ファジーな痛み


歳を重ねる事に 良くなる事がある反面、弱くなる事もある。

今回の場合、それは体質の変化を意味する。


今年も6月が来て、気温に差がある度

何度 私の腹の変動も起きたことであろう。

腹が下っている。しかし、この痛み・・・。

通常の痛みにプラスアルファが作用しているようである。

そう、女の貴方なら共感してくれるであろう、

月に一度のお客様の痛みも

私の腹に、参加してきたのである。


通常 下りの腹の場合、ピコピコ打ちの

スーパーユーロビートのようなノリである。

このピコピコ打ちは、私のへその辺りを

くすぐり、アップテンポで、

トイレに駆け込ませたくなる衝動に


私は心躍らせられるのである。

脂汗も出てくるのだが、

これは新陳代謝効果はあるのだろうか?

トイレにしゃがみこみ、腹をかかえる私は

悲劇の中の喜劇である。


この下り腹の峠を超え、一段落していると

次に私を襲うのは、
別な痛みである。

おお。月に一度のお客様、ご来店であろうか?

この腹の奥底から、重々しく迫ってくる痛み。

腹の中で、モチ突きを されているような気分である。

モチをひっくり返されている時

私も、そりかえって うなっているのである。

しかも この痛みは、突発的ではなく

長期間作戦か?と思わせるような

じわりじわり来る、タチの悪い戦略である。



このダブルの痛みを、腹にかかえていると

私は胸いっぱいである。(怒)

こうして4日間生活していると、

「腹が痛くて当たり前」になる。

「腹が下る日常生活」「トイレが長くて当然」と言う設定で

今日も生きていけるのである。


人の習慣とは恐ろしいものである。

何故なら、私はこの4日間で「この痛みはどちらだ?」と


言うのを分別できるまで、成長したのである。

痛みを感じても

瞬間的にトイレに駆け込みたくなるのは、下り腹。

トイレまで、気持ちに
「ゆとり」を持てるのが、月一お客様。

ありがたい事に、

二つの痛みは同時に迫ってこなかったのである。

交互に均等に訪れてきたのである。


世の中とは、バランスで成り立っているのであろうか?


腹の薬を飲んでいいのか?それとも鎮痛剤の方がいいのか?

分からず、とりあえず腹の薬を飲む。

明日は休みだから病院に行こう。と思い

寝る事にする。

すると、突然、腹が痛くなった。


これは下り路線の痛み・・・とトイレに駆け込む。

3分後、今度は重い痛みが来る。

今度は、月一の方ですか〜。

深夜3時。私は布団でうなりながら


狂ったように腰を振る。こうするとラクなのである。

この4日間で訪れた痛みの中で

一番強い痛みだった。吐き気もしたが吐けなかった。

いよいよ、わが人生のクライマックス。


私は今、ダブルの痛みと、吐き気に悩まされている

三重苦のヘレンケラー気分である


この痛み、ひとつだけでも対応するのが

精一杯なのに、集中して攻撃するな〜!

私は完全に降参した。誤魔化しながら生きていたが

睡眠不足や規則正しい生活をしていないせいで

体がSOSを出したのである。



私は翌日、病院に行った。

注射を打ってもらった。

針の先は痛かったが

これでラクになるなら

どうってことないと思った。



三つの痛みより、救われる一本の注射である。


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