剣とミスリルの胴着
裂け谷から出発する前に、ビルボはフロドに剣と鎖かたびらを渡します。
剣は、オークが近くにいると光るから、警戒警報となりますし、銀色の胴着は、剣や矢も通さないもの。ま、防弾チョッキみたいなものだと思えばよろしい。
これは何なのか、なぜビルボがこういうものを持っているのか。

まず、剣の方。
この剣は、Sting といって、ビルボが昔ドワーフと冒険に出たときにやっつけたトロルの洞穴で見つけたもの。トロルたちは、分捕った宝物を貯めこんであったのです。日本語の訳書では「つらぬき丸」となっています。
これは、ずーーーっと昔の第1紀、エルフの都、ゴンドリンで作られたもの。指輪の旅は第3紀。
また、Stingがあったトロルの岩屋で、ガンダルフもグラムドリングという名剣を手に入れ、指輪の旅のときにも持っています。これも同じくゴンドリン製でゴンドリンの王が使っていたもの。でも映画ではグラムドリングという名前は出てこないな。

ビルボはドワーフとの冒険で Sting を使って活躍をし、竜のスマウグの住む山まで行きました。スマウグは、昔ドワーフたちが住んでいた離れ山を奪い、宝を奪い、宝を見張りながら棲みついているのです。いろいろあった末にスマウグは退治され、ビルボは宝物の中からその昔ドワーフが作ったmithril coat (ミスリルの鎖かたびら)をもらいます。そして冒険の旅から帰ってきてから、鎖かたびらはMichel Delving (大堀町) のThe Mathom-house(マソム館、博物館)に貸し出してあったのですが、例の誕生パーティの後で旅に出るときに取り戻して持ってきたのでした。大堀町は、Shire(ホビット庄)の主都。都ってほどでもないけど、要するに役場があるところ。博物館にはホビットたちが集めたものが展示してあるのです。

ちなみに、micelというようなスペルがつくと古英語で大きいということだそうで、delveは掘るということ。だから訳書ではMichel Delvingは大堀町になっています。
Little Delving、小堀村というところもあります。

さてこの鎖かたびらは、ミスリルという金属で出来ています。ミスリルとは、銀のようなものですが、普通の銀とは違っていつまでも美しく輝きつづけます。とてもしなやかで、どんな細工でも出来、その一方でとても強いのです。軽く、鋼よりも硬く、黒ずむことのないミスリルはモリアで採掘され、Truesilver 真の銀、Moria-silver モリア銀とも呼ばれます。

剣も胴着もビルボにとって大切な冒険の思い出の品です。それを譲り受けてフロドは出発。
モリアでトロルに一突きされたときも、ミスリルのおかげで命拾いをします。
みんなはフロドがmithril coatを着ているのを知らないわけ。だから死んでしまったと思うわけ。
原作では、モリアを脱出してしばらく行ってから、傷の手当てをするために服を脱がせて、みんなは息をのむのです。
映画では、その場で、こんなの着てたんだ!と種明かしがされてましたね。





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