未知なる味


「カップヌードルのカレー味に

雪見大福を入れて食べると

美味しいらしい!!」


山〇さんが、興奮して言う。

私はそれを聞いて

目が点になった。

Sさんも「なにそれ!」と言う。

何とも奇妙な組み合わせに

「うわ。まずそう」と私は

思わずホンネを言ってしまった。


どうやら、その情報は

カップヌードルと雪見大福の

企業同志の話として

書いてあったらしい。

「企業が言うのなら、美味しいのかも」

山〇さんは、鼻息を荒くして、

「今日、お昼に試す!」と燃えていた。

頭から、湯気が見える!!←オカルト!

山〇さんは目が特に燃えている!

目の中に炎が見える!←ホラー現象!


個人的には、私はカップラーメンは

あまり買わない女である。

でも、カップヌードルは食べるなら

カレー味より

シーフードヌードルの方が好みだ。

アイスは好きだが

雪見大福は、自分で好んで選ぶ事は

あまりない。

この水と油みたいな組み合わせが

一つの食べ物となる時

一体どんな味がするのか?

カレーの味に押されてしまうのではないか?

アイスの甘さが、カレーとブレンドされて

不気味なんじゃないか。

でも、いい。私が食べるんじゃないから。

山〇さんは、罰ゲームを受けるワケでもなく

自ら「試す!」と意気込んでいるのだ。

なんて頼もしいチャレンジャーなのだ。

これは、ネタになるではないか!

私が上記の事を思い浮かべていると

見抜いたかの様に山〇さんは

「みかりんさん、良かったら

この話を「みかりんの部屋」に

書いてもいいですよ」と言ってくれた。

おお!最近面白いネタが湧いてこなくて

困っていた所だったのだ。

それは有難い。

山〇さんに良い事があるよう

心の奥底から幸せを祈る事にする。

(それより、山〇さんの腹が無事である事を

願った方が彼の為である。)


ランチタイムになり

山〇さんは、早速

「カップヌードル+雪見だいふく」を

スタンバイした。

私は「おお・・本当にやるのか」と

ドアの陰から見守った。

「まず、カップラーメンの

お湯は、線よりも少な目にする」と

私に聞こえるように解説をしていた。

お湯を入れたら、雪見大福を

とりあえず1個、入れるらしい。

そして、3分待つとの事。

私は3分待っている間

ソワソワし出して

気が気で居られなくなった。

なんて言うんですか、緊張感♪

私は、山〇さんのカップラーメンの

中身がどうなっているのか

気になって仕方なかった。

そして、思い切ってドアを開けて

「中身、見せてください!」と

言ってしまった。



山〇さんは、勿体ぶる事もなく

「ファイナルアンサー?」と言う事もなく←古い

惜しみなく、オープンしてくれた。

カップラーメンの狭いあの中に

雪見大福1個が、無理やり縦に

入っている。

その姿は、まるで温泉卵のよう。

黄色の液体の中に


白い丸い物体が一つ。

見たことのない不気味な光景に

笑いが止まらない。

「企業同志のコラボ」が

今、目の前で繰り広げられている。

あのニュースを読まなければ

お目にかかれない光景。

ハッキリ言って

「なにこれ珍発見!」である。

「この雪見大福は

これから溶けて

なくなるんですよ」

山〇さんの真顔の解説。


いよいよ3分が経過。

カップラーメンの完成時間である。

雪見だいふくは、黄色のスープの中に

押しこめられた模様。

一体、どんな味がするのか。

コーンスープのような色に変化した

カレーのスープはミルク味風なのか?

雪見だいふくの餅は

なくなるのだろうか?

謎は深まるばかりである。

私は山〇さんが食べている所を

残念ながら見れなかったが

すぐに完食した山〇さんが

ドアを開けて一言。


「まずくはないけど

別々に食べた方が

美味しかった」



・・・やっぱりそうなのか。

見た目からあまり

食欲はそそられなかったが

ユーモアさはあった。

Sさんが聞いた。

「大福はどうなったの?」

「混ぜたら溶けました」

そうなのか。結果的に

カップヌードルの中に

雪見だいふくは溶け込んでいくのか。

しかし!山〇さんのカップラーメンは

これだけではなかった。


実は、先日「寒天を入れて食べると

ダイエットになる」との事をテレビで知り

今回「カップラーメン+雪見だいふく」に

寒天も加えて食べていたと言う。

おお。。なんだそれは。

もう「寄せ鍋みたい」と思わず私が言った。

するとSさんは

「闇鍋の間違いでは?」と言った。

本当だ!闇鍋だ!

もう何は入っているか分からない。

おう。クレイジー。



そして、Sさんが山〇さんに

「よし!じゃあ明日は

トマト味のカップラーメンに

雪見だいふく」を挑戦してみよう!」と

不気味な提案をした。

私はゲラゲラ笑った。

こっちこそ、闇鍋並みの怖さだ。