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揺れる思い


女子高生 愛美は17歳の暇な女の子である。

頭の中は
彼氏の事で一杯。彼氏の事だけで一日中、

悩んでいられる、おめでたい性格の持ち主である

こないだ、彼氏とケンカした愛美は、男友達の陽ちゃん事「陽一」の部屋に行った。

陽ちゃんのマブダチの「広君」も一緒だった。

「いつも遊びに来ると、
広君いるね」愛美は、また学校をさぼった。

「愛美ちゃんは彼氏の浮気が発覚する度、
の所に来るね」

三人でこうして話をするのが、日常であった。ゲーセンに行ったり

カラオケをして騒いで気を紛らす。

はしゃいでいる今のうちにメールが届いていたらいいのに・・


いつからだろう?彼氏よりも身近な存在。と愛美は感じる。

それは
陽ちゃんである。

陽ちゃんと二人で出かけたのは、何度目だろう?広君にはナイショだった。

愛美は、気持ちだけ二股である。どうしよう?

広君と三人でいるのが楽しかったのに、恋愛感情ヌキの友達だったのに・・

陽ちゃんは、私に触れる時、どんな顔をするのだろう?

そんな思いでメランコリー状態。授業のノートは
「陽ちゃん」で一杯。

陽ちゃんは、ちょっと手を伸ばせば手が届く。TOUCH出来る距離が好き。

陽ちゃん、陽ちゃん・・ 陽ちゃんが、欲しい・・。

そんな乙女心を綴った文字が並ぶ。

彼氏の事は、折れ曲がった隅の方のノートにチラっと書いてある。

相談相手が、いつの間にか好きになっていたの〜。良くある話である。

今日も午後の授業は上の空。窓から見える空は、とても青い。


彼氏の事も忘れかけていた頃、広君から電話がかかってきた。

広君は、どうやら愛美が陽ちゃんに恋してる事に気づいたのか?

しかし、話を聞くと「
陽ちゃん広君が好きな女が一緒」と言う内容である。

え?愛美はワケが分からない。
陽ちゃんは、彼女が出来たらしい。

「いつも三人で遊んでいたのに・・・」と
広君が言う。

三人と言うのは・・・。「隠さなくてもいいと思わないか?」と言う。

ちょっと待って。愛美は「
広君、勘違いしてない?」と言う。

いつも三人仲良く遊んでいたけど、愛美は彼氏と別れていないし、

陽ちゃんともこの頃、会ってない。

宙ぶらりんな愛美なんですが・・・と思った反面、
陽ちゃんが私を好き?

両思い?彼女になっちゃっていいの?・・て言うか、もうなってんの?

と、一瞬、目が輝いた。そして、「
陽ちゃん広君の好きな人が一緒」って・・・

私、二人を一緒に愛せない〜。ああ、どうしよう〜。

♪ケンカをやめて〜。私の為にもう争わないで〜。もうこれ以上〜♪

(愛美よ・・あんた本当に現役女子高生なのか!?いつの歌よ!?)

でも、彼氏ともハッキリ切れていないの・・・ああ、
愛美って罪な お・ん・な

すると愛美は
三角関係?いや、四角関係?

どれをとってもストーリー性があるものだ。

・・
広君も愛美が好きだったの?ああ、どうしよう・・・

すると
広君が携帯の向こうから一言。

「一人暮らしの女のマンションから、陽ちゃん一緒に出てきた」

・・・愛美は目が点になってしまった。
陽ちゃんの彼女って?

年上?一人暮らし?あれれれ?

愛美の知らない所で、陽ちゃん広君の世界があったらしい。

陽ちゃん
は、年上の女の彼女が出来たの・・・

だから愛美と遊ぶ時間なくなったの・・・

愛美は、三角関係にも四角関係にも発展せずに

事が運んでいた事に、今、やっと気づいた。

愛美がノータッチでいた現状に、やっと気がついた。

そして、気がついた頃、本命である彼氏から

メールが来ていた。

宙ぶらりんは、もう嫌。愛美はそう思った。

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