その他、人の形でない方々。
動物、植物、などなど。
アスファロス
Asfaloth
asfa  サンスクリット語の馬を表す語、asva の変形
loth  S 花

花馬。馬花。花駒。
グロールフィンデルの白馬。(映画ではアルウェンが乗ってる)
あの馬は、お花ちゃん、だったのですよ。フロドを乗せたアスファロスにグロールフィンデルは、「花ちゃん、行け!」と言ったのですね。

loth は普通にエルフ語ですが、さて、asfaの方。
なんでいきなりサンスクリット語???と思われるでしょうが、ヨーロッパ語族の馬を指す単語は辿っていくと、このasvaに行き着きます。
英語の場合、horse の方ではなくて、equine の方です。
語源を辿ると、ラテン語、ギリシャ語などは中間地点で、源はサンスクリットのasva。

グワイヒアの小さな語源辞典にも載ってるから、言語学業界では有名な(?) asva のようです。
トールキンが知らなかったわけはない・・・!
ミドルアースでは馬が重要ですよね。ローハンも馬の国だし。エオウィンの名前、eo(eoh)も古英語で馬のことです。

ミドルアースのどこかにこのasvaを使いたくて、うずうずしていたトールキンの姿が想像できます。なんといっても、馬を表す一番古い形ですから。


アセア・アラニオン
Asea aranion
Q
asea  eの上に点々つき。
これは不明。わからないらしい。出版物にはどこにも書いてない。

aranion
aran 王の複数属格。 王たちの、ってこと。

アセラス、王の葉のクゥエンヤ名。

アラニオンが「王の」だから、アセアは葉ってことかもしれないけど、わからない。
未出版の原稿に書いてあるらしいのですが、世界中のエルフ語マニアにとって不明な語。


アセラス
Athelas
S
薬草の一種

atheはよくわからない。
aran 王
これが変化したものかもしれない。でもわからない。
lasは絶対葉っぱだから、王の葉とするならばatheの部分が「王の」になるけど。
クウェンヤではアセア・アラニオンで、アセアが似てるから、同じ系列かもしれない。とすれば、アラニオンが「王の」だから、aseaもatheも「王の」ではないことになる。

las  葉 が続いて
アセラスとなります。

王の葉。
ヌメノール王家の正統な後継者、アラゴルンが使ってる。

ま、意味不明の部分があってもいいのだ。むかーしからある草だから、名前の意味もよくわかんないのだ。

エラノール
Elanor
S
el  星
anor 太陽
太陽星
ロリアンに咲く、金色の星形の花。サムの娘の名にもなった。

グワイヒア
Gwaihir
S
gwai 風 (LR397)
hir  王、長、マスター (LR364)

風の王 風を支配する者 風を自由に操る者
霧ふり山脈の大鷲。

第三紀最大の鷲で、ミドルアースの鷲一族を率いる。
このサイトの管理鳥。ふふふ。

ソロンドール
Thorondor
thorono 鷲
dor   taur、tarの変形 王、統べる者

鷲の王

第一紀の鷲。史上最大の鷲と言われる。環状山脈に住み、ゴンドリンを守った。マエズロスをサンゴロドリムの絶壁から救い、 ルシアンとベレンをアングバンドから助け出し、その他いろいろ、シルマリルの物語では大活躍。指輪のグワイヒアより出番が多い。いいな〜


テルペリオン
Telperion
Q
telpe  銀
ion  男性名の接尾辞 (LT1-271、LT2-344、LR400)

ionは、誰それの子、って名前を作る。
どこそこ家の者、とか。誰々の子孫。

テルペリオンは銀の子、銀から出でし者。
テルペリオンは銀より出でて、銀より銀なのだ。

ヴァラールの二本の木のうちの一本。
太古、ヴァリマールの西門のそばの丘で育てられた銀色に輝く木。

ニフレディル
Niphredil
S
niphred 淡く薄い色の、白に近い
dil  点、先端
白く小さな花
ルシアンが生まれたとき、ベレリアンドのネルドレスの森に咲いた花。その後、ベレリアンドは海に没したが、第3紀のロスロリアンには残っていて、金色のエラノールと一緒に咲いていた。

フアン
Huan
Q
huan 犬、猟犬 (LR364) 

フアンはそのまんま、「わんこ!」という名前。
Sでも同じ。

フアンはオロメの猟犬だった。ミドルアースに渡って、ベレンとルシアンを助けることになる。
は?っていう人はシルマリル読んでね。

Fangにも発音が似てる・・・な。

マルローン
Mallorn
S
mal  金
orn  木
金色の木

ロリアンの森の木。幹は銀色、花、葉は金色で、ロリアンは黄金の森であった。
ロリアンのエルフたち、ガラズリムはこの木の枝の間に住まいを作った。

メネルドール
Meneldor
S
menel  天、空
dor   taur、tarの変形 王、統べる者
天の王

霧ふり山脈の大鷲。
疾翼(はやつばさ the swift)のメネルドール。大鷲の一族の中で1番速く飛ぶのはグワイヒアで、メネルドールは2番目に速く飛ぶ。

メルリルン
Mellyrn
S
mel  金(複数)
yrn  木(複数)

マルローンの複数形。


ラウレリン
Laurelin
Q
laure  金色の
lin    歌

金色の歌

このlaureは、金属の金じゃなくて、色のことをいう。金の光なのだとトールキンは書いている。(L308)

ヴァラールの二本の木のうちの一本。
太古、ヴァリマール(ヴァラールの家という意味の都) の西門のそばの丘で育てられた金色に輝く木。

金の光を放つ木は、歌なのだ。なんて美しいんだろう。

ランドローヴァル
Landroval
S
lhand  広い、大きい
rhofal  翼、羽

トールキンの初期の草稿のつづりはLhandroval
後のシンダリンの形でLandroval

広翼 (ひろつばさ Wide-wing ) のランドローヴァル。
グワイヒアの弟。