童心に帰る


子供は、はしゃいでいるだけで楽しい。

走り回って遊ぶだけで楽しい。


大人になるにつれて、忘れかけていた思いである。

先日、従兄の子供(幼稚園児と、小学2年生)と会う機会があった。

自分は大人なのに、子供達と一緒にいると

違ったパワーをもらえる。

不思議な時間だった話に

お付き合い頂きたい。


まるで正反対の姉妹。

面倒見のいい8歳の姉、華蘭(からん)ちゃんと

お子ちゃま全開パワーの妹4歳 愛梨(あいり)ちゃん。

ハッキリ言おう。

私は大人の会話が通じない宇宙人のような子供は

あまり得意ではないのだ。

私は、1を言って10理解出来る大人が好きである。

しかし。あまり私の身近にはいない

この子供達のお陰で、私は退屈せずに

子供達と過ごす事が出来たのである。



お子ちゃまパワーの妹、愛梨(あいり)ちゃんは

私に「ねえ~。
お姉ちゃん。(←みかりんの事である。)

と言った。

32歳 女性が、幼稚園児から見て

「お姉さん」と言われるのは

女として合格である。


愛梨ちゃんは言う。

「お姉ちゃんは、愛梨のパパと結婚したい?」


・・・・愛梨ちゃんのパパとは、私の従兄である。

目の前には、
奥さんが居る。

しかも、
奥さんは私の高校時代の先輩である。


私は「ううん、私は愛梨ちゃんのパパと

結婚したくない。」と言った。

「え~!?なんで?愛梨ちゃんはね。大人になったら

パパと結婚したい!って言っているのに

なんで~?パパの事、嫌い?」と

私の腕を引っ張って言う愛梨ちゃん。

奥さんは一言。

「美香さん。(←みかりんの事である。)

まだ、意味分かってないから・・。」

そうである。思わず大人の会話で言ってしまった。

そこに愛梨ちゃんパパが

「俺はな、美香みたいな

貧乳な女には興味がないのだ!」

と、言った。

おい!待て!それは本当の事だが

あまりにも本音を言っているような従兄。

愛梨ちゃんには理解不可能のようだが

楽しいやり取りと言う雰囲気なので

感覚で「なんとなく、大丈夫。」と思った事であろう。


その後、子供プラスみかりんで

マイムマイムを踊ったり、「おせんべ焼けたかな」をする。

♪あるぷす いちまんじゃく♪に付き合ってみたが

良く分からない。
私はあやとりだって出来ないのだ。

だけど。こうして遊んでいると、

自分も子供の気分になってくる。

一緒に走り回ったりしていると、体は大人だけど

精神は小学生のような気分になってくる。

目に映る事だけの事や、目先の楽しさに心を奪われて

ただ笑っていればいい子供からは、

心から楽しむと言う純粋な遊びを教えてもらえる。


これが
遊びのプロである。


遊びのプロ、愛梨ちゃん

「大人の人と、こんなに遊んで笑ったの、はじめてだ~!」と

息を切らしながら言った。

私からみると、有難いお言葉を頂戴した。

姉の華蘭(からん)ちゃんも「もっと面白い遊びしよ~」と言う。

私はどんな遊びなのかワクワクしている。



すると、「あのね。ここステージね。

お姉ちゃんとお姉さんはお客さんね。」

愛梨ちゃんがステージ発表をするらしい。

私は、コタツに入りながら、みかんを食べて

拍手をする。みかんの皮を剥くと愛梨ちゃんが

「あ~。そのみかん、かしてかして~」と言う。

食べたいのかな?
ステージ発表前の喉の潤し?

思いながら観客の私が、「はい、どうぞ~!」とみかんを渡す。

すると、「みてみてみて~!」と言い、


丸いみかんの、あの隙間の穴に

親指を入れて
「みかん指輪!!」と言った。

「ね~。やってみて~。みんなお揃いだよ」と

誘われ、私と、華蘭ちゃんも真似した。

「きゃははははは!王様みたい~」と、華蘭ちゃんが言う。

私もやってみた。
親指、結構 重いんですけど・・・。

「全部の指にみかん挟む~」
と本気で姉妹二人が言う。

それは無理ではないか?

所で・・・ステージ発表は??



「はい!では、始めます!」

エントリーナンバー1 愛梨ちゃん。

「これは何をしている所でしょう?」

足を開いて、しゃがんだ。両手をグルグル回している。

みなさん、これ、何をしていると思います??


「幼稚園のお遊戯?」私が手を挙げて言った。

「違いま~す。」どうやらハズレらしい。

「あ~!分かった!
トイレでしょう!?」姉の華蘭ちゃんが言った。

「正解!」・・・・そうだったのか、

あれは
和式のトイレ模様だったのか。盲点だったのだ。

私は、あまりにも日常生活過ぎて、

気づかなかったのである。


この生活感溢れるステージを見ながら

私の番が来たら、何の芸をすればいいだろう?と

頭を悩ませていると

「あのね~!トイレで思い出したんだけどね」と話を振られる。


姉の華蘭ちゃんが私に言う。

「こないだ愛梨ちゃんがね。
トイレの個室であやしい事していたの」

どんな遊びをしたのだ?私は興味本位で聞く。

「前にね。愛梨ちゃんのね、
お尻にホクロがあったのを

教えたのね!そしたらね!愛梨ちゃんホクロを

取ろうとして、
爪でお尻ひっかいていたんだよ!」

「ぎゃははははは!!ちょっと、それでホクロ取れたの?」

「ううん。取れないから、お姉ちゃん助けて~!って言われて

トイレで一緒に愛梨ちゃんのお尻のホクロを

引っかいていたの。」

「・・・で、取れた?」

「やっぱり取れなくて、
代わりに血がついてきたよ。」

「ぎゃはははは!面白い!」

そんな
トイレでの秘め事があったなんて。

あ~笑った笑った。



それにしても。私も尻にホクロがある

取ろうなんて思った事はなかったぞ!

大人と子供では、ホクロ一つでも

受け止め方が違うのだな~と思ったと同時に

子供って、面白いと思った。

そして、童心に帰れた事で

自分の周りにはない新鮮な粒子を

浴びれて嬉しかった。