鼻のてっぺん


この2〜3日、鼻のてっぺんが赤くなっている。

化粧をしても、この鼻の先が赤いままだ。

コンシーラーで隠して化粧をしても

いつのまにか赤くなっている。

まるで、鼻だけドラえもん!

どうしてこうなってしまったのだろう?

朝はまだいい。

お昼を過ぎて、時間が経つにつれて

どんどん鼻の赤さが増してくる。

どんどん、ドラえもんになっていく。

僕、ドラえもん。

私の自慢は、ドラえもんと誕生日が

一緒である事である。

・・・でも、今はそんな事はどうでも良い。


接客業である以上

身だしなみとして、この赤い鼻を

なんとかしたい。


私はその日の夜

洗顔後、基礎化粧品の後に

「ムヒ」を塗ってみる事にした。

ご存じこの「ムヒ」とは、蚊に刺された時に

腕や足に使用する薬である。

本来なら、顔には塗るべきではないと

分かっている。


しかし、この赤い鼻をなんとかするには

虫刺されの薬が効くのではないだろうか?

しかも、鼻は顔の皮膚の中でも

結構強いような気がする。

目元は一番皮膚細胞が薄くて

0.2ミリと聞いたが

鼻は意外とガッチリしてないではないか?



私は化粧品屋の回し者ではないが

ノエビア化粧品には

以前、鼻パックと言う

鼻の毛穴専用のパックがあった。

顔の部分に塗るパックとは違い

ちょっと強めのモノで

剥がすと、毛穴の汚れが

漏れなく付いてきた。

私はその毛穴の汚れを見て

「こんなに汚れが取れてスッキリ!」と

思っていたものである。

女性より、男性の方が脂性だから

男性の鼻パックの方がやりがいがある!

そう思い、当時の彼氏の毛穴パックを


見たことがあった。

「鼻がスッキリする」と男女問わずの

答えが来た。

・・・と言う事もあり、鼻の皮質は

強いと思っていたのだ。

なので、「ムヒ」はきっと

鼻のてっぺんになら大丈夫だろうと。


そして私は思い切って鼻のてっぺんに

この白い塗り薬を乗せてみた。

すると、一瞬にして

ヒリヒリ感が肌に伝わってきた。

なんていんでしょう、この感覚。

鼻を中心に放射線状に広がる、

このジワリジワリ感。


だんだん目にも漂ってくる。

涙目になりそうである。

耳の方にも「ムヒ」が向かっているのが

分かる。この顔全体に広がる感覚。

体験した人にしか共感されぬ。


いよいよ私は「間違った事をした」と

気づき、ティッシュで薬を拭き取った。

鼻の赤みは消えていないようだが

変な麻痺感覚っぽいのは消えてきた。

「ムヒ」は、やっぱり腕や足に

塗るものなんんだなあと体感した。


次の日、目覚めて鼻の先をチェックした。

スッピンだから余計、赤みが気になった。

コンシーラーで隠せば

昨日よりは目立たないだろう。


しかし、時間が経つにつれて

化粧も取れてくるので

やっぱり今日もドラえもんになった。


私は今夜は、

「じゃあ鼻パック効果なら?」と思い、

顔全体をパックする事にした。

もう鼻パック自体が製造中止になっている為

顔全体のパックしかない。

週1のパックを兼ねて、試してみた。

所があまり効果はなかった。

でも、まあだんだん良くなってきているの

だろうな。毎日皮膚細胞も生まれ変わって

いるだろうし・・・。と思って過ごした。


そんなある日。

私はドラえもんの鼻で悩んでいたら

同じ悩みを持つSさんが居る事を知った。

「オレも、鼻の先ずっと赤くて!」と言う。

あ!そう言われてみると赤いかも。

でもジーっと見ないと分からないね。

なんともまあ。

偶然にも同じ職場にいた。

Sさんも私も鼻のてっぺんが赤い。

どうしてこのような事が起きたのか?



「きっと、ニキビですよ」とSさん。

ええ?ニキビ?

私、もう

ニキビと言う歳じゃないでしょ〜!?


ニキビじゃなくて吹き出物でしょ〜?


・・・でも、吹き出物にしては

今まで私が頬やアゴに出来たのと

違う。毛穴が赤いみたいな感じ。

もしかして鼻の先にもニキビが出来ても

皮質が違うから分かりにくいのか?

まあ、「ニキビ=吹き出物」と言う事で

解決する事にした。


そんなSさんも

鼻がドラえもんになっていたので

「Sさんがドラえもんで

私がドラミちゃんみたいですね」と

言った。

すると、無言だった。

「あれ?もしかして

私とドラえもん&ドラミちゃんイヤですか?」と

聞いたら
即、「はい」と言われた。

ガーン。同じ赤い鼻同志なのに!


Sさんは私に言った。

「せめて、オバQとOちゃんがいいっす」


・・・・・何がどう違うか良く分からないが

「分かりました。じゃあ私は

Oちゃんで!」と図々しく言った。


バケラッタ。