ウルク=ハイはどっちだアンケート
第1部のDVDを見てて、ふと思いました。
アンドゥイン下りのシーンです。

アンドゥインを舟が下ります。一方、ウルク=ハイが走ってます。すごいっすねー。あれなら箱根駅伝も間違いなく優勝だ。

そこでですね、アンケートです。
ウルク=ハイは、どちら側の岸を走っていたのか?

右岸か左岸か・・・・・ なんとなくでいいです。 
このなんとなく、ってのが結構大事なんだな。
映画を見て、みんなはどう感じたかな。無意識にどっちだと思ってた?
なるべく右か左かどっちかにしてね。 両方だと感じてた人は両岸でいいけど。

理由がある人はカンタンに書いてください。

・・・という調査を行いました。

集計してみると、なかなか面白い結果になったよ。
回答数は69でした。ちと少ない。ま、1回目としてはこんなもんかな。
皆さま、ご協力ありがとう!
さて、当初、グワは左という答えが多いのではないかと踏んでいました。なぜかというと、レゴラスが左を見るからです。それでウルク=ハイの親玉のラーツは右を見ます。だからグワはミドルアースをよく飛んであるってるにもかかわらず、あのシーンはラーツたちは左にいるように感じた。

でも、ん・・・・?と思うわけだよ。だって右じゃん。おっかしいなー・・・

みんなはどう思ってたんだろ? そこでこの調査となりました。



はい、結果です。
右という答えが半数を超えています。
左という答えも結構います。
これでわかるのは、みんなの印象はそれぞれ大きく違うということです。

理由を書いてくれた人がたくさんいました。それを読むと、ますます興味深い結果となります。

下をどうぞ↓

こういう内訳になります↑ 右、左、だけのところは理由が書いてなかった人。なんとなく・・・でしょう。

まず、右からいきましょう。
地理的に右になるから。これは一番冷静な所見です。ウルク=ハイたちが出発したアイゼンガルドは右方向にある。だから左岸にいるはずはない。もうひとつ、アラゴルンたちは右岸に上陸して、そこで戦いになる。だからウルク=ハイたちも右にいたはず。だからオレンジのところが論理的に正解なはずなのです。

次、レゴラスちゃんにご注目。
レゴラスが右を見るから。ところが、レゴラスが左を見るから、ってのもあります。この2つは同数でした。
どっちが本当かと言えば、レゴラスが見たのは左です。
レゴラスが右を見てたから、というのは単なるカン違いか、地理的に右でないとおかしいということに合わせるために頭が勝手にカン違いをさせてるのか、どっちかでしょう。

カメラワークの印象から左というのは、ウルク=ハイたちは右側から映されています。観客はアラゴルンやフロドたちに一体化してるので、ウルク=ハイの右側が見えると、自分の左にいるように感じる。だから、河の左を走ってるように感じる。

この、「レゴラスが左を見る」、「映し方で左」と言った答えのうち半数には、「でも理屈から言えば右だよね」、というコメントがありました。そうなんだよね。

では詳しく分析を。
  ☆さて、どこを通ったんだ?

左の地図を見てみよう。
かなり大ざっぱだけど、とりあえず位置関係はわかるよね。
これは上が南です。下が北です。よく見る地図と違って逆さまになってます。
進行方向わかりやすいかと思って・・・
アラゴルンたちの視線の方向は南を向いているので、みんなもそうして下さい。

フロドとアラゴルンたちはロリアンから舟でアンドゥインを下ります。一行がバラバラになったのはネン・ヒソエルの右岸です。

一方、ウルク=ハイはサルマンのいるアイゼンガルドを出てホビットを探してます。

ウルク=ハイがこの地図の中でどう動いたのかが、今回のアンケートのテーマなわけ。

ちょっと考えてみてよ。
サルマン様のところを「おーーっ!」と出発した後、どういうコースを辿ったのか、
 



考えた?



考えた?



考えた?



考えた?



考えた?


  ↓右ならこうかい?

では少し範囲を広げた地図です。
上が南、下が北。
フロドたちは上方向へ進んでいる。

走ってたのは地理的に右である、というのは明々白々です。一行は南に向かっていて、アイゼンガルドは西。だから右。

ウルク=ハイが走ってたのは右岸、と感じてた人の頭にあったのは、こういうコースかと思います。オルサンクを出て、えっさえっさと走ってホビットを探して、やっとつかまえてサルマンのところへ向かう。


アイゼンガルドを出て、川の近くも走って、アモン・ヘンのところでホビットをつかまえてアイゼンガルドへ戻るということを考えると、地理的設定を基にすれば、確かにこれが真っ当なコースかと思います。



  ↓本ならこうかい?

原作ではどうなってるのかというと、 本に出てくるのはサルマン配下のウルク=ハイの一派だけではありません。
モルドールからもオークの一隊が来ている。霧ふり山脈からはモリアで仲間を殺された仇をとりにフロドたちを追っかけているオークたちが来ている。へぇ、仇討ちかぁ。オークにはオークの義理人情があるんだねぇ・・・

で、とにかく、アイゼンガルド組、モルドール組、モリア組という3つの建設屋が・・・違う、3つのオークの団体さんがピピンとメリーをさらっていく。

細い3本の矢印は、基本的な方向を示しただけで、実際はかなり迂回したりしているはずです。ここに描かなかった細めの川がいくつもあるし、3隊が合流したのもアモン・ヘンの辺りに行く前だろうし。

その3隊が太い矢印となってオルサンクへ向かおうとしてます。ほんとはそれぞれが出てきたところに戻りたいんだけど、アイゼンガルド組が一番強いから、他のオークはぶぅぶぅ言いつつも、ついて行く。
坑道からきたオークたちは何かオマケみたいなもんで、主となるのはオルサンクとルグブルズの隊です。
ここらへんの事情を知らない人は本読みましょう。

さて、フロドたち一行の近くにいたのはこの3隊だけではない。

アンドゥインの左側にもオークはいて、原作中では一行に矢を射かけてくる。あぶない、あぶない。
あの時、レゴラスはナズグルの乗り物を射落とすよね。そんなの知らん、って人は本読みましょう。 で、その乗り物が射られたっていうことをピピンとメリーをさらったウルク=ハイは知っていた。レゴラスがナズグルの翼を持つ獣を射た現場はネン・ヒソエルの手前で、落ちたのは左岸です。
どのくらい手前かというと、サルン・ゲビアよりちょっと北。地図の赤いマークの小さい方のあたり。

ロリアンからパルス・ガレンまで10日かかっていて、オークの攻撃があったのは、パルス・ガレンに着く2日前の夜。その2日のうち1日は舟をかついで歩く羽目になったからそんなに距離は進んでいないんで、ほとんど舟で1日分の距離と言っていい。
その、湖に近い左岸で、一行に矢を射てきたオークたちはナズグルの乗り物落下の現場に居合わせて、その後このことはモルドール側では大ニュースとなったはず。しかし、衛星中継はないはずだし、メールもないはずだし、ケータイもないはずだし、これをアイゼンガルド組が知っていたというのは、モルドール組のオークたちから聞いたんだろう。

だけど、その事件の後、現場にいたオークがアンドゥイン沿いに南下して、モルドールまで戻ってそれからナズグルさまのご命令で橋を渡って走ってアイゼンガルド組に合流して・・・っていうのは時間的にちょっと無理がある。 と思う。 フロドたちの離散まで3日しかないんだから。
どこかで河を渡って事件を伝えたオークもいるはずだ。
そういえば、アラゴルンは白光川(the Limlight)の近くで言ってた。オークたちは河を渡ることがあるって。

だから、上の地図の矢印は、グワが線を引いたのよりもずっとややこしいことになってるはずなのです。


  ↓走りすぎだぜラーツさん!

さて、では問題の映画です。
左の矢印見て「なんじゃこりゃあぁぁっ!」と叫んだ皆さん、まぁ落ち着いて続きをどうぞ。

ロリアンでハルディアが言います。
「白い手の印をつけた変なのがウロウロしているから注意しろ」

ってことは、ウルク=ハイはかなり北まで来ているということになる。ロリアン周辺まで来てて、それからアンドゥインに沿って走る。それをレゴラスが感じて左を向く。
そう見える。

・・・・左・・・かなぁ。ウルク=ハイは河を渡ったんだろうか?
ウルク=ハイの親玉のラーツは走りながら右を見ている。・・・やっぱ渡ったんだろうか?

これはですね、ほんとは別に悩むことはない。だってレゴラスはたまたま左を向いたのかもしれないし、ラーツが右向いたのはたまたま好みの女の子がいたからかもしれない。(いないって)
それにウルク=ハイはオルサンクから東に向かって走ってる途中で、別に河の近くにいるわけじゃないはずだし。
ハルディアが言ってたのは、エルフは情報が早いから、ずっと南のことも分かるんだろう。
やっぱこの矢印は間違いだな。 よし。

ところがだ。せっかくそういうことにも出来るのに、DVDのコメンタリーに説明がある。

PJ監督の説明です。
河と陸を両方撮った。ウルク=ハイは陸を走って一行を追う。一行はそれに気づかなくて、ゆっくり河を下る。でもエルフは敏感だから、気配を感じる。

なんだ。近くにいるわけだ。追っかけてるわけだ。ってことはウルク=ハイはやっぱりロリアン付近まで北上していたわけだ。

そのシーンではレゴラスが左を向くのとラーツが右を見るのが交錯している。見つめ合っちゃったかしらん、って感じ。

とにかく、エルフのカン違いを表現するために左を向かせたわけではないらしい。
PJはじめスタッフの考えていたのは、ウルク=ハイは左岸にいる、ということか。
渡ったのかなぁ。
それで戦いは右岸で起きる。ってことはまた渡ったのかなぁ。行ったりきたり。
泳いだのかな・・・ウルクかき。すごそう。

舟を上空から撮ってるシーンは右方向からだったりもする。これがウルク=ハイの視線だとすれば右岸にいるようにも感じる。その右から撮ってるシーンのあとでアラゴルンは右を向くんだよね。ボロミアは左。キョロキョロする。人間はエルフほど敏感じゃないから、レゴラスみたいに「キッ!」と確定的には見ない、ってことなんだろうけど、右にもいるんだろうか。

映像とコメンタリーによれば、映画ではウルク=ハイが走ってたのは、どうも左というのが正解のようなのですが。
というか、両岸というのが正解になるのかな。オルサンクを出ていきなり左岸にワープするわけにもいかないから。

ここでまたDVDにご登場願いましょう。追加映像で、河岸で夜休むシーンがある。舟は右岸に引き上げてある。水の流れから右岸だってわかる。ゴラムが丸太ん棒につかまってるところも、左から右に流されてるから、河の右岸から見ていることになる。

そうです、アンドゥイン下りにおいては、休むときは右岸が鉄則なのです。原作でも映画でも同じことです。
なぜかと言えば、左岸は東で、東はモルドールで、モルドールはオークがうようよで、オークがうようよだと危なくて、危ないとおちおち寝てられないから。
次の連休はアンドゥイン下りの予定という皆さま、気をつけましょう。岸に上がるときは右ですよ、右。 左で休んだりしてはいけません。

それでですね、だからその、もしラーツたちウルク=ハイが右岸をどやどやどやと走って一行を追っかけてるとすると、岸で休んでるアラゴルンたちの真っ只中に突っ込むことになりかねない。
だからこのことから見ても、走ってたのは右ではない・・・・ように思える。

ただし、あのシーンは右岸に上がったのではないのかもしれません。
原作では小島で休むところがある。映画のあのシーンはよく見ると島かもしれない。木の向こうは空だし、ずっと陸が続いてるように見えない。ゴラムが丸太につかまってるのが妙に近くだし、ボロミアとアラゴルンの視線も近くを見ているし、ゴラムがボロミアたちを見ているところもかなりの近距離だ。大河の向こう岸には見えないよなぁ。
だから川の真ん中に島があって、その島の東側にいたというのがあのシーンなのかもしれない。でも島で休むにしても、東側にいるような危ない真似をアラゴルンが許すだろうか? ちょっと疑問ではあるけどね。

他にDVDでは、河下りのところで、原作に出てくるようにオークの矢が飛んできて逃げる、というシーンを撮ろうとした、とのコメントがあります。でも増水して撮れなかったそうで。いろいろ流されちゃったそうで。あぶないなぁ。
増水しなくて、そのシーンが撮られていたら、どっちの岸でどっちから矢が飛んでくることになってたんだろう?
ちょっと興味ある。と思ったら、特典ディスクの絵を見たらどっちかわかった。原作通り、モルドール側からだ。アラゴルンたちは右岸にいる。
じゃあラーツたちは左にいたのか?

映画は、撮るときにスタッフが何も考えてなかった、というのが正解か・・・とも思える。
でもこれが考えられた結果だとしたら、それはそれで理に適ったことではあります。

ロリアンやローハンの側である右岸は基本的にオークの持ち場ではない。
オーク関係者が安心して(?)いられるのはモルドール側である左岸です。河の東、湖の東は、オークはいて当たり前のところだから。

原作でも、霧ふり山脈のオークがロリアンの周りをうっかりうろつくとエルフたちが黙ってはいないし、アイゼンガルド組がローハンをドカドカ走った結果エオメルたちに追われる羽目になったことは強いウルク=ハイにとっても歓迎すべきことではなかったし、モルドール組がホビットを連れて東に戻るにしても、橋まで行くのは大変だというセリフがある。ここら辺りは物騒だというセリフもある。dangerousだって。どっちが物騒なんだか。

とにかくオークにとっても敵側の土地にいるのは落ち着かない。だから、原作とは違ってだいぶ北まで行かせたウルク=ハイは、なるべくなら暗黒側のなわばりにいさせた方が伸び伸び走れるんじゃなかろうか。

そこまで考えたんなら、ああいう撮り方をした映画はすごいな・・・

・・・とグワイヒアは思うのでした。

まぁその、映画は原作と違って何日も何日もかけて川下りをするという描写にはしなかった、と監督が言ってるから、そんなに長距離走らせたつもりじゃないのかもしれないけどさ。
でもねぇ、上の矢印でいいとすると、すんごい距離だよ。計ってみたら、アイゼンガルドからぐる〜っと廻ってパルス・ガレンまでは少なくても600マイルはある。約960q。起伏もあるし、まっすぐは走ってないだろうし、1000キロは軽く超えるだろうな。いや、もっとありそうだ。 1500とか。ひぇ〜、うそっ・・・ 
それだけ走って、あれだけ戦えるなんてどうかしている。

あのさ、鷲が走ってるとこ想像してみてよ。グワイヒアはね、マラソン嫌いなんだよ。根性ないから。 ビリから数えた方が早いんだもん。いやんなっちゃう。
よかった、ウルク=ハイじゃなくて。(←ちょっと意味不明)

  ☆まとめ
はい、では結論。

ウルク=ハイがいたのは左岸、と思ってた人は、映画をよく見てます。えらい!
あの映像を見るかぎりウルクハイは左にいます。

ウルク=ハイがいたのは右岸、と思ってた人は、地理がよく頭に入ってます。えらい!
ミドルアースで迷子になる心配はありません。

ウルク=ハイがいたのは両岸、と思ってた人は、映画もよく見てるし、地理もわかっています。えらい!!

答えがどれにしろ、なんとなくそう思ってた人は・・・・・直感が鋭い!エルフかもしれない!


・・・ってことで、まーいっか、どっちでも・・・というのがグワの結論でした。(←てきと〜)


アンケートにご協力くださった皆さま、ありがとうございました! 理解度、少しはアップしたかな?
川下りの辺りは、本でも映画でも割と地味な部分だけど、いろいろ考えると、本を読み込むと、そして画面に食いつくように見ると、なかなか興味深いところなのです。ほんとに食いついてはいけません。



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