ディスコを探せ


噂には聞いていたが、こんなにも早く足を踏み入れる機会が来るなんて。

出来たばかりのディスコなのだろうか。ツワモノだけが知っている拠り所なのか。

頼りになるのは、少しの情報と「踊りに行きたい!」と思う気合。

夜の街を歩く。何処だろうと周りを見ながらR君と探す。


すれ違うのは、仕事帰りに飲んできたおじさんの集団。

そして、何気ない顔をして風俗に入っていく男性。

(ええ!あんな風にコンビニにでも立ち寄るか。って、感じで

ふらりと入店するもんなんですか〜!!)

ここは、ちょっと栄えた場所から はずれているようだ。

もう出口とも言えるような場所。(または入り口と言うのだろうか)

ふと、左を見るとスナックの店がある。

昔からあるお店みたい。これってふくろの味の表現に見える。

こういう場所で、おじさんたち癒されたいのね〜。


それにしても、若い世代に出会えないのは偶然なのだろうか。

場所と時間単位が違うせいだろうか。

ディスコに向かっているのは、何処を見渡しても

私らだけに見える。・・・本当にディスコはあるのだろうか!?


「あ!あれだ!」R君が言った。

見ると出入り口に、宣伝の様なものが張ってある。

「このビルだね」私は嬉しくなった。

すると「あの、ディスコをお探しでしょうか!」と声をかけられた。

ええ!これってナンパ!?30歳目の前にしてナンパ!?

「はい。どうして分るんですか?」私がニコニコして答えると

「なんとなく、雰囲気で。こちらのビルです。良く間違われるんですよ」

・・・な〜んだ。ナンパじゃなかったのね。


そして、親切なお兄さんがエレベーターのボタンを押してくれた。

私とR君は念願のディスコに着く事が出来た。

チン!と音がしてドアが開く。

その向こうには本当に行きたかった空間に出会える。

「なんだかドキドキするね」

入り口でも、もう曲が聞こえる。

70〜80年代ディスコ。私が子供の頃、憧れていた世界を

時間を超えて体験できる。

私からみると「懐かしいディスコ」ではない。

大人になったら、行ってみたい世界だったから。


私からみた「懐かしいディスコ」は、テクノ&第二次パラパラブームだから。

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