ボンテージが欲しい。


毎年恒例のコスプレ大会がやってきた。今回の私の衣装は

「にしおかすみこ」である。

SMのボンテージを身にまとい、「このブタ野郎」を言うのが

今回
私のノルマであり、生きがいなのである。

バツゲームでは?)

ボンテージとは!女なら誰もが

ウェディングドレスの次に着てみたい衣装である。


さて。私はカレンダーをみながら

いつ、この衣装を買おうか悩んでた。


11月下旬

み○と出かける。どこか寄りたい場所はないかと尋ねる彼女に

私は即「SM衣装の買える店に行きたい」と真顔で言った。

通常のコスプレが買える店では残念な事に

ボンテージは売っていなかったのである。


私は「大人のおもちゃ関係の店じゃないと売ってないよね?」と言う。

するとみ○は「う〜ん・・そこに行くのはちょっと」と言った。

どんな誘いにも乗ってくれる、付き合いのいいみ○が・・。

み○が・・み○が・。

こだわりのないのが、こだわりのみ○が・・・。

初めて私の誘いを遠慮なく断わったのである。

そのくらい、抵抗のある大人のおもちゃ店。

こうやって考えてみると、このおもちゃ店とはなかなかの

存在感である。アッパレである。


12月上旬


そんな私も1人で大人のおもちゃの店に入る勇気もないので

ネットで探してみる事にした。


SM ボンテージで探してみる。

引っかかってくるのは


せくすぃー系の下着屋か、本格的なSM店である。

私はもっと初心者でも抵抗のないボンテージ店を探してみた。

ある事はあるのだが、

素材がエナメルで、着ているサンプルのお姉ちゃんを見ていると

すぐに痛みそうなデザインである。


お手ごろな金額で5.000円もしないのが魅力的ではある。

でも。こうしてみていると、

もっと貫禄のあるデザインがいいと思う。

私はやっぱりエナメルよりも

本格派使用のボンテージを購入したいと思う。

セクシー系のランジェリー関連の、ボンテージのサイトがあった。


アクセスしてみた。

そこには金髪の外人さんがボンテージを着ていた。

1万円台の価格である。

下着もどきもあれば、Vフロントの物もある。

あまり行き過ぎデザインだと困るので

まだ一般受けのしそうな物を探す。

そしてずっと下を見ていくと

1200円で口を開けっ放しにしておく、

怪しい小道具も発見した。


マスクとは違うこの小道具。

これは活用してみたいとは思わないので

自分は改めてノーマルだと再確認する。

「すごい世界だ」と思い、関われる人を関心する。

さて。こんなに念願の本格派ボンテージ勢ぞろいのサイト。

ここに通販で購入とは言え、一般ピープルの私が

ここから注文をしてもいいのだろうか。

顔を見られないメリットはこの際、二の次である。

私は
顔を見られるより、身元がバレル方が困る

「こ〜ゆ〜趣味の人か、こ〜ゆ〜業種の人」と思われるのは

大前提ではあるが、どうせそう思われるのなら

通りすがりの買い物客と言う、匿名希望の勲章が欲しい。

それが女心である。

私はこのサイトから注文をする事について

悩んでいる。

こんな時、ネットに詳しい男友達R君に相談である。



私「お〜。いぇ〜い。相談したい事があるのでチェイス」

R「なになに?え!?ボンテージ購入について?待って。

 今、言われたサイト開くから。」

・・・10秒間の間・・・・


R「
うわ〜ははははは。なに。これ。ここから買うつもり?」

私「それで迷っているのよ。左の一番端のやつ、これって

  スタンダードだと思わない?

R「くくくくく。
(←抑えた笑い声)あのさ、15.000もするよ」

私「1万円台じゃないとこの
本格派がないみたいなのよ」

R「ぐうふふふ。あ〜。。あのさ。。右から2番目も普通だね。」

私「うん。なんか
すごいのが多いから普通に見えてくるよね

R「ここから注文したら絶対にDM沢山届くよ」

私「あ〜。そうなんだ。他にも
怖い目にあったりしたら困るよね

R「それは買ってみて、
そうなってみないと分からない。

  もっと手ごろに買えるドンキとかは?」

私「エナメル素材らしいのよ。本格的な店じゃないと

  私が欲しいモノはないみたい。」

R「くくくく。
(←こたえた笑い)怪しいコスプレ店は?」

私「弟が言うには、あの店は女1人で行くと


 
店を閉めらてAV撮影されるって。

 本当かどうかわからないけど。」

R「くくくく。
(←抑えた笑い)一緒に行ってあげましょうか?」

私「あら、嬉しい。夜しかやってないみたいだよ。弟が昔そこで

 
Hな気分になるキャンディーと言うのを買った事あるのね。」

R「は〜ははは。普通に入れるのね。怪しい店だと思っていたけど。」

私「うん、
十分怪しいよ。でもその時は

 下着しか置いてなかったって言ってたよ。」

R「そうなんだ。でも、
この専門店のサイトから注文するより安心じゃない?

私「う〜ん。どうしよう。」

R「まだ時間あるんなら、落ち着いてからもう一度みて注文したら?」


私「うん、分かったよ。ありがとう〜。」


この様なやり取りをしながら、情報収集をした。



12月中旬


私は、怪しいコスチューム専門店へ向かった事のある、

勇気ある弟に電話をする。


私「ねえ、ま〜ちゃん。私
SMルック欲しいんだけど、どこかで

  
私の代わりに買ってきてくれない?

〜ここで断わっておくが、弟はその様な趣味の男ではない。〜

弟「姉ちゃん、・・・
また変な事するの?

私「変な事じゃないよ。
コスプレ大会するのよ。毎年恒例の!

弟「なんでSMなの!?にしおかすみこ?」

私「大正解!色々考えた結果、ネットで注文しようとも思ったんだけど

 勇気がないから、ま〜ちゃん見つけてきて〜〜。」


弟「・・・・姉ちゃん!ネットで注文したら?」

私「身元バレルのがイヤなのよ。」

弟「じゃあ家の住所にしてもいいよ。名前も俺にしたら?

  男が注文ならいいんじゃない?」

私「ありがとう。考えておくわ。

  後ね。ま〜ちゃんの
小道具も貸りたいのね

弟「なに!?
小道具なんてないけど!

私「あるでしょ〜!

  
何処で仕入れたか分からない警察官の帽子!

弟「あ〜。あれね。あるよ。」

私「それ貸してね。あと、

  これも
また何処で仕入れたか分からない手錠!

弟「あれは
随分前に使って壊れたよ

私「まあ、残念。じゃあ手錠はいいよ。」

弟「じゃあ、注文する時また電話ちょ〜だい。」

私「は〜い。ありがとう!」


こうして
姉思いの優しい弟との電話は終了した。

後日、弟がSM一式を私の為に用意してくれた。


この話は次回に続く。