どんぐりが可愛かった。

ビルボの性格、ホビットの性質、シャイアの空気が伝わってきて、あれはよかったな。

ドングリを見たトーリンの無邪気な笑顔、バーリンに見せてあげたかった。
あのドングリで、トーリンは正気に戻る。
またすぐおかしくなっちゃうけど、とりあえずシャイアのマトモな空気の方へ引っ張られる。


トーリンはオーケンシールドで、樫の盾で、だから樫の実であるドングリが出てくるんだろう。

ビルボはあれを植えて、育った樫を見る度に、トーリンを思い出す。

だからあそこは、ドングリでなきゃならない。栗とか松ぼっくりじゃダメなわけ。

ドングリにもいろいろある。柏のドングリは、帽子がもっと、もしゃもしゃしてる。むかーし、ちっちゃい頃、ピアノのレッスンに行く途中で拾ったドングリ、植えたら柏の木になった。ああいうのはほんとに思い出になる。拾った前後の思い出だ。
ビルボはあんな旅をして、モーツァルトのおけいこが足りなくてヤバくて怒られるとか、そんなレベルの大変さじゃなかった。とても、とても大切な木になったことだろう。

樫とか楢とか、日本の木とヨーロッパの木は種類が別だから、向こうの樫のがどういう帽子かはわかんないけど。
あ、あれはニュージーランドか。そうだった。
何にしても、樫のつもりなんだろうな。

そして、ドングリは、欧州では、ラッキーアイテムで、お守りになる。
まぁ、ヨーロッパじゃなくても、世界のどこでも木の実というのは、これから大きく育つということで、いいものとして扱われるんで、お守りになるところは多いかもしれない。

グワはいつも背負ってるリュックにはドングリを付けている。かわいいから、お気に入り。

ビルボが拾って大事に持って歩いていたドングリは、旅を共にしたトーリンの呼び名とも繋がり、未来への希望でもあった。


で、帰ってから植えたんだろうか。そのシーンはなかった。
バッグエンド周辺の大きな木、指輪のシーンとホビットのシーンを比べても、あれだな、というのは、どうもないみたい。

どれがあのドングリだ??と、みんな探すらしく、ネット上でもその話を見かける。でもやっぱりみんな、特定出来ない。


映画オリジナルの設定としてドングリを出すんなら、あれがあの時のドングリが育ったやつなんだ、っていうのがあるといいのにな。


映画館、ドングリのグッズがあるとよかったのに。レゴラスのバスタオルより売れたと思うけど。