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波長の合う人


その日の私は、トイレに行こうと売り場を離れた。

すると向こう側から、私の方を見て歩いてくる女性のお客様が目に入る。

斜めに歩いて私の方に近づいて来る。

私は何故か、視線を反らせない。お客様は私を「ジッ」と見ている。


そう、お客様は大変、個性的な方である。強烈なオーラが

出ている。ああ、何故?私を見ているのだろう?

私はニッコリ笑顔と、会釈を添える。すると、そのお客様は

「貴方、大変個性的ですね!!」


私に声をかけてくれた・・・

ちょっと待て!私は別に
特殊メイクや、舞台化粧をしていた訳ではない。


今、私は初対面のお客様と一緒に歩いている。

お客様もトイレに向かっているらしい。

歩く速度も一緒だ。通り過ぎる人達が、
何故か私達を振り返る。


やがてトイレ の個室から私が先に出る。売り場に戻る事を伝えると

「じゃあ、またね!」とドアの向こうから言葉を返してくれた。

なんだか、嬉しかった。


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