森のエルフの王子さま
レゴラスとは何者か。
エルフって、何とか族、何とか族ってあって、ミドルアース初心者にはよくわからない。

映画でロリアンを出立するとき、レゴラスはガラドリエルから弓をもらいます。
My gift for you, Legolas, is a bow of the Galadhrim, worthy of the skill of our woodland kin.
わたくしからの贈り物ですわ、レゴラスよ、ガラズリムの弓ですわ、森の親族の技にふさわしいものですわ。

この woodland とはロリアンの森じゃなくて、もっと東にある大森林。
昔は緑森大森林(Greenwood the Great)という名前でしたが、その後、サウロンが一時期南端に住みついた影響で闇の森(Mirkwood)となります。

レゴラスはそこの出身で、森生まれの森育ち。

そこの森のエルフはシルヴァン・エルフと呼ばれ、意味はそのまんま森のエルフ。

二つの塔で、アラレゴギム組が走った末にエオメルたちと会ったとき、アラゴルンがレゴラスを紹介するセリフ。
映画 Legolas from the Woodland realm.
原作 Legolas from the Woodland Realm in distant Mirkwood.

森の王国のレゴラス。
レゴラスは森のエルフの王子さまだから。


さて、大昔、エルフはミドルアースのずーっと東の方で生まれ、西へと移動します。移動の途中、霧ふり山脈を越えずにその辺りに留まって森の住人となったのがシルヴァン・エルフ。

山脈を越えて、もっとずーっと西のベレリアンドという地まで行ったシンダール族というエルフもいる。

このシルヴァンエルフとシンダール族はどちらもテレリ族で、親戚なのです。同じ「シ」で始まって似てるし、わかんなくなるよね。

西へ西へというフレーズはよく出てくる。その西の海の彼方のヴァラールの住まうヴァリノールへ行ったことのあるエルフは上のエルフと呼ばれます。ノルドール族というグループはその西へ行って戻ってきたから上のエルフ。ガラドリエルもその1人。

シンダール族は海を越えたことがないから上のエルフじゃあない。でもシンダールの王のシンゴルは、ヴァリノールへ行ったことがあって、その王さまの影響でシンダールの民はレベルアップ出来た。それに加えて、というか、こっちの方がすごいことだけれど、その王さまのお后のメリアンはマイアで、つまりガンダルフとかと同じレベルの高い存在で、そのおかげでシンダールの民はますますすごくなれた。

ベレリアンドというところは、上のエルフのノルドールも戻ってきたし、そこでいろいろゴチャゴチャありまして、シンダール族は上のエルフやらマイアやらと普通に関わっていたわけです。
シルヴァンエルフは、山脈の反対側でそういうこととは無縁で、それもベレリアンドとの間にはもう一本山脈があって、とてもとても遠くて、だからシンダールとシルヴァンエルフとは全く違う歴史となり、全く違う文化となり、言葉も違うものとなりました。

元は同じテレリ族でも、そういう感じでシンダールは森のエルフよりずーーーっと進んでいる。カンタンに言うと、シンダールの方がエルフとして上なわけ。森のエルフは下なわけ。

で、レゴラスはその森のエルフで、えーー、それじゃあ、要するに大したことない部族の田舎っぺで、映画でカッコつけてるのはあれは見かけだけで中身はどうってことない奴なのか???顔だけってことか???

いえ、それが、レゴラスはシンダール族なのです。
それにその、シルヴァンエルフもですね、頑健な民ですからバカにしちゃいけません。

レゴラスは森生まれの森育ちですが、レゴラスの爺ちゃんのオロフェアはシンダールで、シンダール族を従えてシルヴァンエルフの中に入った。森のエルフは、遠い親戚で自分たちより進んでいるシンダールを喜んで迎えてオロフェアは王となる。オロフェアは戦で死んで、その息子のスランドゥイルが王となる。レゴラスはその息子。3代目。
終わらざりし物語のガラドリエルとケレボルンの歴史の中にここら辺のことが書いてあるよ。

ちなみに爺ちゃんが死んだのは、あのサウロンさんが指輪をイシルドゥアに取られた戦のとき。エルフ側の指揮官ギル=ガラドの言うことをきかないで勝手に先頭切って敵陣に突っ込んだらしい。(^^;) わたしはわたし、あんたには従いません、ってことで。

オロフェアの息子のスランドゥイルはホビットの冒険に出てくるけど、なかなか、その、個性豊かというか、わがままというか、わたしはわたしというか、さすがオロフェアの息子というか。(^^;)
レゴラスはその息子だからねぇ。他のエルフと比べて目立つのは当たり前かもしれない。まぁ、見た感じ、原作にしても映画にしても爺ちゃんやパパよりは大人しそうですが。
でもやっぱ、飄々としたところは他のエルフと比べても独特かも。

とにかく、レゴラスは森生まれの森育ちで森どっぷりの生活で森の民ではあるけれど、血筋は森ではない。シルヴァンエルフより上の、シンダールの系列なのだ。

シンダールだけど森にいるのがカッコいいのだ。森のエルフであって、でも血筋的には森のエルフでない。なかなかいいシチュエーションなのだ。

森のエルフにとっては、シンダールのお坊ちゃまなのだ。あのオロフェアの孫で、あのスランドゥイルの息子だし、大事なお坊ちゃまなのだ。
さぞ、みんなにいいこいいこされて育ったに違いない。





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