映画ロード・オブ・ザ・リングの日本版DVDには、映画公開当時、いろいろオマケがついていた。3作目のSEEが出てからしばらくしてオマケのキャンペーンは終了。もうオマケはついていない。

1作目についていたのはパスポートだった。映画公開時や、その他いろいろのイベントの時、スタンプを押したりして遊べた。まぁ、イベントがあるのは大抵首都圏で、田舎者の鷲としてはなかなか参加は出来なかったから、スタンプもそんなに押せなかったけどね。
それでも、これは指輪ファンとしては、なかなか思い出が詰まったもので、1作目のCEが出たときに手にしてから3年近く、それなりに大事にしていたのだ。


←うちにあるのはこれ。
左の赤茶のがドワーフ、右の青が人間。
中は、地図とか用語集とかが完備(???)されている。

CEにもSEEにもついていたから、大方のファンは2冊持っている。
パスポートは、ホビット、人間、エルフ、ドワーフの4種類でそれぞれ表紙の色が違い、中のページには、アラゴルンはAGとか、サムはSMとかってイニシャルが入ってる。

文句を言うとすれば、種族がその4種類しかなかったことかな。どーして鷲がないのさ!!!と思うわけですよ。イスタルもあってもよかったかもしれない。

グワは両方ともドワーフのギムリで、どーせ鷲のがないから誰のでも同じだし、ギムギムは可愛いから結構気に入っていた。その後、てなぁさまが取り替えっこしてくれて、アラゴルンのをゲット♪

で、TTT公開の時、このオマケを忘れず持って、わくわくして行ってみたら、田舎の映画館ではスタンプは置いてなくて、「すいませんっ!スタンプがあるはずなんですけどっっ!!」と映画館のおばちゃんに詰め寄り、話題のスタンプはおばちゃんがそこら辺を引っかき回してやっと出てきた。そして、おばちゃんの連れ合いらしいおじちゃんがごそごそと出してきたスタンプ台は、なんか古くて、インクがあんまりなくて、押したのがかすれ、その一部始終は周囲の注目の的となり、スタンプ押してたのはグワだけで、なかなか目立ってた。

RotKの時には、今度は田舎にも少しはましな今風のシネコンが出来、若者のスタッフがいるようになり、スタンプはちゃんと用意されていたけれど、やっぱり押していたのはグワだけで、あの鷲は一体何をしているのかと、ずいぶんじろじろとみんなに見られ、前年度かすれたから今度はしっかりインクをつけて、むぎゅっと思いっきり押したらインクが付きすぎでにじんで、コンプページは下のようなことになっている。
その右はDVDのクーポンを切って貼ったやつ。その右のは、コンプすると最終ページに貼ってもらえたやつ。

ま、とにかく、FotRが公開されて、原作と映画はいろいろ違ってて、この先一体どう進むのか全く先が見えず、一年、また一年と経ち、TTT、RotKと公開が進み、指輪がどんどん有名になり、世界中が沸き、指輪の友が増え、そんな3年間、いや4年間の映画の歩みについてまわったパスポートだった。

映画館にも行ってDVDも全部買うと特製DVDが貰えますよ〜☆、ということで、企画側としては、それで釣ってCEもSEEも全部買わせようという魂胆だったのは見え見えだったけど、ファンはそういうことでなくてもどうせ全部買うんだし、販売数はほとんど変わらなかったんじゃないかな。

うん、これはなかなか面白い企画だった。公式サイトでも登録していろいろ遊べたしね。

あ、それから、名前を書くところの姓が、性になっている。うはははは・・・!担当者出てこい!! まぁいいか。面白いし。
でもこれは関係者が気づいたのか、誰かに指摘されたのか、ちゃんと姓に直っているのもある。なんだつまらん。 たぶんパスポートキャンペーンの後期に発行されたものが直ってるんだろう。
さー、パスポート持ってる人は、自分のを見てみよう! キミの苗字は性か?姓か?(^o^)

それから、公式サイトでは、その名前のページに自分の写真を入れてプリントして貼り付けるのを作ることが出来た。
まじめなぐわたんはちゃんと作って貼りましたよん。↓


ね、いいでしょ。(^^) へへへ

この貼り付け用のも、苗字は性じゃなくて姓になってる。なんだつまらん。

自分の種族はパスポートの種類にかかわらず選べたんだけど、やっぱり鷲はなくて、仕方がないから何となくホビットにして、性別のところに大鷲と入れました。

それで、そのパスポートには、その名前を書くところの下に何やらテングワールが並んでいる。
で、そのテングワールは何と書いてあるのかな〜〜、ということで、読んでみたいと思います。

さぁ、パスポート持ってる人は出して見てみよう!!
テングワールね、字がね、ちっちゃいわけだよ。こんなちっちゃいの、読めるもんか!ってくらい小さい。

で、スキャンして拡大してみました。

パスポート自体に印刷してあるのと、貼り付けプリント用のに書いてあるのは同じ。はず。なのですが。 ちょっと比べてみてください。
行はそのままにしたいので、横にびよよよーんと長くて、よっぽど、すんごくおっきなモニタを使ってる人でないと横スクロールバーになっちゃうから、別ページにします。横スクロールして見てね。

こちら

はい、見てきました? 

じゃ、その途中もちゃんとつなげて、読んでみよう!!

これがすらすら読めるのか〜、グワイヒアはすごいな〜、と思った皆さん、そうカンタンに人を、いや、鷲を信用して、感嘆してはいけません。世の中、うたぐってかかるのも大切です。
何が書いてあるのかは、その名前を入れるページの上の、The Lord of the Ringsのロゴの下にある英文そのまんまです。 まんまだから、カンタンなのさ。 がはははは(^o^) 
っていうか、英文が書いてなかったら、このテングワールは意味不明のまま終わってたかもしれない。なぜなら、「は?」 「え゛?」 「ん?」 「およ?」 「ふぎゃ!」 ってことになってるからです。これだけだと、きっと読めなかっただろうな。
詳しくは次ページ。

で、とにかく、
His Telcontar Majesty's Secretary Requests and requires in the Name of the King Elessar all those whom it may concern to allow the bearer, as a people of the Middle-earth, to pass freely without let or hindrance, and to afford the bearer such assistance and protection as may be necessary, insofar as the bearer should venture upon the journey in the Middle-earth in company with the Fellowship of the Ring.

と書いてある。ながーい。

ここでひとつ文句を言うと、ミドルアースに the はつかない。そういうもんなのだ。覚えておこう。

で、日本文では、これが短くなって、「中つ国の諸民族である本旅券の所持人を通路故障なく旅行させ、かつ、旅の仲間と共に中つ国を冒険できるよう、関係の諸官に要請する」となっている。
前半の「テルコンタール国王陛下付きのお役人さんは、エレスサール王の御名において」っていうのが省略されている。どうして略したのかな。1作目じゃまだアラゴルンは馳夫さんで、エレスサール王じゃなかったからかな。話を知らない人も多いし、旅の仲間の時点で、これを書いちゃうと、すんごいネタバレになるもんね。ネタバレというか、エレスサール王って誰?ってことになる。

中高生の皆さん、なんで「His、彼の」で始まるのかというと、これは敬称の言い回しでつくもので、His Majestyって、日本語の陛下にあたる敬称で、女王さまなら her がつき、両陛下なら their がつき、「陛下!」って本人に呼びかけるときは、Your Majesty になる。
His Highness だと、殿下。 His Excellency なら、閣下。
要するに直訳すればそれぞれ、His Majesty 彼の王者たる尊厳、His Highness 彼の高潔さ、His Excellency 彼の優秀さ、とかって言い回しで、お名前を直に呼ぶのは畏れ多いのでこういう言い方をする。だから、Your Excellency!って呼ぶのは、貴方の素晴らしさよ!ってことになって、敬称になるわけだ。
こういうのは、Your Worship とか Your Grace とかいろいろあるから、興味をもった人やドワーフやホビットやトロルやナズグルさんは調べてみよう。
ちなみに、臣民は、Secretary じゃなくて、His Majesty's Subjectsとなる。
HMSは、Her Majesty's Shipsの略で、英国軍艦のこと。だから、His Majesty's Shipsの略で、ゴンドールの船のことでもある。アラゴルンが分捕って、アンドゥインを遡ってハルロンドに着いた海賊船のことでもあるのだ。うーん、面白い。映画で海賊船が出てきたら、HMSだ!と叫ぼう。


映画公開が終わってから指輪ファンになった皆さん、公開当時はこういうオマケで、皆、遊んでいたのです。(^^)


では、解読の前にテングワールの話をどうぞ。 


グワのパスポート テングワールの話 読んでみよう1 読んでみよう2


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