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AFTER DISCO


「家に着くまでが、遠足だ!」と言っていた小学生時代の先生の

言葉を覚えていますか?大人になってからも、この事は言えます。

「家に着くまでが、DISCOだ!」


貴方は、踊りの後はどうしてましたか?

飲みに行きましたか?カラオケでしたか?

私は「踊るのが一番の目的」でしたので、真っ直ぐ帰宅でした。

最終の電車を見送る事は、出来なかった。

仲間たちを残し帰宅する事もあった。

今回は、AFTER DISCOについてです。

踊り疲れた私は、静かなアーケードを歩く。赤信号で止まる私は、

自分の体の疲れを感じ、その場に、しゃがみこむ。


「今、仕事帰りですか?」私はその声に顔を上げると、

スーツを着た優しそうな男性がいた。

私は、仕事帰りではなく、踊り疲れである事を伝えた。

どうやらナンパだったらしい。

「お立ち台って、まだあるんですか?

なくなったのはジュリアナだけですか?」と言う。

信号が青になり、このまま駅に歩き出す。

男性と、私の向かう方向は一緒だった。

今日の私のお立ち台振りを、聞いてくれた優しい男性は、

私と同世代であった。

「ナンパされて、ついていったりするもんなんですか?」と聞かれた。

そんな事は、ない。


それにしても、そんな事しか聞かれないのだから、

今の私に
近づいてくる男性は所詮、その程度なんだ。


遊び人に見られたいくせに、「どうせ遊んでるんだろう?」と

言われると、悲しかったような。

10代半ば から後半って、外見と中身のギャップに

苦しんで過ごした
事のある人、多いんじゃないかな?

こうでありたい!と思う自分で、いられなかったり、

厚い化粧で心を隠してみたり。

「見た目と違うんですね」と言ってくれる男性が、

見つけられなかった。


でも、いい。今の私には「お立ち台」があるから。

楽しい仲間がいるから。

彼氏がいたら「踊りに行くな!」って言われて

楽しみが奪われてしまうかもしれない。

ホームで男性と別れ、疲れた私の足はガタガタだった。

こうして私は最終電車に身を委ね

目を閉じ、今日の楽しんだ時間を思う。

窓越しに夜景を見る。日付が変わっていた・・・

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