エレボールに入って、いざ、下の階へ!!

アーケン石ゲットはビルボの役目らしい。

それを早く言ってよ、と思うけど。

竜のいるところへ行って、アーケン石を持ち帰る、なーんてことは、さっき言われたばっかりで。
でも、もうここまでで、ビルボは14分の1の報酬以上のことはしてる。全部もらってもいいくらい。
ぜんぶビルボにあげて〜〜


バーリンが途中までついてきてくれて、いろいろ喋る。
そしてここのシーンは、字幕と吹き替えではだいぶ印象が違う。

間違いではないけれど、日本語というのはむずかしいな、ということがよくわかる。




バーリンが仰る。

英語 字幕 吹き替え
I do not know what you will find down there. 下がどうなってるのか
想像もつかん
下で何が待っておるか
わしにも想像がつかん

うーん・・・

字幕と吹き替えは、どうも言ってることが違う。

字幕の方が、原文の言ってることだろうな。

どういう状態になっているのか、ってことで。

吹き替えは、これからの出来事のように感じる。スマウグとの追っかけっこが待っている。





ヤだったら行かなくてもいいのだぞ、とバーリンは言うのだけれど、ビルボの結論は次の通り。

英語 字幕 吹き替え
I promised I would do this,
and I think I must try.
旅の契約書に署名した
だからやるよ
やると約束したんだ
したからにはやるよ

別にどちらも間違いではなかろうし、どっちもアリなのはわかる。

promise は契約のことも指す。でもここで言ってるのはそれだけでもないだろうし。
アーケン石とは何かってさっき訊いてたんだから、竜がいるところからアーケン石を拾ってくると契約したわけでもあるまい。

UJの終わりの方で、ゴブリンの洞窟を脱出した後、ドワーフたちの力になると言ったことも含むだろう。
ついさっき、上でトーリンに言われてOKしたことも含むだろう。

ここは訳すのはむずかしいのかもしれない。
契約書ってしてしまうと、範囲が極端に限定される。
ビルボが言ってるのは、あのサインだけの話じゃない。

吹き替えみたいに単に「約束」としておけば、いろんなことを含むことができるから、吹き替えの方がいいな。

ここはだいぶ、意味合いが違う訳になっている。





降りて行くビルボに声をかけるバーリン。

英語 字幕 吹き替え
If there is in fact a ・・・
a live dragon down there.
Don't waken it.
もしも下の大広間に
生きてる竜がいたら
起こすな
下にはあれだ
生きたドラゴンがおる
起こすなよ

山にはスマちゃんがいるから危ないですよ、という前提で、話はここまで進んできた。

もしいたら、じゃなくて、いるんじゃん。

60年、スマウグは姿を見せていない。
でも別に、監視カメラが山を取り囲んでいるわけじゃなし、何年も前にこっそり山を出て、どこかに行っちゃったかもしれない。山の周りには誰も住んでないんだから、抜けだしてもわからない。

竜はお宝を置いて出掛けるわけがない。という大前提があっても、それを知らない観客も多い。

スマウグはいるかもしれないけど、いないかもしれない。字幕だと、そう感じる。

バーリンは、If と言いつつ、in fact と言っている。もしいたら・・・っていうか、いるんだけど、ってことで、もごもごする。
その、「もしいたら・・・っていうか、いるんだけど」感を出しているのは、吹き替えの方かな。「あれだ」があるから、言いづらくてもごもごしているのがわかる。

字幕は「もしいたら」、吹き替えは「いる」で、結構印象が違う。