ブルブル体験


私が好きなエクササイズ。

その一つに
乗っているだけで痩せる!と言う

ブルブルが候補として上がってきた。

これはもう自他杜もに認める真実である。


ブルブルの本名は「Vバランス」と言う名前である。

この勝利を夢見たようなネーミング。

どうやら左右対称垂直高速振動による、

トレーニングマシンらしい。

私を囲む人々達に「ブルブル」と呼ばれ庶民のアイドルになる。

ブルブルは体重計の様なスタイルをしていた。

細い体はムーミンのキャラの
にょろにょろのよう。

手を置く位置もある。まるで「お姫様どうぞ」と

手を差し伸べてくれているようである。



今日も女達はブルブルに会いに

そして乗っかりに行く。

ブルブルは素晴らしいみんなの愛のパートナーなのである。

みんな、ブルブルのエクササイズの媚薬に負けたのだ。


私はブルブルと初めて会った日の事を

今でも鮮明に覚えているのだ。

カーテン一枚で仕切られた個室で密会。

まず、上着をハンガーに掛け、荷物をカゴに入れた。

そしてスリッパを脱ぎ、両足を肩幅に合わせて乗る。

コインを入れてスタートボタンを押す。

金を入れないと、相手にしてくれない機械なのである。

なんて正直なんだろう。

体が揺れた。

手を置く事も出来るし、置かなくてもOK。

ふと横をみると!ブルブルに効果的な体勢の

一覧を発見。

30度腹を突き出す、背筋を斜めにする、後は椅子を使ってみる方法。

その他モロモロ。しかし、一番スタンダードなのは

そのまま立っている姿らしい。

仁王立ちがいいのだろうか。

今度は揺れながら目の前にある数字を見てみた。

234と言う数字を発見。これはステップ数らしい。

不快指数の度合いでなくて良かったと思う事にするのが

乙女心である。


さて。ステップ数はブルブルの速度を上げると、

それに比例していくらしいのだ。

私は速度レベルを
にしていた。

ちょっと解説をしたいと思う。

レベル
は通常に踊る動きである。

そして
もまだ人間として動いたり、

相手に任せておけば

OKと思われる動きである。

しかし、
になるとピッチが上がる。

腹、胸、背中、二の腕の余分な肉の動きが

ブルブルなのだ。

余分な肉が波を打つ感覚。

これは機械じゃないと出せない動きである。

癖になりそうな動きと速さである。

これはブルブルの魅力なのか?

乗り続ければ分かるだろう。

初心の私には
4.5の動きはまだ激しいので

次回にしようと思う。

レベルを
に戻して、お手並み拝見の私は

暫く様子を見る事にする。

やっぱり最初はおとなしくして良い
でいよう。

これが騙すテクである。


私は「あと何分」と言う数字と、

速度のレベルと、ステップ数を見ながら

うぃんうぃんと左右に揺れている。

呼吸はまだ乱れていない。

ふと、私は横の人がいる事に今更ながら気づく。

隣の人は 
うぃんうぃんと言う動きではない。

聞いていると、
「トントントントン」と言う音である。

きっとお隣さんはレベル
だろう。

そう思っているのもつかの間

いつのまにか
「トカカカカカカ」と言う音になっている。

私はびっくりした。

お隣さんは千切りでもしているのですか?と

尋ねたくなったのである。


レベル
で包丁の音?

では
4、並びに5は千切りの音か?

ちょっと試してみた。

・・・おおおおお。。声を出してみた。

お若き頃、貴方は水の中で

「ぶんぶんぶん〜ハチが飛ぶ〜」を歌った事はなかったか。

もう一度思い出してほしい。

♪ぶ
んぶんぶ〜ん は〜♪

と、言ったノリである。(↑声に出して言ってみよう。)

ちなみに肩や、腕、背中の肉が

縦に揺れている。足はもう棒が入っているような感覚だ。

これは、もう自分が人間か分からない

Who  am  I ? と言った感じである。


おっと。私のお約束の10分ももうすぐ終わりである。

ステップが2000台になっている。

どうやらこの10分で2時間のウォーキング効果があるらしい。

10分があっと言う間だったのは

有酸素運動効果を得たかららしい。

10分ほとんどレベル
で過ごした私は

これと言って特に「ここが痛い」「苦しい」と言った事はなかった。


しかし、ご近所売り場の人の話では

「横っ腹が走った時みたいに痛かった」と言う。

これはレベル
2〜3位の人に現れる現象らしい。

酸素が減るのが原因らしい。

こんな時は腹式呼吸をするといいとの事。

私はそれを聞いて

「妊婦になった事ないから分からない」と言った。

すると「その呼吸法じゃなく、

大きく息を吸ったり吐いたりする方法!」と言われた。


のちに私も速度レベルを上げ、2〜3が通常モードになった。

ステップ数も5000台から6000台になった。

ウェストも2センチ減った。


気が付けば
此処の回数券をしっかり購入していた。

ブルブルは予想以上に素晴らしい乗り物である。

そんな私は今日もブルブルに会いに

回数券を切ってもらうのであった。