シンベルミネ 〜 忘れじ草
ローハンの陵墓に咲く花。
四季を通じて咲く。小さくて白い。

古英語で
simbel シンベルは、always, continually いつも、ずっと
myne ミネは、memory, remembrance, love, affection 想い出、愛
を指します。
だから、シンベルミネは「いつまでもずっと心の中にいて、想い続ける」という意味。
Evermind とガンダルフは言ってる。

マークの王の陵墓は系列ごとに並んでるんだよ。
第一家系の塚が9つ、第二家系の塚が8つ、第三家系はどこまで続いたかわからない。

ガンダルフたちがエドラスに着いたとき、アラゴルンは左に7つ、右に9つの塚があると言う。
えー、数が違うじゃん! そうです、まだこのときはセオデンは生きてるから、7つなのでした。

家系が分かれてるのは、王さまの跡継ぎは普通息子がなるけど、直系が死んじゃってたりすると、甥っ子が継いだりするからです。
第一家系はヘルムで終わる。ヘルム峡谷の名前になったヘルム。息子も戦いで死んじゃったんで、妹の子が跡を継いで、第二家系が始まる。

で、第二家系はセオデンで終わる。セオドレドも死んじゃったから。それでセオデンの妹の子のエオメルが跡継ぎになって第三家系が始まる。

ということで、家系ごとに並んでいる塚山にシンベルミネは咲いてます。雪のように見えるのです。
エオル王家の歴史、シンベルミネの意味をふっと考えると、本読むときも映画観るときも、ちょっと気分が違うと思うよ。

緑の中に白って、すごくきれいだよね。
ずーっとずーっと平原が続く中、白い小さな花が塚のところにたくさん咲いてる。

種が飛んでって、そこら中に増えていくんじゃなくて、塚のところにかたまって咲く。

アセラスもエラノールもシンベルミネも、トールキンの世界の植物は、自分の役割をちゃんと心得ているのでした。

なんか、そういうのって、つまり自分の役割って、人が生きていく上でも大切だと思う。
あ、グワイヒアは鷲ですが。 はい、鷲の人生においても。 いや、鷲生か。




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