トールキンの著した指輪物語とその関連書の数々は、一人の作家が成し遂げたとは思えない深遠な世界を形作る。

それは、古代から言い伝えられるギリシャ、ローマの神々の話にも匹敵し、ホメロスの叙事詩のようでもあり、シェークスピアの描くような精神の葛藤があり、欧州各地に残る指輪伝説にも通じる。

言語の大家であったトールキンは、若い頃から新しい言語を創造するということをして楽しんでいた。それは、トールキンにとっては難しい仕事ではなく、単なる道楽であり、自分の一番興味のある言語というもので遊べる大切な時間であったのだ。

現在、エルフ語として知られるこの言語は、さすがオックスフォードの言語学者が構築しただけあって、実際に世界で使われている他の言葉に負けない、一人前の言語となっている。
そしてその言葉を使うに相応しい世界を創造すること、これがトールキンのライフワークとなった。
そして、まさに相応しい世界がひらかれた。

ミドルアース関係の著作の第一弾となった「ホビット」、続く「指輪物語」、そして「シルマリルの物語」、トールキンの遺した資料を息子のクリストファーがまとめた膨大なミドルアースの歴史、生前には全巻発行は間に合わず、トールキンの死後も刊行が続いたこれらの一連の流れは、世界の財産でもあり、今後長い歴史の中にも残っていくであろう古典でもある。

言語の知識だけでなく、時代も地域においても広い範囲の文学や伝承に関する知識、さまざまなことを土台として、しかしそれら既成の概念とは離れて、自ら輝かしい新世界を創造する偉大な才能の持ち主、それがトールキンだ。

我々の想像力、そして創造力が、いかに計り知れない規模と可能性を秘めているかを教えてくれたのもトールキンだ。

彼の著作を色々な角度から眺めてみたい。

そして、皆さんが指輪の世界への理解と共感を少しでも深め、ミドルアースをもっと楽しく旅することが出来るようになれば、グワイヒアとしてはこんなに嬉しいことはない。


・・・ということで、この探索はだいぶ大変なことになりそうです。
気長にお付き合いくださいね〜