婦人科検診体験物語


私はお立ち台は「大」が付くほど好きだが

婦人科検診の診察台は大ッキライである。


若き10代の頃に、

一度診察台に乗った事がある。

しかし、その時

「検査の為に」と

医者に見せられた「器具」がショックで

私はトラウマになったのだ。

待合室だって

なんで若いのに

こんなところに来てるの?と言う

冷たい視線。

親子三世代が

和気藹々としている産婦人科。

全く場違いの派手な私。

そんな雰囲気もイヤで

私の中での「産婦人科」の印象は

ハッキリ言って良くないものであった。


歳を重ねるごとに、周りは出産の為に

産婦人科へ通っている。

私は特に出産の予定もない20代。

「生理痛がきつい」と言って

病院に行く人も沢山居たが

私はまだ耐えられる痛みだと思い

市販の薬を飲んで過ごしていた。


いよいよ30歳を過ぎ

町の「子宮がん検診」の

案内が届くようになる。

30歳から受けた方がいいとは

聞いていたが

あの診察台を思い出すと

クラクラしてくる。

35歳を過ぎてからでいい・・・

36歳を過ぎてからでいい・・・

そう思って過ごしてきた。

だけど・・

自分の子宮が果たしてどのように

なっているのか?

この生理痛のきつさは普通なのか?

調べてもらった事がないから


良く聞く筋腫や内膜症の疑いだって

あるのかもしれない・・。

それと、もともと

妊娠しにくい女なのだと

自分で勝手に

思い込んでいるのかもしれない。

私は震える手で、

「子宮がん検診」の内容を見ていた。

記入をするだけしては見たが

行く勇気はない。


そんなある日。

私の背中を押してくれる出来事が起こる。

数年前から仲良くしてくれるSさん。

歓送迎会で飲み過ぎ、胃炎を起こしたので

病院に行ったらしい。

するとそこで、腹部を触られた時

子宮の筋腫を発見されたと言う。

おなかを触っただけで分かったらしい。

ソフトボール位の大きさで、大至急

婦人科に行くよう紹介状を書かれたとの事。

それだけでもビックリしたのに

さらに紹介状を書かれ、

最終的に落ち着いた病院で

手術をするようになったと言う。

「私も婦人科イヤで

行ってなかったけど

手術になったんだよ!

そっちの方が怖いよ!」

私に力説するSさん。

「早ければ手術しなくても、

スポイトみたいなので

取る事だって出来るんだよ!」


さらに。「胸は触って自分で見つけられるけど

子宮は分からないでしょう?

私みたく大きくなったら

分かるけど・・。

でも
何事も早い方がいいよ!」

私はSさんの緊迫した状況と

突然の話に呑まれそうになった。

そしてSさんと別れた後、

私もハラを触って

筋腫がないか確認をしてみた。


・・・・でも分からない。やっぱり私も

婦人科へ行くべきだ。


ちょうど・・がん検診も受けないと

いけないお年頃だし・・

私も筋腫が出来ているかもしれない。

それこそシンクロ現象かもしれない。

私も重い腰を上げて

自分の体と向き合わないといけないのだ。

きっとそういう時期が来たのだ。


私の従妹(36)は福岡県で

婦人科の看護婦をしている。

大人になってから

結構頻繁に電話で

連絡を取り合うようになった。

いつもは彼女の「タロット占い」の依頼で

長電話なのだが

今回の電話は私が診察台に乗る心構えの

相談会である。


まず、ガンの検査だけではなく

内膜症か筋腫が出来ているかも

調べて欲しいと先に伝える方がいい


アドバイスをもらった。

がん検診だけの依頼だと

細胞を採って2週間後に結果が出るだけに

なるので・・との事。

もし筋腫などが見つかったりすると

オプションになると言う事も分かった。

そして、診察台での心構えは


1・あまり怖がらない。緊張しない。

2・肩と足の力を抜く。

3.口を開けると力が抜ける。

4.お尻と腰だけは「ドデン」としている方が良い。

5.とにかく診察中は深呼吸している。


これだけを守ってもらえれば

患者さんも何度もイヤな思いをしないで済むし

先生だって診察しやすいとの事。

子供を産んだ事のある人だって

やっぱり内診はイヤだと色んな人が言った。

みんな女なんだから

イヤなのは一緒。

自分の体を大事にしようと思わないと・・ね。


そして私は

次の休みの日に(2日後)

口コミで評判のいい産婦人科へ

行く事になった。