは 自分も毎回行ってみないと分からなかった。 良く言われている「お立ち台の自分の場所」と言うのも 私は全然気にしませんでしたね。 まあ、センターが一番!とは思いましたけど だんだんお立ち台に上がる人が増えると どんどん端の方に行ったり・・と言うのもあったんですよ。 後は「空いてる場所に上がれ!」ってノリ。 大昔、私はある雑誌のインタビューで「お立ち台で ケンカ売られた事ありますか?」と 聞かれた事あったけど 私はなかったんです。本当です。 えへへ。運がいいですね。 私、ある人に 「踊り方、激しい方だから常連って思われて ケンカ売られなかったんじゃない?」と言われました。 そういう身の守り方もあるのですね。と思いました。 そう言えば、昔、黒服お兄さんが 「女同士のお立ち台の奪い合いって 足蹴ったりしてたからね」と言ってましたね。 そういうトラブルに巻き込まれたりすることも なかったから、ずっと楽しい場所で過ごせたんですね私。 フロアで踊っていると横の人の人達との一体感。 これもすごく良かったんだけど ライブみたいな観客とアーティストの一体感。 これをディスコで言うと「レイブ感」って言ったりしましたよね? お立ち台に上がると、もっと上から視点が見える為 フロア全体もより見える。「八方塞がり」と思ったら 上に抜けるといいらしいが、それはフロアでも言えるかも。 フロアに居るより、お立ち台に上がって上から見た方が 色んなモノが見えたよ。 そんな事を思い浮かべながらもテレビを見ていたら 今度はジュリアナに週末、毎回通っていたと言う女性が 映って、昔の写真と今の姿が出た。 うん。昔の写真と同じロングヘアーだね。名残だね。 「昔は、今みたいにSNSないから、そこで友達に会ってた感じ」 そう言っていた発言も、私もすごい共感した。 確かに「友達」になった人が、また友達を連れて来て いつのまにか「友達の友達は友達だ! みんなで広げよう友達の輪!」←こういうのあったよね。 と言う感じ。だって結局、類友しか集まって来ないからね。 この女性が言った事って、意外と当時 傍観者として、私ら踊る女を見ていた人達には 知らなかった事かもね。 だって、外側からしか見えてないもんね。 「下着姿になって面白いの?ストリッパー?」とか 「ナンパされてモテたつもりでいるんでしょ?」とか。 うん。確かにそう思われがち。異次元の世界だからね。 でもね、友達が沢山出来て楽しい時間を共有出来て 楽しい場所なんだって事や 当時そこに踊る人達が思っていた事をね、 「あ〜そうなの」と冷ややかな目で見ていた人達は 知らなかったんじゃないかな? このテレビで話をしていた女性は 普段は事務系のOLさんで、 週末に踊りに行くと言ってた。 服も「1万円くらいのボディコン買って 私生活は質素」と言っていた。 第二部になったら、今度はジュリアナの曲を 編集しているという人が出てきた。 キーボードと、パソコンの画面には音の響く図 (地震とかのグラフみたいな、ギザギザの山になったやつ)が 出ていた。 テクノの定番曲、「CAN'T USED IT」 ♪ちゃ〜ちゃちゃ ちゃちゃちゃ ちゃ〜ちゃちゃ ほぅ!♪ って言う曲ですよ。あの曲聞くだけでテンション上がってくるよね。 その曲を作るのに、普通の音ではノリノリにならないから オーケストラの音にしてみたんだってね。 そして、掛け声をこのタイミングで「ほぅ!」と入れると 盛り上がる!って研究されたらしいよ。 ほほう。あれは全て計算ずくめだったのか。 その曲をフロアで流したら、みんな盛り上がって 大成功だったってテレビで言っていたよ。 その他に関しても、踊りに来ていた当時の女性が 「音楽のノリもそうだけど 黒服の人の女性に対する気配りとか とにかく、女性をいい気分にさせる場所だった」って。 言われてみると、そうだ!そうだ! 私としては、あの空間に居たら 「それがフツー。」だった。 「綺麗な顔ですね、すごいスタイルですね、 えらい人気ですね」←イエモンの歌(TVのシュガー) そう言ってもらえるのが当たり前。← おだててられて、上手く踊らされて ディスコ業界潤うのに協力している。 男性よりも安く女性は入場出来たし なんなら、ボディコンならタダ!って日もあったしね。 女の人を良い気分にさせて・・って それが当たり前かと思ったけど 時代背景もあったんだろうけど そういうもんだと思ってました。 2021年にはもう居ない黒服お兄さんの存在。 話し変わるけど、私らの時って DJのお兄さんよりも、黒服のお兄さんの方が 人気があったような気がしません? 黒服お兄さんって、ベテランの人が着ていたよね。 ウェイターのお兄さんも、私ら客から見たら 「黒服お兄さん」だったけど、スーツは紫色だった。 あの紫色系のスーツ、真似して着てた男性も居たわ。 (あ、私の大昔の元彼だわ) 「黒服やってます!」っていうだけで モテたもんね〜。 「顔スタイルよし!じゃないと働けない」って 言われていたよね。 でも、実際アルバイトで黒服やってたお兄さんが 昼間は普通の専門学校生だったりしたよ。 「学生です」って言うより 「黒服です」の方がカッコいい。うん。時代だね。 ジュリアナが大ブレイクして 地方のディスコも盛り上がって、 本当に楽しい時期だった。 だけど、ジュリアナが出来てからその周辺の人達は 大変迷惑がかかっていたらしいね。 車がズラーと並んだり、夜中ずっとうるさかったらしい。 仙台は幸い、そういう事は聞いた事なかったけど トラブルはあったんじゃないかな。 私が知っているトラブルは 人から聞いた「ロッカーの鍵を壊されて ヴィトンのバッグごと盗まれた」とか。 「女を巡っての男のバトル」だったか、 逆かな?カッコいい黒服お兄さん狙っての 女のバトルだったかな?まあどこまで本当か 分かりませんが。ありそうな感じよね。 私はそういうのに巻き込まれた事もなく 楽しい思い出が沢山で幸せだなあ。 そして、テレビが最後の方になって 「ジュリアナのお立ち台撤去」の件。 あれって、いつのまにかお立ち台なくなって 「プロ専用」になっていたのを 当時、「ヘブンズ ドア」と言うディスコ誌で 知りました。今みたいに 情報がすぐにキャッチできるワケじゃ なかったからね。 ジュリアナのお立ち台が無くなったのは ちゃんと理由があったんだって。 なんと、とうとう全裸で、(ヘア出し)で お立ち台で踊る人が出てしまい、それが雑誌に 出されてしまったそう。 当時のFと言う雑誌。 (私もそこから取材を受けた事があった。) そのページがテレビに出たんだけど あるお立ち台に居る女性が映っていた。 勿論、ヘアの所は黒く隠されてて、 目元も隠されていたんだけどね。 それが「この写真は、一般的な時のモノではなく (要するに普通に営業していたと言う日じゃない) 貸切パーティーでの時のモノだったんだけど それが雑誌に載ってしまって」と当時のジュリアナの 人が言ってました。 確かに貸切パーティーなら、身内も多いし 限られた人しかいないからって安心感はあるよね。 分かる。私も貸切パーティーの時 ガーターベルトのランジェリールックだったから。 (今やれるか?となったら、いえいえ・・。 遠慮させて頂きます。だってハラが・・・。 昔は貧乳な胸が気になっていたが 今は胸よりも出てきたハラが気になる。 ちなみにランジェリールックは 今なら、誰にでも見られたい!じゃなく 特定の人にだけ(ハート)ならOK!!) だけど、やっぱりお立ち台で踊るファッションにも 限度はあるとは思う。 あの当時、どんどん麻痺してしまって もう普通のパンツが見えそうな丈のボディコンが フツーだから、そこを基準にしたら いくら肌をより露出するか!?だったんだよね。 でも、ヘア丸出しでお立ち台は 私の身近では聞いた事なかったな。 あとやっぱり「モロ」に色々見せるより チラリズムの方が、絶対いいと思う。 ・・って私はおっさんか! その「ヘア解禁(?)」の件で、 ジュリアナのお立ち台が撤去されて 地方も影響が出るかと思えば そうでもなかった。 仙台K&Qは 「スーパーお立ち台」と言う巨大なお立ち台が 出来ていて、暫く健全に残ってました。 だけど、その頃からディスコで流れる曲はテクノから ユーロの方に移り変わっていた。 この頃は、テクノを踊る人とユーロを踊る人の 入れ替わりもあり、女性の恰好は 派手な露出系はテクノ。 そうじゃない人はユーロ。 と、分かりやすかったですね。 ジュリアナがお立ち台がなくなって あまりお客さんが入らなくなったと言っていたけど 地方は、ジュリアナテクノのブームが衰退期になっても ユーロの方に移ってきたからかな?と私は思っていた。 過激な恰好で踊ると言う事も ジュリアナブームで去って行き、 「もう、どこまですごくなるんだろうね?」と言われていた 露出ファッションも、極限までくると 後は180度違う世界が開けていくのかな。 ジュリアナの最後の日当時の映像が 流れてました。支配人の方、この当時25歳だって。 わああ!すごい。25歳でここまで出来るのって凄いね。 ラストはお立ち台なしでも、フロアで扇子持って 踊ってる人達が沢山映ってましたよ。 そして、最後の第三部の方は ディスコで沢山写真を撮っていたと言う カメラマンの話しだった。 地方も回って、色んなディスコでお立ち台の女性を 撮ってきた写真があり、これをどこかで展示したいと。 いいねえ!それこそ昔の ディスコ雑誌に載っていたあの当時の 写真を今、見たら楽しいだろうね。 自分はその人に撮ってもらった事はないけど 「あのフィルムの中に自分も紛れ込んでいたら どうしよう?」と、ちょっと思えたのはオカルト。 今思うと、私も「あの当時のディスコ」は 夢の中にでもいたかのような毎日だった。 非日常の世界だったからね。 若い頃って、本当に楽しい。 勿論、今でも楽しいし、大人になってからの 色んな意味で心にゆとりがある今の方が ゆったりして楽しい。 だけど、刺激と快楽とお酒と踊りと テクノがいつまでも私を酔わせたの〜〜。 そんな事をテレビを見て 当時の忘れかけていた感情も 思い出しました。 長文の話しに付き合ってくれて ありがとう!また何か昔の事を 思いだしたら書くね。 |