オカルトAさん親子


こないだ霊感バリバリのAさんの

お母様に会わせてもらった。

お母様は、一人暮らし。

退院したばかりで

今は介護を必要としている為

Aさんが実家に来ている。

病院から借りてきたと言う

ベッドが置いてあった。


「初めまして〜!」と

私が挨拶をしたら

笑顔で迎えてくれた。

Aさんとはあまり似ていなかった。

お母様は私を見て

「目が澄んでいるから

悪さしないね」と言った。

おおお!悪い事は

もうしませんよ〜。←どんな?

目が澄んでいる!?

やったね!



「早速だけど、お母さん!

最近の霊体験から

話して〜!」とAさん。

はいはい!待ってました〜!

私は拍手!(観客かよ)

私の誕生日祝いと言う

チキン南蛮の

お弁当をご馳走になりながら

お母様の話に耳を傾ける。


「このベッドを家に

運んできてもらって

ここで寝てからね・・・

体の体調がますます

悪くなる一方なのよ・・」

ええ!それは霊体験と言うより

お体がまだ

完全な状態じゃないからでは?

・・・と、思いながらも私は

「どんな風に

悪くなったのですか?」と聞いた。

すると返ってきた言葉は

「背中がナイフで

突き刺さったように痛いし

すごく冷たいの。」

うわぁ!ナイフでグッサリの気分!?


怖い。

Aさんも言う。

「そうなの!この暑い8月に

カイロをお母さんの背中に貼ったの!」

「ええ!それは確かにおかしいし

怪奇現象っぽいですね!?」

「そして次は胃が痛くなってきたの」

「そう!だから私が塩をここに

盛って置いていたの!」

Aさんはお母様のベッドの横から

モリモリになった塩を見せてくれた。

私は、この山盛りの塩を見て

「さすがオカルト友人」と思った。

やっぱり類は友を呼ぶだと思った。

私も塩持ち歩きしているから。

私はあまり疲れると、

塩を蒔いているから。

やっぱり塩は効果があると

Aさんもお母様も言う。

「そしてね・・・私、なんで背中も

胃も痛いのか考えてみたの。


それで前、このベッド使っていた人の

思いが残っているんだ〜と思ったの。」

「はい。そういうのってありますよね」

「うん。それで、前のベッドの人って

もしかして
胃と背中が痛くて亡くなった人

じゃないの?と聞いたらそうだったの」

ドヒャー!!!

「きっとね、前のベッドの人

自分が死んだ事に

気づいてないんだと思うの。」


「それで塩置いたり、お母さんが

なんとかあの世へ

行きなさいと言ったら

体がラクになってきたんだよ」

「でも、こんな話を言っても

聞き入れてくれる人と、そうじゃない人

いるからね。」

そうなのだ。このような体験を


していても「なにそれ」

変人扱いされる。

でも、それが普通なのかも。


私はそういう話が大好物な事もあり

本気になって聞き入れているけど。


ふと、Aさんが言った。

「ねえ、お母さん
。みかりんも

霊感あると思うんだけど

みてやって」


ええ!?私、霊感はないよ!?

大昔金縛りにあったのと

高校時代に

きっと幽霊だったんだろうな・・と

言う人を一度見ただけで。

あ!?これって霊感ある方に

分類される?


でも、私、後ろの人が見えるとか

そういうのは全然ないよ。

「みかりん、オデコ全開にしてみて」

何も分からず「?」と思いながら

Aさんの言う通り、前髪を

上げて、私の

広いオデコを見てもらった。

するとお母様は言う。

「ああああ〜。みかりんも

霊感ある方だわ。」と言った。

ええ?どこでそう言うの分かるの?

オデコに目玉でも見えますか!?

「あのね、
眉間のちょっと上の方に

軽くボコッと出てるでしょ。」


メイク道具を出して、鏡を見る私。


「ん?言われてみると

額は横に真っ直ぐではないような・・

ちょっと確かに盛り上がってますね」

「そう。うちの母の基準が

霊感ある人って、
眉間の上が

少し盛り上がっているか

どうかなんだよ」


へえ〜。初めて聞いた。

「余談だけど、オデコにシリコン入れてる

人とかって、あ〜ゆ〜のも

ボコッとしてますけど、そういう人も

霊感・・と言うか感じやすい体質に

なったりするんですか?」

「人工的になっているのは違うよ」

「まあ。そうなんですか。」

お母様は、眉間の上をチェックして

「この人は話が通じるかどうか」を

見ていたに違いないと思った。



さて。お母様の話はまだ続く。

次の話はもっとオカルト!

お母様は子供時代から

霊感があったわけではなく

Aさんを出産する時からだと言う。

「戦争で亡くなった父が、Aを出産する

その時に夢枕に立ったの。」

おお!それは守っている証拠ですね!

お父様の足もちゃんとあるかどうか

確認したら、やっぱり
なかったって。

そして、その後出産する時の話をされた。

「あの痛みと言ったら、もう・・・

ひどいでしょう!?」

私は「痛いとは聞きますが

私、出産した事ないので

分からないんです」

と言ったら

「うわああああ〜〜〜!そうだったのお?

ごめんねえ。ごめんねえ!!」と

謝られた。別にそんなに大げさに

謝られるほどでもないのに。

ただ、そこでお母様はAさんの事を

とても大事な宝物だ

思っているのだけは

間違いない!と私は感じ取った。



話は戻って、その出産の時に

あの世へ行ってきたみたいだと言う。

「死んだら頭に付ける三角のやつ、

あれあるでしょ。

なんだかそれを付けている人達が

沢山居て、私追われているの!

しかも暗闇の中で!」

きゃあああ!!いや〜!

「そして、出産って言う時だから


下に下に引っ張らたせいか

私、きっと地獄に落とされてたの!」

「地獄に行ったんですか?

普通、臨死体験や

あの世を見た人って

上に上に引っ張られて行くと

言いますよね?

トンネルみたいな所を通って

空の上に・・・って。そういうのでは

ないんですね・・?」

「うん。
出産は産み落とす、

だから下に向かったんだと思う。

でも、追いかけられているうちに

真っ暗な場所だったけどちょっとした

光が見えたから、そこに

駆け込んだの!」

「うんうん。」

「そしたら、その光の先は

空の上だった!

家の周りの景色が見えて

すごく晴れていた。

急に下に居た世界から

空の上に上がったからビックリだよ」

へえ。そんな感じで

空の上に居たんですね。

Aさんも無事に生まれて。

お母様が言うには

出産の頃から霊感が憑いたと言う。

そう言う事ってあるんだなあ。


霊感と言っても

後ろの守護霊が視えるとか、

これから先に起こる事が

予知できるような事など

思っていたけど。

あの世のような世界を見たり

実際にお化けに遭遇したり

とにかく、普通にしていては

視えないモノを感じるって事は

霊感なんだなあと改めて

思った。

そして、私も全然何も

感じない人ではないと言う事が

再確認出来た。