川岸の大石像
南の王国、ゴンドールの北の国境の目印。
アルゴナス、王の岩と呼ばれます。ゴンドールの最初の王、イシルドュアとアナリオンの像。イシルドゥアは昔、サウロンの指輪を取った人、アナリオンはイシルドゥアの弟。
それで、アラゴルンは「わたしの先祖だ」と言うのです。

あのシーンは、事情を知らないと、あー、何か立派だなぁぁ・・・すごー・・・で終わってしまうのですが、実は、アラゴルンが自分が継ぐべきゴンドールの領地に入った、とても重要な瞬間なわけ。

エレンディルが築いた2つの王国、アルノールとゴンドール。
北のアルノールは暗黒の力によって崩壊、王家の血筋は何とか保たれ、この時点での族長はアラゴルン。南のゴンドールは国としては存続しているけれど、王家は暗黒の力によって絶たれ、どちらも昔の栄光は失われています。

北では国はないけれど、王家は続いている。南は国はあるけれど王家は絶えている。
そして、ここまで王国復活が成らなかったのは、時が熟していなかったから。

サウロンの指輪が見出されるとき、エレンディルの折れた剣は鍛え直され、王が復活する。
これが、言い伝えられてきたこと。

サウロンというのは、その前のメルコールという悪いヴァラ(神ともいえる存在、精霊) の配下にあったのですが、メルコールの後、この世界の悪を一手に引き受けている存在。
この世界はアルダと呼ばれるのですが、アルダ創生のときから、メルコールは目の上のタンコブで、困り者で、アホンダラで、何万年という永いときを他の者たちはメルコールのために苦しんだのです。
ドゥネダインたち、つまりヌメノール人は、太古、メルコールとの戦いのときも他の善いヴァラたちの側について戦ったのです。アラゴルンはそのドゥネダインの末裔。
そしてメルコールの後を継ぐサウロンは指輪を作り、世界を支配しようとしている。
これはもう因縁の対決。

そして、王国の再建。
アラゴルンはそれを成し遂げるべくして生まれた偉大な王で、エルフの王にも引けを取らない存在。
そして、若いころから各地を旅して暗黒の勢力から諸国の民を守ります。
今までにもゴンドールの領内に入ったこともあるけれど、今回はちょっと違う。
いよいよ、時が来たのです。

エレンディルの王国が復活するのは、何万年という歴史の暗黒の部分であった力を消滅させるときなのです。

サウロンとの戦いは避けられない。ミナス・ティリス(ゴンドールの都ね) を陥落させてはならない。そして指輪は始末する。

そして、アルノールとゴンドールは統一され、王が戻ってくる。

だから、指輪物語第3部の副題、「王の帰還」というのは、恐ろしいほどの重みを持った言葉なのです。

何万年という戦いの最後のときを迎えるべく、ゴンドール領地へ入るアラゴルン。それを迎える2つの像。それはエレンディルの息子たち。

王の帰還となる一歩です。



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