テングワール攻略大作戦 その9 

あの方、おいくつかしら編の1


さて、ここまでわかってると、だいぶ読める。
まだやってない子音もあるけど、ここらでちょっと一休みして、ビルボの誕生パーティに遊びに行こう。ケーキだ、ケーキ!! 食べたら運動しないとサムみたいになるぞ〜

お、この紙は・・・・・? スピーチ原稿か?!

どれどれ・・・



ふむ。 何もわざわざ書かなくてもいいような気もするけど。

さぁ、みんなが紛れ込んだこのパーティ、ビルボのいくつの時のものなのでしょう?

下の表を見ながら読んでみよう! テングワールの数字を書くときは、右側が大きい桁になる。左から書くんだけど、小さい桁から順番に書きます。だから21世紀風には右から読めばいいわけ。
わかる? だから並び方逆なのさ。123って書いてあったら、321ってこと。
上の紙に書いてあるのに点がついてるのは、これは数字ですよ〜っていう意味です。
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11























はい、読めた?

って書いてあるんだから、3と9。 で、右から左に読むから、93。

ということで、ビルボが93歳のパーティなのでした!!

いやぁ、おいしいケーキだ! 

おぉ、聴いてないうちにスピーチもそろそろ終わりらしい。

「では皆さん、さようなら!」 
シュッ! (←映画)  ピカッ!(←原作)

き、消えた〜〜!!

なんで? 
ここで消えたら話が変わっちゃうじゃないか! ビルボが消えるのはまだまだ先の話じゃないか!

いえいえ、いいんです。
ビルボは93歳のときに、誕生パーティを派手にやって、みんなの前で指輪を使って消えて、ガンダルフに怒られて、フロドに指輪を譲って、出かけたのです。

なぜか? 111歳のときじゃないのか?

そうだよ。
ビルボは、111歳のときに、誕生パーティを派手にやって、みんなの前で指輪を使って消えて、ガンダルフに怒られて、フロドに指輪を譲って、出かけたのです。

??????????

これはどっちも正解なのでした。

111歳は、10進法での書き方で、93歳は12進法での書き方。 111を12進数に直すと、93になる。

テングワールでは12進法も使うんだよ。だから、上の表は数字が11まであるの。普通は10進法だから、9までしか字がないでしょ。

12進法って、結構いろいろ使ってる。1ダース、って12でしょ。それが12あると1グロス。
時計も12だしね。
イギリスでは12進法って、割りと最近まで普通だったんだよ。お金の数え方、12進法と20進法が混ざってた。(1971年まで) 
だからちょっと前までの小説とかだと、その計算で出てくる。1シリングは12ペンスとかね。20シリングで1ポンド。ってことは1ポンドは240ペンス。1ギニーは21シリング。4クラウンで1ポンド。わかんなくなる。(^^;)
だからつまり、1クラウンは60ペンスで、つまり5シリングで、それに5ポンド足すと5ギニーになる。わ、わかんない・・・(^^;;)

今は10進法に統一になって、ポンドとペニーしかない。ペニーってペンスの単数ね。1ポンド=100ペンス。それだけ。
なんかつまらない気もしなくもないな。そりゃ、グワはそろばん出来なくて暗算苦手だから、上のみたいにややこしい状態だと買い物に行ったら絶対間違えるけどさ。でもややこしいのも古き良き時代って感じでいいなぁ、とも思う。
この12だの20だの21だのっていうのを知ってると、ホームズとかポアロとか読んでてお金の記述が出てきた時、どうしてそういう払い方になるのか読んでてわかるからちょっと楽しい。

12って、きっちり割れる数が多いから、昔は10より12の方が使いやすかったんだよ。分数、小数がいらないからね。10だと、2か5じゃないと割れない。12なら、2、3、4、6で割り切れて便利なわけだ。だから時計は12に分かれてて判りやすい。

ビルボのパーティのところでもダースとかグロスが出てくる。もう一度読み返してみよう。

で、ミドルアースでは、10進法も使うけど、12進法も使うのでした。
古き良き時代のイギリス人のトールキン先生にとっては、12の単位で数えるのは別に珍しくもないことなのでした。

で、テングワールの数字はどっちでも使えます。

数字の上に点をつけると10進数だぜベイビー、ってことで、下につけると12進数なのよアナタ、ってこと。右から左に読むのはどっちも同じ。
たくさん数字が並んで点々つけるのが面倒なときは、横線引いてもOK。その方がわかりやすい。
10進数では上に、12進数では下に引く。
12進数では、12の桁のところは点でなくて小さい 。 をつけたりもする。
要するに、点・にしろ、棒ーにしろ、丸。にしろ、何かついてて、それが上なら10進数、下なら12進数なわけ。 つまり、 。は上にはつかないわけだよ。12進数のときに使うこともあるだけだから。
数字か普通の字か紛らわしくないときは、点々も棒もなくてもよし。グワは棒引く方のが好き。点々はめんどくさいもん。

テングワールで10進法式で111と書くと、
となります。

これを間違えて
と書くと、12進数の111ということになって、10進数に直すと157ということになる。

「今日はわたしの157歳の誕生日だぁぁぁぁぁ!!!」 

それもすごい。

この数字の書き方は、追補編とかには載ってない。クリストファーさんがお父さまの書いたのをまとめたのが昔、印刷物になってたらしい。問い合わせたけど、今は手に入らないんだって。で、それがトールキンファンの間で伝えられて、今はめでたくフォントにも入っている。いいことだ。(^^)
どんなのか見たい人はこちらの6ページ目にあります。ちょっと見づらい。こっちの方が見やすい。でもこっちは例で7が抜けてるところがある。
読んでみると、エルフは10進数も12進数も使って、ドワーフは12で、人間は10だった・・・そうだ。まぁ、指輪戦争の頃は種族はごちゃ混ぜで行動だったんだから、みんなどっちでも分かってたんだろう。

話変わって、ローマ数字の場合は、あれは10進数で使うのが前提で、1がT、5はX、10は]。 12は、]Uとなる。50はLで、100はC。これがずらずら並んで数字になる。5と10の単位で文字が決まってるから、指で数えやすい書き方だ。やっぱ10進数御用達の数字なのだ。

話戻って、テングワールの数字は、12進法で書きやすいように、というか、考えやすいように出来ている。
123、456、789、って具合に3つずつ形が分かれている。だから10進法ではパッ!と見たときにわかりにくい。

1、2、3は、かんたん。

4は長い棒になる。先は右に向ける。それに1を足して5、そして2を足して6になる。

7も長い棒。先は左に向ける。それに1つ弓線がついて8、そして2本弓線がついて9になる。

 そして、10と11。 12になると、一桁上がる。


3つずつ、まとめて覚えてね。


さて、項目として並べるときの話。

1 なんたらかんたらがどうのこうのである。
2 どうたらこうたらがなんのかんのである。
3 だれそれがどうしてこうしてだったのである。
4 どこそこでなにがああしてこうしたのである。

・・・とかってするときには、

A なんたらかんたらがどうのこうのである。
B どうたらこうたらがなんのかんのである。
C だれそれがどうしてこうしてだったのである。
D どこそこでなにがああしてこうしたのである。

・・・って書くじゃん。
テングワールもこんな感じで、数字じゃなくて、普通の字で書く。
こういうときには上に点をつける。線引いてもいい。数字のときと同じ感じ。
だからつまり、

 なんたらかんたらがどうのこうのである。
 どうたらこうたらがなんのかんのである。
 だれそれがどうしてこうしてだったのである。
 どこそこでなにがああしてこうしたのである。

・・・って風にする。
追補編に字の表が載ってるでしょ。番号ついてるよね。その順番で使う。
が1番目で、が2番目。 24まで使える。
24までが似たような形で覚えるのが面倒な字で、それ以下は違う形で追加文字なわけ。
で、こういう使い方するのは24まで。
24って、こういうところにも12単位って考え方が出てるのかもね。


じゃ、数字読んでみよう!
火縄くすぶるフランス革命。
行くよ一発真珠湾。
東洋の国と思ったコロンブス。

さて、上の数字は何て書いてあるんだろ。 って、横に書いちゃったけど。 ははは。

じゃ、一応恒例の矢印を。

































1789年、火縄くすぶるフランス革命。
1941年、行くよ一発真珠湾。
1492年、東洋の国と思ったコロンブス。アメリカ大陸発見。

え、1492になってない? なってるじゃん。下線だもん。12進数で書くとそうなる。計算してみよう!


はい、それで



1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

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