半エルフ
エルロンドさまは、半エルフと呼ばれる。

半エルフ。半分エルフ。

人間の場合、人種が違う同士で結婚すると、ハーフの子供は大抵美形になる。それに加えて、両親の両方の言葉をすんなり覚えて、何の苦もなくバイリンガルとなる。美形でバイリンガル、世の羨望の的、素晴らしい。

さて、エルロンドさまはどうか。
原作のエルロンドさまは、素晴らしく高貴な、紳士な、ダンディな、光り輝くオーラを放つ、不思議な雰囲気を持つ、深遠な、美形な、エルフのはずだった。裂け谷の主で、遠い過去から生きていて、人間の血も受け継ぎ、長い歴史を内に秘め、インテリさも漂い、おいそれと声などかけられない感じ。
それが、映画のエルロンドさまは、やたらとおでこが広かった。(爆) あれは育毛関連企業が放ってはおくまい。CM出演依頼が殺到。ギャラは相当高いな。

 すみません・・・(^^;)


で、そんなエルロンドさまは、実は半エルフではない。

え゛〜〜〜!!! うっそ〜〜!!


正しくは、半分以上エルフ。かつ、ちょっとマイア。

では、エルフ+人間の血の両方をひく皆さまのエルフ度を見てみよう。



以上、鷲度100%のグワイヒアの計算でした。どっか間違えてたら教えてね。

緑のところ3ヶ所が、エルフと人間が結婚したところです。それが原因で、エルフ度だの人間度だの、半エルフだの、いや正確には半分以上だの、という話になるわけです。

この上の方にも、もちろんもっと続くんだけど、いろいろ混ざるところ周辺をピックアップしてあります。全部書こうとすると、なんかねぇ、あちこちつながって、迷路のようで、わかんなくなります。
この図の中のガラドリエルとイドリルも、ここでは離れてますが、ずーっと上の方でつながってて、血のつながった親戚です。共通の祖先となるフィンウェは、ガラさまの爺ちゃんで、イドリルの曾爺ちゃん。だから2人は5親等。
ガラドリエルとケレボルンも上の方でつながっていて、親戚です。爺ちゃん同士が兄弟で、ガラさまとケレさまは6親等。
ガラゾンだのガラシルだの、そんなもん知らんという人は、終わらざりし物語をどうぞ。

緑の3ヶ所以外では、ドル・アムロスの家系があるけれど、エルフの家系図の中での重要度が高くないというか、あまりよくわからないエルフなので、ここでは入れませんでした。また別の項で。

以下、種族名は、ノルドールの単数はノルドで、ヴァンヤールの単数はヴァンヤで、マイアールの単数がマイアで・・・なのですが、マイアはここでは1人しか出てこず、だから単数で通します。他は種族としてのことだし、単複が混ざってるとわかんなくなるので、複数で統一します。

えーと、図の一番上のメリアンはエルフじゃなくて、もっと上の存在であるマイアなので、色を変えてあります。ルシアンはエルフの血は50%ですが、そうなるとマイア度も辿っていくことになってややこしくなるから、ここではエルフと同じとして100としました。
でもやっぱりマイア度も辿ってみたいので、カッコの中に書いてあります。赤いのがマイアの血のパーセンテージ。
つまり、カッコの上の数字は人間の血以外、エルフとマイアの合計です。カッコの中がその内訳です。
100からここに書いてある数字を引くと、人間度がわかります。

エルフ度は、ノルドールとかシンダールとかまで考えてると、ますます数字が細かくなってわかんなくなるので、ひとくくりにエルフにしてあります。
ちなみにガラドリエルは、ヴァンヤールもノルドールもテレリも全部入っている。つまりガラさま以降は、エルフ3種類が入ってるのだ。
シンダールというのはテレリの一部ではあるけれど、海を渡ったテレリと、残ったシンダールバリバリのグループとは結構イメージが違う。

そしてエルロンドに至るラインは、マイアと人間、ヴァンヤール、そしてバリバリシンダールの系列だから、アルウェン以降は、マイアもヴァンヤールもノルドールもテレリもシンダールも人間も、ぜーんぶ入っているということになる。すごい。すごすぎる。

エルロンドさまは、一応ノルドールということになってる雰囲気だけど、その内訳を計算すると、マイア6.25、ヴァンヤール3.125、ノルドール21.875、シンダール31.25、人間37.5%。うーん。どっちかっていうとシンダールだねぇ。

人間、つまりエダインは、エルフの友の三家があって、トゥオルはその3つの家系全ての血を受け継いでいる。
そしてエルロンドはトゥオルの孫だから、その人間度の37.5%にはエダインの三家の血も全て入っているのだ。すごい。

エルロスは人間になる道を選んでヌメノールの王となり、延々と代々続いて、もうわかんなくなるくらい続いて、実際系図を見てもよくわかんない状態で、何千年も経ってアラゴルンに行き着きます。で、ヌメノール人は人間族なので、アラゴルンは0としました。
兄弟を並べる場合、こういう図は年の順に並べるんだけど、アルウェンを右端にするとアラゴルンとくっつかなくなるんで、そこは年の順じゃありません。アルウェンは一番年下です。

さて、こうして見ると、エアレンディルさんはエルフ度が低い。きっちり半エルフ。これがほんとの半エルフ。エルフ度は息子たちの方が高くなる。そしてまた、その次の代の方が高くなる。面白い。段々薄くなるんじゃなくて、濃くなる。
せっかく濃くなったのに、アルウェンがアラゴルンと結婚しちゃったもんだから、エルダリオンでまたエルフ度はどんと落ちる。どん!!

エルロンドさまは、映画では、人間なんか弱くてどうもならん、指輪の騒ぎも全部人間のせいだ、とぶつくさ仰ってましたが、ご自分だって人間度は37.5%で、結構人間なわけです。あのとき、ガンダルフはエルロンドに言ってやればよかったのだ。お前さんだって人間じゃろう、って。

上の図に出てくる以外のエルフは、100%エルフだ。第3紀、そのエルフたちを束ねていたのは人間の血が入ったエルロンドだった。

第1紀のエアレンディルも、半分人間だったけど、シリオン流域に逃れたエルフたちの lord だったとある。

エルフ族は、上に立つ者のエルフ度は関係ないらしい。実は人間の血が入った方が強いのかもしれない。

この表を眺めると、何%までがエルフで、何%から人間になるんだろう?それで、何%から何%の間なら、エルフになるか人間になるかを自分で決められるんだろう?とか考えてしまう。

優性遺伝とかいうのもあるし。エルフの特性と人間の特性のどちらが優でどちらが劣なのか。エルフの血の方が表に出るのが強いとすれば、エルダリオンの40%も、実質的には半分を超えるのかもしれない。
しかし種族として世代をつなげていく強さは人間の方が上なわけで、だからミドルアースは人間が受け継ぐことになった。じゃあ人間の方が優性なのかな。でも優性遺伝とか劣性遺伝とかは、ソバカスとか巻き舌とか、なんかどーでもいいことでも分けられてるから、まぁどっちでもいいんだろうけど。ソバカスって優性なんだって。巻き舌出来るかどうかも優性遺伝。おもしろいねぇ。

巻き舌は置いといて、問題は、親が有限の命を選んでしまったら、その子供はもうエルフじゃないのか、ということだ。

だとしたら、エルダリオンはいい迷惑ではないか。そりゃエルフ度約40%で、半分以下エルフなんだけど、でも選べるとしたら、彼はエルフになりたかったかもしれない。それにマイアの血だってちょっとだけど入ってるんだもん。
エアレンディルにはマイアの血はない。それを考えると、50%エルフのエアレンディルと、40%エルフでマイアの血もちょっとありのエルダリオンは、どっちがエライかわからない。エライとかいう問題じゃないけどね。でもメリアンの系列はやっぱりちょっと違うと思うな。存在の尊さが。

でも何%とかってのはあんまり関係ないらしい。

むかーし、第1紀、いろいろ混ざった4人は、エルフか人間か、どっちに属するか自分で選べと言われる。
エアレンディルがヴァリノールに行ったとき、ヴァラールの皆さんは、エアレンディルがどっちの種族になるのかで困って、じゃあ自分で選んでね、ってことになった。そのときに存在した混血の方々は、エアレンディル、エルウィング、エルロンド、エルロスの4人。

この時にはディオルは殺されてしまって、もういない。ディオルはマイア25、エルフ25、人間50の割合だった。息子のエルレードとエルリーンは、パパのディオルよりエルフ度は高い。ディオルは半分人間だったけど、子供たちの人間度は25%。でも森に置き去りで餓死という可哀相なことになってしまった。エルフは食べ物がなくてもしばらくは何とかなりそうだけど、死んじゃうのだな。
この3人は、生きていたらどっちを選んだだろう。

で、残っていた4人のうち、人間を選んだのはエルロスひとりだった。

もっと昔、ルシエンは、ベレンと共に死ぬことを選んだ。

アルウェンは限りある命となることを選んでアラゴルンと結婚する。
アラゴルンは死ぬ前にアルウェンに、西に渡って行けば?と言う。
でもアルウェンは、昔選んだ道だし、もう船もないし、今更そんなこと出来ないわ、と言う。
でもレゴラスはアラゴルンの没後に海を渡って行ったのだから、船はあったはずなのだ。アルウェンも行く気になれば行けたんだろう。
でも、そこで命を捨てずにエルフの道を選んだら、それまでさんざん揉めたのは一体何だったのか?!ということになるから、やっぱ行けないな。すんなりヴァリノールに渡れれば、エルロンドも悩むことなかったしね。あーそんなに好きなら結婚しなさい、それでダンナが死んだら、後からおいでね。ってことで済んだわけで。それも何か軽くていいけど。

アルウェンの曾爺ちゃんと曾婆ちゃんにあたるトゥオルとイドリルの場合は違った。イドリルは、わたしは永遠の命を捨てるわ!と決意してトゥオルとくっついたわけではない。イドリルのパパのトゥアゴンは、人間なんかに娘をやれるか!どうしても娘が欲しけりゃ、どこそこの王さまになれ!と騒いだわけではない。
そして結局、トゥオルはエルフになった。らしい。

しかしベレンのときは、人間の死を帳消しにすることは出来ないって話だった。トゥオルの場合は帳消しありだったのだろうか。
ノルドールの一員になったというのは、どうもそういうことらしいと書いてあるだけで断定ではないんだけどさ。でもなぁ。人によって例外があったりなかったりするのは納得がいかない。

考えてみると、あのとき、エアレンディルが海に出ず、出てもヴァリノールに行き着けなかったなら、ヴァラールの皆さんが話し合うこともなく、どっちか選べという話にはならず、で、どうなっただろう。選択なしってことにもなってたかもしれない。
選択しなかったらどうなるのかな。
エルフの割合が低くなると有限の命になるのかな。ずっと代々、人間と結婚し続けたとすると、いくら代々エルフとして生きることを選んでも、エルフ度はどんどん下がり、50、25、12.5、6.25、3.125、1.5625、0.78125、さすがにこの辺になると、エルフとは言えなくなるだろうし。どっちか選ぶことが出来る下限はどの辺なのかな。トールキンせんせーい!!聞いてますかぁ?!


で、まぁ、結論としては、混血となった場合、永遠の命か有限の命かは、本人が決める。
エルフを選んだ場合は、次の代にも選択権が残され、代々どっちか選ぶことになる。
有限の命を選んだ場合は、エルフ度が何%かに関わらず、次の代は人間族限定となる。その際は、マイア度のあるなしも関係ないらしい。

定命の者と結婚した場合は、ちょっとびみょーだけど、相手と同じ運命を選ぶ。しかし選ばないというのもありなのかもしれない。愛してるから同じ運命を選ぶだけで、自動的に同じになるわけではないのかな。でもアルウェンは、エルロンドが去ったあたりで既に mortal woman になったとはっきり書いてあるから、やっぱり自動的に変わるんだろうか。
しかしどうかすると、イドリルみたいに、相手を自分の運命の方に同化させることも出来るらしい。ここらへんはよくわからない。

で、エルフとマイアの血が入った人間が後代続くのは、アラゴルンとアルウェンの子孫のラインのみ、となる。
ディオルの子供で生き残ったのはエルウィングだけ。エルロンドの息子2人は、その後どうなったのかわからない。行った時期が遅かったにしても、ヴァリノールに渡ったというのが妥当だろう。残って人間のお嬢さんと結婚しました、って記述はないし。それよりエルロンドさまの息子だし、おでこの広がり具合が心配だ。きっとエルロンドさまはいろいろ気苦労が多くてああなったのだな。だからエルラダンとエルロヒアはさっさとヴァリノールに行って、ストレスのない生活をした方がよろしい。

アラゴルンとアルウェンの子供は、エルダリオン以外に女の子が何人もいた。彼らの子孫はどんどん続いてどんどん増え、今の人間の中にもヴァンヤール、ノルドール、テレリ、シンダール、そしてマイアの血が、ほんの、ほんの、ほんの、ちょびっっっっ・・・とだけ、入ってるんだろうな。

そう考えるとちょっと楽しい。日本民族だからって、関係ないわけじゃない。元は大陸から渡ってきた人たちの子孫なんだから。
ほら、アナタもマイアの血、0.00000000000000・・・・・・1%くらい、入ってるかも。すごい。(^_^)v




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