潤いの朝


カーテンから入ってくる、明るい日差しで目が覚める。ケータイを見ると

AM7:00。いつもならまだ寝ている時間。でも今日は違う。私の両隣のベッドには

二人の女友達がまだ夢の中にいる。沖縄だったんだ〜!そう思うと苦手な朝も

すごく心地良く起きれる。カーテンと窓を開けてベランダに出てみる。

絵に描いたようなキレイな海が見える。太陽が昇ることで、

だんだん明るい色になる水面をみる。

「うわ〜!キレイ!ちょっと起きて起きて!」私はスッピンで朝から騒ぐ。


昨日、沖縄に着いた。私の住んでいる場所から沖縄には一便しかなく

2時間半かかって到着した。飛行機を降りると、体中から暑さを感じる。

これは気温のせいなのだろうか。

それとも「嬉しい」と思う気持ちから来るものなのだろうか。

PM15:00位に那覇空港に着き、そこからレンタカーで移動した。

友人Lの計画で進んだ旅行。

観光地を回っているうちに、日が暮れて 

リゾートホテルにチェックインしたのはPM11:30。

海が見れたのは、旅行二日目の今。


7階から見るこの風景は、

ボリュームのある大きな白い雲。真っ青な空とキレイな海。

下を見下ろすと、浜辺を歩いている観光客がいる。

ふと。「HAPPY BIRTYDAY TO ERIKO」と
砂浜に書いたメッセージを発見。

ここからでも
解読できる大きさである。しかも、

その下には失敗して線を引いた跡も発見。

ERIKOさんと言う方へのメッセージなのだろうが、彼氏は夜中に 一人で

このメッセージを書くために、
夜中 鳥目になりながら、

サンダルをよごし、足を洗った事まで

勝手に想像する私である。(←暇人?)

ああ。私がERIKOさんだったなら、良かったのにねえ。(←いい迷惑である)

なんて妄想をして 左を見ると

隣に泊まっていた女性と目が合う。「あ。おはようございます」とスッピンで私が言う。

「おはようございます^^」彼女も笑顔だ。それ以上の会話は交わさなかったけど

良い朝(GOOD MORNING?)ですね」と以心伝心で

通じていたと思う。・・・
そう言うことにする。


「あ〜。夏だなあ。」10月下旬でもこの青空と海を見たら、そう言うだろう。

・・・と、言っても朝は少し 肌寒いかも。私はカーデを羽織る。

浜辺には貝殻を拾う人や 風景をカメラに収めている人が10人くらいいる。

こうやって朝日を浴びて 波の音を聞いていると

昨日のハードな観光地巡りが嘘みたいに思えてくる。


深夜2時に眠りについて、睡眠時間は4時間。本来ならこの調子では

肌も体調も不調なのに ぜんぜん平気。これは旅行だからか?

神経が高ぶっているから 全てが麻痺しているのだろうか?

基礎化粧品は通常のモノより、ワンランク下ではあるが

化粧水を惜しみなく、つけたからなのか、肌の調子が絶好調。

吹き出物もない。吹き出物とは、心境や環境によって出来る、

ストレスの肖像なのだろうか?


いくら高い金をかけて 美容に費やしても

心が潤っていないと、肌はダメージだらけなのだろうか。

あの水面のような 張りのある肌になるには

コラーゲンたっぷりらしい 豚足を食べるのがいいのだろうか。

光輝く水色を見ながら、太陽に照らされたい。と思う私は

なんちゃってレースクィーン衣装に着替え、

このリゾートをバックに写真を撮ってもらおうと

心に決める。N子がベランダに出てきた。「スケッチするの」と言い

色鉛筆で海を描く。海が さっきより明るくなってきた。


化粧をして着替える。スケッチを終えたN子に

弟から貸りたデジカメを渡す。 どんな感じか撮影後、すぐに見てみると


素敵な背景に、浮いている私。季節はずれの女ではなく

場違いアホ丸出しの私が写っている。でも、良い。これも芸術である。

ポーズを決めていると「おはよ〜」とLがベランダに来た。

「やっと沖縄の海が見れたねえ!」


今日も晴れている。

この晴れた気分が、心を潤すのだろうか。

旅行とは、美容にいい栄養分を与えるようですね。



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