三重苦の悲劇


その日の私は、生きながら死んでいたのである。

事の始まりは、世間の3連休が終わった火曜日。

お昼ごはんが
おにぎり1個にヨーグルト1個で平気と言う

私にはありえない食欲だったのである。

けだるさと脱力感で、もう早く帰りたい。それだけだった。

帰宅しても夜ご飯は食べたくない。目の前にご飯があっても

食べれないと言う、恋する乙女の心境に近い物であった。

さらに夜は眠れない。恋ならどんなに嬉しい事か。

寝ると金縛りに合う。しかも吐き気もする。

それでも吐けない。トイレに行くと腹が下っている。

おまけに風邪がぶり返したみたいで、咳も出る。

生理のサイクル的に来る物なのだろう〜と思いながら過ごす。

しかし!通常モードの体ではなかった。寝たつもりでも

寒気がするわ、寒気が収まると今度は体が熱い。うをうをうを〜。

もしかして私は、死ぬのではないか!?

ちょっと眠れた時には空を飛び回る夢をみた。

なんとか目覚めてこの現状は何なのか病院に行く。




血液検査の結果、マイコプラズマが再発生。

これは免疫力は関係なしらしい。

さらに
流行のノロウィルスにも感染。これだけなら

まだ救われるものの、私は
生理痛まで来た。

これぞダブルパンチを通り抜け、トリプルパンチと言うのではないか。

もしかして、私はチャレンジャーなのではないのか!?

私はこの体に住む大腸菌やらマイコプラズマと

仲良くするつもりはないのだが

勝手に体を奪われ、攻められている。

男に攻められているなら許せるが!

何故ウィルスしかも2つも受け入れられたのか

自分が理解できない。私の体を乗っ取ったウィルスが許せん。

しかもどこでどう連絡をつけたのか

生理まで呼び寄せやがって!

今朝、腹が痛かったがこれは女性ホルモンからくる痛みと

女の勘がキャッチした。これはDEEPな痛みなので

大腸の命令ではない事は私でも分かった。

それにしても。生理痛の痛みはまだ可愛いもので

私の体の20%だけ占めたと言う判断が出来た。

どうやら痛み自体は、一度に二つも三つも

呼び起こせるスキルは持っていない
ようで

せいぜい出来ても、ひとつの痛みを

最大限有効活用させるくらいらしい。


過去に私はゲリPと、生理痛の同時進行を味わった事がある。

しかし、これは通常、女性なら誰にでもありえる現象で

私が
とくとくと語らなくても辛さは共感してもらえるものである。

しかし!今回は「痛みが2個で大丈夫なら

3個一気はどう!?」と

与えたれた過酷な痛みなのである。

この痛みを味わってネタにしているのである。

私は今、感染列島になっているのだろうか。

あの映画を見に行きたい。そういえば

昔、
「お父さんは心配性」と言う漫画で

「その痛みを忘れる為に、新たな痛みを作りましょう!」


言っていた話を思い出したが、あの話は理にかなっている。

本当だ。新しい痛みがあると、前の痛みが消えるのだ。

生理痛の痛みが、腹が下る事で消えた。

そうだ。関係ないが「癒される」のだってそうではないか。

痛みを癒す恋が、新しい恋だったりする事もあるではないか。

しかし今の私に愛も恋もない。あるのは痛みだけである。

I AM PAINである。

幸いにもノロウィルス、私にはトイレに行く、ピーゴロゴロ現象は

あまりなかった。それが
「不幸中の幸い」と言う物である。

売り場に居る時は、咳が出てマイコプラズマに気を奪われ

ノロと、生理を忘れられた。

布団に入ると、ノロパワーが巨大化して

生理痛とマイコが負ける。

素晴らしい三角関係だ。色を付けたら青か?

青い三角定規!?
これが青春なのか。ふざけるな。

私は今、とてもブルーなのである。病んでいるのである。



私は三重苦の苦しみを味わいながら

繰り返される日々を過ごす。

点滴が私を救う。医者は神様に見える。

「一週間、会社に行かないでください」と

ドクターに言われる。

感染病2つを掛け持ちしている私。

世間には披露できない菌を育成してきた私。

世の為人の為、引きこもりになる。

社会に復帰したい。ウィルスのお陰で

仕事がとても恋しくなった。

「健康は忘れた頃に害する」と言うが

本当だなあと思った。