感謝状


その日の私は、歯医者の予約をしていた。

私は右下の歯磨きが、上手く行かないのである。

今日は歯をキレイにしてもらいに行く日なのである。


久々に、其の歯医者を尋ねると、

婦長のOさんが笑顔で声をかけてくれた。

「こちらの奥の部屋でお待ちくださいね〜」と
白衣の天使が言う。

Oさん、いいねえ。貴方は白衣が似合うわ。

Oさんの治療で「痛い」と思った事はない。

彼女は もしかしたら
癒しの技術師なのだろうか?


「ここが奥の部屋?」と思っていると、

「もっと先に新しい部屋が出来たんですよ」と言う。

さらに進むと、私はビックリしてしまった。

白をベースとした空間に、楕円の鏡。植物が植える。

更に!大理石の仕切りと、水がボコボコしていて、

色がだんだん変化していく縦長のディスプレイ。

まあ。なんて素敵な空間。歯医者なのに、


オシャレでエステに来ているみたい。

「ここはケア専用ルームなんですよ」Oさんが言う。

それにしても不思議。今まで「奥歯を抜きますよ」と言われて

座っていた場所とは違う。
鏡があるのと無いのでは

心境まで変わるものなのだろうか?


「今日はケアをしましょうね。」そう言われ、

Oさんに歯の仕組みについて話を教えてもらう。



私達が見ている歯とは、氷山の一角のような存在らしく

実際に歯とは、もっと根元から生えているものらしい。

「例えば、畑にニンジンがあるとします。

ニンジンを歯と例えます。葉っぱの部分が

表面に見えている歯であって、

ニンジンは土の中に埋まってますよね。

その周りの土とニンジンの間に神経が通っているんですよ」

どうやら、この神経とも言われる場所。

歯茎をマッサージするようにお手入れをすると、

歯周病を防げるらしい。

「虫歯になって、削ったり詰めたりするのも大変だけど、

こうやってケアをしていると、削る事もないし

患者さんも辛くないんですよね」

そうか。口をあけて治療を受けている私らも

口呼吸でキツイ時があるけど、

Oさん達だって、他人の口の中で作業をするのも


奥歯になればなる程、ひどそうだよね。

歯のケア一つでで「痛みも少なく」「逆恨みもされず」

いいコミニケーションも取れて、歯垢も消えて

いい事だらけじゃない♪


Oさんは、私の歯をケアしながら言う。

「エステで顔のマッサージをしてもらうじゃないですか。

歯医者だって、美容と関わりあっている部分がありますよ。

エステも歯医者も、辿り着く先は一緒なんですよね。」

そう言われていうちに、私も歯医者さんを見る視点が

変わってくる。



「人間と言うのは、口から栄養分を摂りいれて、

口で会話をして、とても大事な役割をしている。」

そんなOさんの話を聞かされ、私も思いました。

先日私は「唇から大人になる」と言う

アホ作文を書きました。
しかし

今回は「口から老化を防ぐ」と言う事を

もっと意識を持って、歯磨きに取り組む姿勢が

大事と学びました。

さらに。今までは、虫歯になったから、

予約を入れて治療してもらう。

。。。と、言う考えだったけど、

一ヶ月に一度くらいのペースで

歯医者の通うと言う事は

美容と健康を守ってくれて、虫歯を防止してくれる

有難い私の心のオアシス!
なのだと思った。


痛くなってから通うのだけが

歯医者じゃない。

将来の自分を守る為の、通院。

そんな歯医者さんに出会えて

感謝です。