さぁいよいよ、バラヒアの指輪のページ。
ここがあったから、前のページも読ませてもらえたのだ。感謝感謝。
しかしこのシーンのメインであるはずのこのページ、
スクリーンに映るのはこのくらい↓で、全部は見えない。
特典ディスクではページ全体がとりあえず映されるけど、イマイチピントが合っていないからよくわからない。
とりあえず、わかるところだけでも読んでみよう!
ってことで、読んでみた。
絵の上、Felegnd って何だい・・・・?
Felagund、だよな。たぶん。間違えたんだろう。
絵の下はこれでOKのはず。
グワイヒアはこれをスラスラ読めるんだなぁ、と感心した皆さん、そういうわけでもないのでご安心ください。(^^;;)
シルマリル本に書いてあるの、ほぼそのまんまだから、読める。第19章。
For this ring was like to twin serpents, whose eyes were emeralds, and
their heads met beneath a crown of golden flowers, that the one upheld
and the other devoured; that was the badge of Finarfin and his house.
テングワールをなんとなく眺めて、読めるところがあって、あぁこれはたぶんあの文だな、と思って本を開くと、おーやっぱり!これこれ!これやねん!となり、あぁこの字が
w なわけだ、とかいうのがわかって、どういうパターンなのかが見える。
で、初めが the になってるだけで、これこれ!
だから、1行目のserpentsの次のよく見えないところは、whoseになってるはずだ。whの字であろうものが見えるし、oのテフタもある。
ここではエメラルドの複数のsは見えないけど、たぶん書いてあるだろうな、とかね。
で、絵の上の文字列、フェラグンドの前は何と書いてあるのか?
この本が登場するのは二つの塔なんだけど、旅の仲間のSEEの特典ディスクに、ページ全体が映るところがある。
特典ディスクの1枚目→中つ国 デザインと構築→デザインの創造→トラック7、アイゼンガルドの作り方のところ↓
しかし、ピントがちゃんと合ってないんだな、これが。
で、指輪の絵の上をよっくよっくよっく見ると、
こうだな。たぶん、これでいいはず。
つまり、
The ring of Barahir and Felegnd となります。
しかし、Felegnd は、
|
ではなく、 |
|
正しく点々を載せるとこうなり、 |
|
っていうか、こうだろうな。ほんとは。 |
閉塞音の n は、〜だし。
でも、映画のダニエルモードは、この字はこれ!って決めたら、どういう場合でもそのままそれを使うという方針らしい。だから、n は〜にはしないんだろう。
するときもあるんだけどね。並べ方によってパターンが変わるの。クウェンヤみたいに母音が真上に進むときは、〜を使う。
ま、つまりここのダニエルモードでちゃんと書くと、上の2番目になり、
トールキンモードで書くと、3番目になる。
何にしろ、Felagund、が正しい。
Felagund って誰? っていうか、誰以前に何?って人もいるかもだけど、わかんない人はシルマリル読んでね。フィンロド・フェラグンド。手っ取り早く、とりあえずでいいなら、ここに少し書いてあるよ。
それから、of は、トールキンモードでは、ではなく、と書く。
ダニエルさんは、the はトールキン式ににしてるけど、of はにしていない。これはダニエルモードの特徴のひとつ。
ここではシンダリン式のように並べてて、クゥエンヤ式の重ね方だとまた変わるし、ダニエルモードでもいろいろあるんだけど、ここでの書き方ではになる。
それからもうひとつの特徴もここに出てくる。 h が、普通のでなくて、になっている。
ダニエルさんは、点つきモードの場合、を H として使ったりする。
よく見えないのに、じゃないかもしれないじゃないかと思うかもだけど、この前のページのシーンは字がハッキリ読めて、h
がになってるし、他にも例がある。他ってどこ?! ほらこことか。
サルマンさまの本でもじゃないのは確かだし、よーく見ると、やっぱだな。
ダニエルさんは何かこだわりがあるらしい。
どんなパターンでも、H は普通はなのさ。 ダニエルさんもの字を使うときもあるけど、を H にするパターンがあるのは、ダニエルモードの特徴だ。
ということで、あのページは、「バラヒアとフェラグンドの指輪」というタイトルで、図解してあったのでした。
で、絵の下の説明文はどうなってるのか?
ま、上でも言った通り、下の文↓なんだけどさ。シルマリルの物語、第19章。邦訳本なら289ページ。ベレンがルシエンちゃんをくださいと言って、シンゴルが怒って、ベレンが「これが目に入らぬか!」と印籠を・・・じゃなくて指輪を見せる。一同は、はは〜〜っ!と平伏し・・・ないんだけど。
とにかく、そのシーンで出てくる指輪の説明文が、ほぼそのままサルマンさまの本に書いてある。
For this ring was like to twin serpents, whose eyes were emeralds, and
their heads met beneath a crown of golden flowers, that the one upheld
and the other devoured; that was the badge of Finarfin and his house.
初めのFor this が、The になってる。
ピンボケになど負けていては生きていけない。 読んでみよう!
1行ずつ。
The ring was like to twin serpents, whose 〜
指輪は、2匹の蛇で、それでその〜
ここは映画のシーンでハッキリ見えるところだから、バッチリ。でもあそこではserpentsまでしか映らない。
whoseは、映画では、これだけ見えた。
それと、このなんだか読めないピンボケとを合わせて考えると、こうでいいんだろう。
like とか whose とかの下に ・がある。
・は、上につくと i だけど、下につくのはeになる。
それから、トールキンモードで書くと、twin は、
|
ではなく、 |
|
となる。 |
そーゆーもんなのだ。
シンダリンとか英語の点つきモードの場合の読む順番は、と斜め斜めに進むのだけれど、このw、「〜ぅ〜」って音が挟まるときは、斜め右に書かず、真っ直ぐ上に書く。
だから順番は、そこのところだけとなる。逆に上に戻るのさ。
他の普通の点が載ってる場合、そこは普通の順番で進んで、上へ戻る。とにかく戻る。
たとえば、これだと、
左から進んできて、はとりあえず放っておいて、a のテフタから下の子音に行って、それから上のに戻って、あとは普通に進む。
でもダニエルモードでは、出来るだけ単純に書くようになっているらしく、こういう書き方はしていない。
このページのダニエルモードでは、w が2種類出てくる。
か 、 か。
どっちも、追補で w ですよと書いてある。は子音になるときでどうのこうの・・・
トールキンが書いた英文テングワールの中では、点つきモードではのwは見当たらずがw。
点なしモードではが w になっている。
ここでは両方出てくる。
was とか were とかでは。
crown とか flower では 。 ま、その部分はハッキリ見えないんだけど、でもには見えないからだろう。
be動詞と、その他普通の名詞と分けてるのかもしれないな。でも、ここの前のページではbe動詞じゃなくてもが出てくるんだよなぁ・・・ 語頭のwとか、途中でも前が子音だとなのかもしれない。ってことにしとこうか。
じゃ、次、2行目。
eyes were emeralds, and their heads met beneath〜
で、その目は全部エメラルドで、その頭と頭が出会うのは〜
しかーし! beneath になってない。 どう読んでも beneath にならない。次の行と続けてunderneathかなと思う。でも、under
の d の上に何かあるんだよなぁ・・・
?のとこね。謎です。
とりあえず、beneath が underneath に書き換えてあるんだろう、ということにしよう。
3行目。
〜neath a crown of golden flowers, that 〜
金の花々からなる一つの冠の下で、
で、前の行からunderの続きで、neath。 ほんとかよ!って感じだけど (^^;;)、そうでないと文がつながらない・・・ a
のテフタは載ってるよな・・・もわもわっとした感じが他のa と同じだから。
で、次は a だよ。うん。
ゴールデン以降はちゃんと見える。
それから、母音を載せる棒、短いのでなく、長いのを使う傾向にある。ま、長めに書いた方が見た目のバランスは整いやすい。
さぁ、もうちょっと。
ここはほぼ確実。
one upheld and the other devoured; that was 〜
片方は支え、もう片方は食いついている。で、それは〜
でも、oneの前にtheがあるはずなのさ。 ないね。飛ばしちゃったみたい。
いよいよ最終行!
the badge of Finarfin and his house.
フィナルフィンとその家系の紋章であったのだ! おわり♪
うん、ここもこれでいいはず。ボケてても大体読めるし。原文通り。
フィナルフィンって、ガラさまのパパ。
フェラグンド、つまりフィンロドはガラさまの兄ちゃん。
あー読めた読めた。よかった。(^-^)v
ということで、サルマンさまの蔵書には、歴史的文化遺産、重要文化財、国宝指定のバラヒアとフェラグンドの指輪の図説があり、しかしその説明文と絵はいまひとつ一致していない。(爆)
金の花々の下で出会って、って感じじゃないよなぁ。その花の冠はひとつなんだし。真ん中の大きな石の説明もないし。
映画で使った指輪のデザイン、原文通りじゃないからねぇ。
サルマンさまの本は・・・古文書なんだろうから、多少矛盾があってもいいんだろうけどさ。
でもあれって、誰が書いた本なんだろ。サルマンさまはどーしてあれを持ってたんだろ。
サルマンさまがミドルアースに来たのは、ベレンの時代よりずっとずっと後だし。
あれは、大河ドラマ「ベレンとルシエン」のノヴェライズ版なのかもしれない。実はベストセラーなのかも。サルマンさまは、毎晩あれを読むのが楽しみなのだな、きっと。 ああ見えて、恋愛冒険活劇が好きなんだろう。自分がベレンになったつもりで、夢中になって読んで、気がつくと朝とか。
そしてエレギオンのことや、エルフの指輪が欲しかったサウロンさんの話もあって、ちゃんと歴史のお勉強も出来る。なんと素晴らしい!
サルマンさまはどのページが好きなんだろう。やっぱ、らぶらぶの話だろうか。
そんなサルマンさまのお守りをする周りのオークたちも大変なのだ。オークの皆さんは、がんばっている。オークの皆さんがいないと指輪物語は成立しない。感謝感謝。
アイゼンガルドを切り盛りしている配下のおかげで、サルマンさまはゆっくりと読書に浸り、どの本のどこに何が書いてあるのかしっかり把握出来てて、グリマの報告にも瞬時に反応して、あのページを開くことが出来たのでした。
・・・と、いろいろなことがわかる、ひじょーに素晴らしいシーンでした。(^^)