卒業アルバム


Mちゃんが高校時代の卒業アルバムを

引っ張り出してくれて、久々に

高校時代を見る事が出来た。

もう、かれこれ約30年前の卒業アルバム。

今時はアルバムではなく、DVDなんですってね?

すごい!なんてコンパクトなの!

それは保管するのにも場所を取らないし

持ち歩く時もラクだね。

卒業したての1年位って、新しい友達や

同僚などに一度はアルバム持って行って

見せ合いっこしませんでしたか?

今時なら、アルバムを持って行くのも

一苦労しないよね。だって今はDVDで

軽いんだもんね。

私らの時、卒アル重かったよね。


この分厚い本みたいなのが当たり前だった。


Mちゃんは私の一つ年下なのだが

私らの時のアルバムと配置関係や

撮影風景が同じだった。

同じカメラマンが撮影したから?

あと、どこで撮るかって決まっているのかもね。

私は1993年、Mちゃんは

1994年の卒業生だったから

男女とも当時のままの顔&髪型をしている。

そのせいで、一瞬「あれ?この写真の人達

私の隣のクラスの人だっけ?」と勘違いした。

みんな同じに見えるの。

Mちゃんは「これが当時の友人L。こっちが

〇△ちゃんだよ」と教えてくれた。


言われてみると、確かにそうだ。

1学年下の人達だった。

所で、肝心のMちゃんが、

私はなかなか見つけられなかった。

「あ!これMちゃん?なんか大人だね。

ソバージュ?」と私がやっと見つけて言った。

「ううん。ウェーブヘアー。姉が美容師になるため

実験台にされてた」との事。

ウェーブヘア、ソバージュと言う所がもう90年代。

しっかり時代を反映してるね。

だって約30年前ですよ!奥さん。

今みたいに情報が沢山あったワケでもないし

だってこの時、ケータイなんてそんなに普及してないし。

ポケベルがこの頃持っている人いたのかな?

持っていたら最先端を行ってたね!



そして女子のショートカットの人達は

アルバムを逆さまにしてみると(テーブルを挟んで

向かい合ってる為、反対側から見ている)

みんな同じに見える。

メンズも、何故かセンター分けが多く

2020年の様に

バラエティーに富んだヘアースタイルが

見当たらない。

ほとんど短髪の黒髪。

それと、一番ビックリしたのは女子は

肌ツヤが綺麗!ファンデーション付けなくても

こんなに調子よく見えるもんなんだね!?

さすが10代後半。こんなにも綺麗なんだね。

これが持前の天然美なんだね。


私は「卒業して27〜8年経つと

世の中も時代背景も変わるんだね・・」と

遠い目をして言った。

「うん。でも先生方の写真は今見ても

まだこのまま居そうに見えてくる!」とMちゃん。

本当だ。私らの時には居なかった先生の写真や

転勤になって映ってない先生の姿。。

このアルバムのページには

歳を取らない先生達の顔が沢山映っていた。

懐かしい。学校で人気ナンバー1だったS先生。

エレキギターが弾けて(←やっぱりこういう所が私にとって◎)

数学の先生で、母も私と好みが似てて「あの先生

カッコいいね」と言っていた。

とにかく硬派でカッコ良かった。生徒たちから見ても

ダンディーな大人の男性と言う印象。

ちなみに、一番若くてかっこいいH先生も

女子達に人気だったよ。

私としては、
年上過ぎて「彼氏になって欲しいタイプ」には

該当しなかったし
(この時は2〜3才年上が好きだった)

彼氏に困る事なかったの〜(←死ね!)と、今とは

正反対の人生だった。

でも、それって私だけじゃなくみんなそうじゃない?

だって学生って狭いながらも

いくらでも人がいるもんね。

友達の友達みたいな感じで、

いくらでも楽しい出会いあるじゃない。

カッコいい先輩や同級生も

多かったし、目の保養になった事多かったし。

もしかしたら

学校1、幸せな能天気学生だったかもね私。

暇さえあれば、恋、恋、恋、恋、頭の中

恋愛モードでいっぱいだった。


そのままアルバムを見ていくと

マラソン大会、(今考えるとゾッとする。)

文化祭、体育祭、合唱祭、合宿での

キャンプファイヤーなど野外活動。

当たり前の行事が、この歳になって

アルバムで観ると

「わああ!凄い!青春しているんじゃないの?」と

感動して見えてくる。

40代も半ばになると、この様な1年の

イベントと言うものは、参加出来るのが

大変少なくなってくる。


私が40歳過ぎて、ここ暫く参戦していたイベントは

「ハロウィン」位だ。
(これもある意味凄いかも)

今、学生のような体育祭やマラソンなど

私は参加したくないけど

クラスのみんなと一生懸命やった事とか

修学旅行など、これは本当に

この歳になってみると

心の財産だね。この時にしか体験できない

貴重な思い出だね。

青春の1ページそのままだね。

これが「当たり前」と思って高校時代を

過ごしたけれど、大人になって当時を見ると

「なにこの非日常的な生活!」と思えてくる。

きっと、現役高校生をやっていた頃には

「面倒」「かったるい」と言いながらも

参加していた行事もあっただろうけど

今になって思うと、「いいなあ。楽しそうだなあ」に

記憶が変換される。

これって不思議だね。


現役の時に見る教科書は、ウンザリしたけど

社会に出てから見ると、学校の教科書は

面白かったりする。

これって、視点が変わるから?

そこに生活(日常)がないから気軽になるのかも。

じゃなかったら、私だって学生時代もっと

勉強したと思う。

だけど、本当に勉強だけが学生じゃないよね。

色んな行事に参加したり、友達づきあいや

勿論上下関係もあったし、(先輩後輩)

そこに恋愛も加わったら、毎日楽しいよね〜。

小さな上下関係と、

ほぼ横つながりで悩めるだけ

悩める世代だったね。

だけど、卒業すると

「学校は小さい社会だったな」と思う。

社会ではないけど、学校卒業すると

もっと縦の社会を体験するでしょ。

付き合う世代も幅広くなるし。

二十歳くらいから、2〜3歳の差って

あまりなくて「同世代」になるし。

高校は、大人と言うのが先生と親位で

後は自分を取り巻く人達がほぼ同世代だし

その中で、一生懸命青春して過ごして


本当に楽しかったんだろうな・・と思う。

記憶だけじゃ曖昧だけど

視覚で当時を見ると(アルバム見て)

思い出してくるね。あの当時の

一番感受性が豊かなお年頃を。


そして最後のページは

卒業生の名前と住所、電話番号が書いてある。

勿論、この電話番号はケータイではなく

自宅の固定電話番号。

うわ〜。
個人情報ただ漏れだね。

今では考えられないよね。

この当時はまだ色んな事が緩かったよね。

またこういう所が時代を感じるわ。

だけどね、最後の最後の所に

卒業アルバムを作成した人からのメッセージが

書いてあってね

「大人になって、何か辛い事があった時


このアルバムをぜひ見て見てください。

きっと、みんなの笑顔から勇気をもらえます」

みたいな事が書いてあった。

うろ覚えなんだけど、確かこのような文章ね、

私らのアルバムのラストにも

書いてあったの。



今、別に辛い、悲しいと言う事もないけど

何気に観たMちゃんの卒業アルバムのお蔭で

凄いテンション上がってきたとは思えた。

さらに、学校の先生たちに会いたくなった。

こうして私とMちゃんは、

この当時の高校生パワーからエネルギーを

もらい、母校に行くのに

より背中を押してもらえたのです。



忘れた頃に、卒業アルバム

見て見ると、明日を生きるパワー

もらえるよ。これはおススメです。